No.489(Web版139号)4

 シン・ウルトラマン

 福田淳一

 「シン・ウルトラマン」を観てきた。一応期待通りの出来だった。今回は「禍威獣(カイジュウ)」や「禍特対(カトクタイ)」の様に、名称や設定を現代風にアレンジしている。ウルトラマンなどのデザインもカラータイマーを無くすなどの変更がなされた。これらは好評で、映画の興行も良さそうだ。だが、「ウルトラマン」世代の私としてはスッキリとしない部分もあった。よってここからは個人的な感想になる。「禍威獣(カイジュウ)」ではなく「怪獣」ではいけないのか。「禍特対(カトクタイ)」ではなく「科学特捜隊」ではダメなのか。自衛隊対「禍威獣(カイジュウ)」の戦いではなく、「科特隊」対「怪獣」の戦いが見たかった。せめて「禍特対(カトクタイ)」はサラリーマン風ではなく、隊服でいて欲しかった。ザラブやメフィラスの描写は良かったが、ゼットンにやり過ぎ感があった。ウルトラマンが無力過ぎて、その勝ち方にも…。
 主役級の俳優を多数使い、マニアだけでなく一般客の集客を狙う事も必要で良いが、今一つ感情移入しきれない感があった。その中で、メフィラスは良かった。
 オープニングで「ウルトラQ」と出ると思ったところが「シン・ゴジラ」を持ってきた所は、にくい。
 出現する「禍威獣(カイジュウ)」も「ゴメス」を1号に、Qやマンのファンの好みそうなセレクトも、庵野らしい、いかにもファンでなければ作れない選定と、BGMに当時のものを使用した所は、嬉しくなった。
 このような些細な違和感が、「シン・仮面ライダー」では出ない事を祈りたい。

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No.489(Web版139号)3

 ウクライナの戦争に昔の日本を見た

 中村達彦

 ロシアとウクライナの戦争は2月24日以来続いている。戦争になるまい、寸前でロシアが思い留まるだろうと予想していたが、本当に戦争になってしまった。
 3か月以上経つが、まだ続いている。ウクライナは善戦し、ロシアは苦戦。
 車輌の残骸が廃墟のあちこちに転がっている戦場の映像を毎日眼に。戦火に苦しむ人々、日本に亡命する人もいる。
 惨禍はSNSを通じて多く眼にし、戦場ではミサイルやドローンと言った兵器が使われている。日本から遠く離れての戦争だが、ロシアもウクライナも己が正しいと主張し、フェイクも含め多くのニュースが飛び交う。昔、ベトナム戦争では考えられない。SFだ。
 日本を含む欧米各国は強くロシアに抗議し、次々に制裁を実施。ロシアも対抗処置を、核兵器使用すらほのめかし、国内では批判の声もあるが戦争を終える様子は無い。
 戦争の影響もあり、食糧やエネルギーの価格が上がっており、TVでも毎日伝えられ、地球の裏の出来事などと軽々しくない。
 昔から、ウクライナはロシアに苦しめられてきた。かつてソ連の一部だった時に、収奪され何百万人も死亡している。第2次世界大戦では、ドイツから攻められ、ウクライナはこの時も戦場に。ウクライナの人は、当初、ドイツを解放軍と歓迎したそうだ。しかしドイツも、ウクライナに収奪や虐殺を行い、戦後もソ連による支配が続いた(ソ連のスターリンは、プーチンやヒトラー以上の苛烈な悪しき独裁者である)。チェルノブイリ原発の事故もある。日本と朝鮮以上に、遺恨は深い。冷戦終結、ソ連解体と共に、ウクライナは独立したが、当然の帰結であろう。
 国際連合も、ロシアが拒否権を行使し、無力だ。もっともアメリカも過去イラクやアフガニスタンに戦争を仕掛け、ロシアを一方的に非難できないと思うが……。
 ロシアとウクライナ、欧米の関係は、85年前の日本と中国、欧米の関係とあてはまる。
 日本は軍事大国で明治以来大陸に侵略、当初は日本を守るためのものだったが、次第に欧米同様侵略へ。中国と戦争を続け、反対する声を抑え言論統制。欧米各国は日本を非難し、中国を援助、太平洋戦争に突入した。
 戦争と言えば、小松左京の書いた小説「戦争はなかった」を思い出した。
 人々が太平洋戦争のことを口にしなくなり、忘却している。それに気付いた主人公は抵抗するが、周りの人々にもまれていくと言う内容。30年前に「世にも奇妙な物語」でドラマ化されている。
 太平洋戦争や日本が昔アメリカと戦ったことを知らない若い人が多いが、30年前からのことで、フィクションではない。
 4月に急死した藤子不二雄Ⓐも71年に「赤紙きたる」と言う作品を描いている。
 平凡な青年、小池伸一(鈴木伸一がモデル)に届いた召集令状。彼はいたずらだと思うが、冷ややかな視線を感じる。出頭期限が来た後、何も起きないので安心するが……。
 戦争の時代に逆戻りする話は昔からあるが、現在、ウクライナの戦争、防衛費増額、中国や北朝鮮との問題と言ったニュースでリアルに感じてしまう。
 1940年、日本は、中国との戦争や欧米からの続く圧力にこの先どうなるかと、総力戦研究所を設立した。政府や軍部からのエキスパートで模擬内閣を作り、機密のデーターを盛り込み、いろいろな課題を設け、今後予想される未来について調べた。現在で言うシミュレーションである。
 日本はこのままではアメリカやイギリスとも戦争になり、破滅すると言う結果が出た。
 当時の日本政府閣僚たちにも伝えられるが、かん口令が敷かれ、間もなく太平洋戦争が始まり、予測した通りになった。
 陸軍大臣で首相にもなる東條英機も、総力戦研究所の結果を知らされ、陸軍でも総力戦研究所とは別で研究して、この先日本が中国と戦争を続ければ、欧米とも戦争になり苦戦するとの予測が出ていた。
 政府も軍部も負ける結果が既に出ていたが、戦争を選択した。どうすれば回避できるか行わず、敗戦へ転がり落ちたのだ。
 総力戦研究所についても、30年前ドラマ化され、取り上げられている。
 戦前、日本国民は、ほとんどが政府や軍部の言いなりになり、大陸への侵略に賛成した。
 人気マンガ「のらくろ」「冒険ダン吉」にも、戦争について、日本が正しいと宣伝している部分があり、読者はそれを信じた。
 昨年亡くなった半藤一利は、歴史探偵として昭和史の研究で知られるが、少年時代に東京大空襲を経験し、政府への不信や何故こうなったかと感じたのがきっかけと語った。
 5月10日に早乙女勝元が亡くなったが、半藤同様少年時代に東京大空襲を経験し、長く戦争の悲惨さを訴え続けてきた。マンガやアニメの原作になった作品もあり、彼が書いた児童文学「猫は生きている」は印象深い。
 ある猫の一家とそれを見守る家族。戦時下に生きているが、3月10日の東京大空襲が襲う。一家は必死に逃げるが……。
「猫は生きている」は75年に人形アニメで映像化され、小学校で上映された。私も小学校4年生で観たがショックを受けた。
「はだしのゲン」「火垂るの墓」同様、戦争の悲惨さを伝える容赦ない作品である。
 ウクライナの戦争は、「猫は生きている」の悲劇が現在も繰り返されているのだ。まだコロナ問題が解決していないが、中国や北朝鮮はどうするのか?下手をすれば第3次世界大戦に繋がるだろう。
 いかなる結末を迎えるかわからないが、1日も早く終わることを祈ってやまない。

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No.489(Web版139号)2

 「シン・ウルトラマン」「ドクター・ストレンジ」のことなど

 中嶋康年

 最近あまり時間が取れなくて、「シン・ウルトラマン」「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」続けて見ました。
 まず、「ドクター・ストレンジ MoM」だが、ツイッターなどでつぶやかれているように、「アベンジャーズ・インフィニティー・ウォー」からの続きであり、またDisney+でしか配信されていない「ワンダヴィジョン」の続きでもあるので、マーベルをあまり知らない人は「この人だれ? 何のこと?」状態になること必至だろう。またアベンジャーズの比ではないクロスオーバーも引き起こしている。わからなくても、大筋には関連がないのでいいのだが、ある人物に関してはとてももったいをつけた登場をしているので、これがわからないとこの場面のおもしろさは半減する。序盤に「(アベンジャーズには)クモやら蟻やらの能力を持ったヒーロー(スパイダーマン・アントマン)がいる」というセリフがあったが、マーベルには4月に公開されたばかりの「モービウス」という映画が加わった。これがコウモリの血清でコウモリの能力が発動したキャラクターで、あの有名すぎるヒーローがいなかったらこっちが「バットマン」といわれていただろうなあとちょっと思った。もちろん、セリフには出てこなかったし、これからも出てくるかどうかは不明。
「シン・ウルトラマン」は話の展開はTV版「ウルトラマン」とは設定が全く関連がない「シン・ゴジラ」方式だった。怪獣を「禍威獣」と呼び、科学特捜隊を「禍威獣特設対策室専従班」として「禍特対」と略するなど設定は違えど、TV版を思い起こさせるところは多々ある。透明の禍威獣が出てくると「ネロンガだな」とこちらは思うじゃないですか。すると、後で「この禍威獣をネロンガと呼称する」とか。メフィラス星人とかゾフィーとか出てくるし。でも、ウルトラマンにはカラータイマーはついてないし、最初からスペシウム光線を撃つし。基本的には宇宙人侵略テーマだが、若者が活躍しているのがいい。初期のゴジラやマジンガーZなどでは科学者というと大体が年配のおじさんとかおじいさんだったが、この「シン・ウルトラマン」では一番頼りなさそうな若者が世界の科学者と渡り合うのである。「ゴジラSP」でも科学的発見を成し遂げたのは若い天才女性科学者だった。年寄りの政府関係者たちは日和見主義を貫き、人類を危機に陥れるのである。そういう時代になったんだねえ。

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No.489(Web版139号)1

 はるこん2022 アフターレポート

 by 渡辺ユリア

G.O.H〈海外〉は、ラリー・ニーヴン氏(リモートでしたが)ニーヴン氏の声が聞けて良かったです。
G.O.H〈国内〉は、八木ナガハル氏。奇想天外な作品で有名な方です。本買いました。私は1回目は「SFと広告」に参加。CMなどにみられるSF的な作品を映像でみました。カップヌードルの「FREEDAM」はなつかしいです。映像はみなキレイでした。では
                   2022.5.17 yullia

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No.488(Web版138号)4

 Ⓐさんが亡くなった。

 加藤弘一

Ⓐさんが亡くなった。
沢山の作品を残したが、有名なものだと「怪物くん」、「魔太郎がくる」、「笑ゥせえるすまん」となるだろうが、藤子不二雄としては「海の王子」をあげたい。
1959年から少年サンデーに連載された、海底王国の王子が空海地で活躍するスーパーウエポンのはやぶさ号に乗り正義の為に戦う物語である。
原作付きでオリジナルではないのだが、二人の個性が十二分に出ている。
F氏の明るい絵柄、Ⓐ氏の黒を基調とした絵柄を上手く使い王子側をF氏、悪役側をⒶ氏が担当し、物語に奥行きが出ている。
この二人が税務署のお馬鹿な茶々がなければどんな作品を残したかと思うととても残念である。
物語は敵の出す新兵器に対し王子側も新たな兵器を作りこれに対抗してゆく。
あたかもロシアの新しい戦略に対してアメリカが新たな兵器をウクライナに供給するように。
(ここで黒枠になる)
その勝利者はアメリカのブラックゴーストたちである。

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No.488(Web版138号)3

 まだ続くまんが道

 中村達彦

 マンガ家藤子不二雄Ⓐ急死。昨年からマンガ家の訃報が相次ぐが。享年88歳。直後に同じトキワ荘のよこたとくおも亡くなった。
 富山県生まれ、少年時代からマンガを描き、出会った友人と藤子不二雄のコンビを組み、多くのヒットを飛ばし、「怪物くん」「忍者ハットリくん」などを描く。一方、人間の心を突いた作品も得意とし「笑ゥせぇるすまん」、趣味のゴルフから生まれた「プロゴルファー猿」のヒット作もある。
 自分が影響を受けた人に、手塚治虫と相棒の藤子・F・不二雄を挙げており、2人に会わなかったらマンガ家にならなかったと言っている。手塚治虫の「新宝島」にショックを受け、高校卒業後、藤子不二雄Ⓐは叔父が社長をやっている新聞社に勤め、仕事は楽しかったが、藤子・F・不二雄に勧められ共に上京マンガ家を目指すことに。この時、叔父は激怒したが、後日、会社の方針の違いから叔父は会社を辞めており、その後も新聞社にいたら気まずいことになっていたと、上京を促した藤子・F・不二雄に感謝している。
 88年に藤子不二雄のコンビを解消したが、藤子・F・不二雄とは亡くなるまで仲が良かった。それぞれがヒット作を遺している。川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムには、藤子不二雄Ⓐの姿もあったそうだ。
 2人はマンガの方向性の違いが出ていた。藤子・F・不二雄は、子供を対象にしたかつSFの作品が多く、タッチも細い線画を中心としたが、藤子不二雄Ⓐは、大人を対象に、深い心理面まで掘り下げた作品が多く、アナログなタッチを特徴とした。それぞれ白い藤子、黒い藤子と称された。
 藤子不二雄Ⓐは、「笑ゥせぇるすまん」など結末がブラックの作品も多く、日頃、人間観察を欠かさなかったそうだ。同時に交友関係も広かった。藤子・F・不二雄は子供を対象にしたが、大人向けのメッセージを入れていた。2人のマンガは相通じていたのだ。
 しかし内容はブラックだが、藤子不二雄Ⓐはエピソードが進むにつれて、良い結末もあるマンガもあった。レンタルビデオ屋の主人が主人公で、ビデオを観た者が不思議な体験をする「憂夢」は、「笑ゥせぇるすまん」の後、90年代に長く連載されたが、ラストはゲストの客がひどい目に合う結末ばかりでなかった。注目されなかったのは惜しまれる。
「笑ゥせぇるすまん」のアニメも後半では、ゲストがひどい目に合うパターンばかりではなかった。
 72年〜75年に連載された「魔太郎がくる」、いじめられっ子の主人公がいじめた相手を超能力でやっつける話で、密かに映像化されないかと思った。97年に同時期連載されオカルトブームの一翼を担った「エコエコアザラク」「うしろの百太郎」が深夜実写化され、「魔太郎がくる」も同じく実写化されるかと思ったが、とうとう映像化されなかった。「忍者ハットリくん」「怪物くん」など、アニメ化のみならずジャニーズ俳優に主演された作品もあるが。
 藤子不二雄Ⓐは子供の頃いじめられっ子で、コンプレックスからマンガを描くようになったが、実際のいじめがマンガで描かれているより陰惨で根深く、「魔太郎がくる」映像化がいじめを増長することを恐れたと言われている。「魔太郎がくる」の後、描かれた「ブラック商会変奇郎」も面白かった。
 代表作の1つが「まんが道」。藤子不二雄の自伝的作品で、クリエイターのバイブル的作品でもあろう。藤子不二雄Ⓐの視点で、何度も雑誌を変えて描き続けられ、「愛…しりそめし頃に…」が2013年の一応完結した。
 作品では、2人が入ったアパートトキワ荘や手塚治虫や石ノ森章太郎(石森章太郎)、赤塚不二夫との日々が描かれている。
 石ノ森章太郎とは深い親交を結び、同時にその才能や早いスピードに驚愕したそうだ。
 手塚治虫が失踪、マンガが落ちそうになり、藤子不二雄や石ノ森章太郎、赤塚不二夫が手塚のタッチを真似て原稿を完成させるも、九州から手塚がマンガを送ると言う実話も紹介されている。その時、九州で手塚を手伝ったのは、松本零士や高井研一郎ら。そう言えば藤子不二雄Ⓐがトキワ荘時代に描いたSFマンガ「ロケットくん」は、後年松本がタッチした「惑星ロボダンガードA」と似ているところがある……。
 月日は流れ、石ノ森は昭和40年代に、実験的作品「ジュン」を発表するが、手塚はその作品を賛辞するどころか酷評。それを知った石ノ森はショックを受けた。
 実は手塚はライバル視するマンガを賞賛しつつ酷評批判するところがあり、前にもそれで吊し上げられたことがある。
 石ノ森は「ジュン」を打ち切ろうとするが、手塚は訪問し、自らの行為を謝罪した。
 この事件は、石ノ森が逝去した98年にTV番組「知ってるつもり」で取り上げられ、両者をよく知る藤子不二雄Ⓐが出演した。
 そこで「僕はこのことを知った時、自分から謝りに行った手塚先生も、許した石ノ森君も偉いと思った。どちらももっと好きになったんだ」とコメントした。
「まんが道」は、手塚治虫がマンガについて語るところでラストを迎えた。
 藤子不二雄Ⓐは、自分の最後のマンガで、トキワ荘の話を準備していたそうだ。
「まんが道」の中で、藤子不二雄を含むマンガ家たちが、夜の橋を流れる川を見ながら、こんな雰囲気をマンガにできないか、これからいろんなマンガが出て来るなどと語り合っている。それから70年近く経った現在、その通り、いろいろなマンガが登場している。
 藤子不二雄Ⓐが亡くなった後も、「まんが道」は続いているのだ。

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No.488(Web版138号)2

 週末の救世主

 加藤弘一

地球規模の大災害で人類が破滅の危機に面したときに備えて弱き人々を救うべく日々必殺拳の鍛錬をしていた男達がいた。
しかし、大災害は訪れず男達のグループは解散した。
都会に放り出された男(勝平)はけちなチンピラを相手にしつつ自分の存在を模索していた。
チンピラから助けた少年に、人数の足りない週末のコンパに参加することを頼まれた勝平は週末の救世主として生きていくことを決意する。
何て訳ではないが、果して勝平の明日は?
3月18日より公開。

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No.488(Web版138号)1

 “縄文少年ヨギ” についてあれこれ

 by 渡辺 ユリア

 この本も水木しげる展で買った本です。縄文時代・・人々が山の獣や木の実、魚や貝を漁って生活していた時代。大飢饉になると村は全滅の危機にみまわれる。どんぐり村に住む10才の少年が村人を救うためイネという草を探す旅に出たり、襲撃してくる食人族や屍鬼を相手に渾身の力をふるう。
 村の仲間や不思議な力に助けられながら、心やさしく、勇気ある少年の命をかけた冒険。特に “おばば” とヨギの対話が良いです。
 では、この辺で。
                    yullia 2022.3.27

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No.487(Web版137号)1

 超自然現象が多かった昭和時代

 中村達彦

 2月1日に政治家で作家の石原慎太郎が亡くなった。東京都知事を務め、功罪様々な政策を行い、「太陽の季節」「NOと言える日本」「弟」などの話題作を多く生み出した。
 石原は、1955年に日本空飛ぶ円盤研究会に入会(会には、三島由紀夫、星新一、柴野拓実らも参加)。SFにも縁があった。また議員時代に、ネス湖にネッシー捜索の探検隊を送り込み、話題になっている。
 東京都知事を石原の前に勤めたのは、「意地悪ばあさん」の青島幸男。
 余談だが、著者の長谷川町子はネス湖を訪れたことがあるが、そのひっそりとした佇まいに、日本だったらネス湖もなかなどお土産を売る店が並び、湖にはネッシー型の遊覧船が浮かび騒々しいのにと思ったと、著作「サザエさんうちあけ話」で述べている。
「サザエさんうちあけ話」は、朝の連続テレビ小説「マー姉ちゃん」の原作となり、最近、BSプレミアムで「マー姉ちゃん」は再放送された。現在、朝の連続テレビ小説は「カムカムエブリバディ」を4月8日まで放送する。
「かムカムエブリバディ」は、3代にわたる女性の物語で、あんこや時代劇が、物語を繋ぐ重要なカギとなる。それぞれの時代にヒットしたものや流行歌が登場している。
 3代目の主人公は昭和40年に生まれ、少女時代からのエピソードが語られるが、TVで「ノストラダムスの大予言」を知り、人類は滅んでしまうと信じてしまう。
 1992年、大人になってからも、予言を覚えており、周囲にもあと7年で世界は滅ぶと本気で言っている。
 その姿は現在では失笑してしまうが、「ノストラダムスの大予言」について、沢山の人が世紀末に大異変が起きると信じていた。
「ノストラダムスの大予言」を発表したのは、五島勉。ルポライターとして活動し、ポルノ関係の執筆もやっていた氏は、1973年に「ノストラダムスの大予言」を発表、大ヒットとなり、以後も長く大予言関連の本を出す。
 なお五島は、「ノストラダムスの大予言」の大ヒット後、「超兵器戦争」「悪魔の軍団」「カバラの呪い」と言ったSF小説を書いている。内容はポルノの描写が多いが、読んでいて次第に引き込ませるものがあった。
 当時、「日本沈没」が反響を呼んでいたが、空飛ぶ円盤UFOや心霊現象、超能力のブームが起き、オカルトブームへ繋がり、新興宗教が生まれるが、終末論を唱え、人々が入信し、無視できない影響力を持つように、遂には反社会的運動を起こす。
 その前にアメリカでも、空飛ぶ円盤や宇宙人と出会い、地球外への星へ案内される内容のSFで書かれたフィクションがノンフィクションで発表されたり、次々にカルト教団が生まれ、多くの人が巻き込まれている。
 時代は70年代から80年代へ移るが、オカルトブームは続く。
 予言はノストラダムス以外にも、世紀末に大きな異変が起こる内容で多く現われた。
 当時、米ソ対立の冷戦で、核戦争により人類が滅亡してもおかしくない背景があり、予言を信じてしまう土台があった。
 更にUFOは40年代後半にアメリカのロズウエルに墜落、異星人とアメリカ政府は密かに交流しているとか、ナチスドイツは戦争中にUFOを開発し、密かに南極に基地を建設していると言った話が、ノンフィクションとしてTVや書籍で発表され、私を含む多くの人が信じてしまった。
「かムカムエブリバディ」の「ノストラダムスの大予言」に翻弄される様子を笑えない。
 超常現象やオカルトがTVや出版にノンフィクションとして受け入れられ、アニメやSFとも絡んだ。逆に小説やマンガ、映像作品で、そっくり取り入れたものもある。
 海外でフィクションとして作られたが、日本に入ってきた時、TV局に操作されノンフィクションで公開された。ある番組はイギリスで作られた時、4月1日と銘打たれていたが、日本ではその部分が削られた。
 だが超常現象や予言をしっかり調べて、嘘か真か見極める者もいた。
 世紀末が近づいた1997年、作家の山本弘やと学会が出した「トンデモ超常現象99の真相」は世の中を騒がしたUFOやネッシー、大予言などを取り上げ、実は…、と知られていない真相について語っている。
 山本やと学会は、他にも予言やUFOについて幾つも本を出したが(山本は「神は沈黙せず」と言う超常現象や予言を扱った小説も書いている)、ユーモアも交え、笑ってしまう文章ながら、普及しつつあったインターネットを使って、海外の記録や隠された事情まで細かく丁寧に調査し、隠ぺいや改ざんしてきたマスコミについても明かした。
「トンデモ超常現象99の真相」などを読んで「なあんだ」と今まで真実と思っていた超常現象や予言が実はほとんどでっち上げであったことを知らされた人もいるだろう。
 そして1999年、「ノストラダムスの大予言」は見事に外れた。私もその頃、深夜に仲間と集まってお祝いしたものだ。
 数年後、失踪した人を超能力者が捜索する番組が創られたが、全然参考にならなかった。
 現在、超常現象を扱った番組や書籍は昔ほどではないが細々と続いている。インチキやフェイクを暴くものもある。予言も次々と外れ、9・11テロも東日本大震災もロシアのウクライナ侵攻も予言できなかった。
 だが、超常現象は完全に否定できないのだ。
 オカピやイリオモテヤマネコ、シーラカンスなど20世紀に入ってから存在が確認された生物もいるし、昨年、アメリカは、軍が目撃したUFOのうち143件が正体不明としている。まだわからないことは多い。

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No.486(Web版136号)3

 復活のコワルスキー

 加藤弘一

2月13日BS12チャンネルで映画クラッシャージョウが放送された時、本屋にクラッシャージョウの別巻3「コワルスキーの大冒険」が並んだ。
コワルスキー大佐は連合宇宙軍戦艦コルドバの艦長で、クラッシャージョウシリーズの初期エピソードに登場し、恒星アルームのブラックホール化に巻き込まれて戦艦もろとも消滅した人物であった。
映画クラッシャージョウにも登場し結果的にジョウを助け宇宙海賊とも戦った。
およそ40年以前の話である。
小説の中では15年位のタイムラグになっているが、ファンにしてみればエライ昔に(亡くなった)消去したつもりの人物のいきなりの復活である。
本を上座に置いて乾杯しました。

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