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No.357 (Web版7号)1

SF essay (172回)

川瀬広保

             映画鑑賞記

18 炎のランナー

 舞台は、スコットランドのロンドン。
原題は「炎の二頭立て馬車」。信念のために走った、名誉や栄誉のためでなく。
この映画は100年ぐらい前の物語。オリンピックも第8回。
でも、よくわからないまま見終わった。

19 キングコング

 これはリメイク版。あんまり面白くないなと思って見ていたら、だんだん面白くなってきた。
 テーマは美女と野獣。地図にない謎の島。そこは、時間に忘れられた恐竜とコングなどが住む。
 クロロフィルムを投げつけられたコングの目に涙が浮かぶ。
 目覚めて、大都会へ連れてこられてからコングの逆襲が始まる。その眼は「お前だな、俺をこんなところへ連れてきたのは!」と言っているようだ。美女と氷上のダンスがいい。結局、美女のためにコングは死んだのだ。

20 レインマン

 莫大な遺産を残して亡くなった親父の息子には、実は自閉症の長男がいた。
自閉症の兄とも心が通じたという話。
 レインマンがメインマンになって、それが親友と訳されている。
画面から目が離せない映画だった。自閉症の人は、計算だけは強い。
ダステイ・ホフマンの演技が光っている。

21 時計じかけのオレンジ

 退廃した、猥雑な世界。わけのわからない言葉を発する若者たち。1971年作の近未来世界。若者言葉の噴出は、現在と変わらないかもと思わせる。テープとタイプライターが「時代」を感じさせる。
ひとりの主人公の独白でこの話は続く。
プリズンは矯正所であり、そこで、ほんとうに善人になれるのかというのがポイントだ。
悪人は完全に善になれるのか?
ベートーベンの歓喜の歌がエンデイングとは作者の風刺であろう。
悪人が善人になり、政府の陰謀で悪人に戻らされる?
問題作。各賞受賞。監督がキューブリックで、原作がアンソニー・バージェス。
一息で見た。

22 羊たちの沈黙

 91年度アカデミー賞受賞作品。サイコ・スリラー。だが、あまり、テーマが見えてこない。好みの映画ではない。
 主人公の女は他の映画でも見た気がする。

23 にゃんこ

 「ええ、こんな猫がいるの?」というような猫映像を見られる。猫好きには、癒されるいい映画だった。

24 ハート・ロッカー

 2004年のイラクが舞台の戦争映画。アカデミー賞受賞作品である。
自らの命をものともしない爆弾処理班のストーリーだ。だが、反戦への主張は一切、感じられない。ただ戦争の実態のみが続く。
最後がよく分からなかった。また新しい兵士が米本土から来て、任務1年が始まるのか。
 防爆スーツを着ながら鍵をはずそうとする処理班の軍人が、時間に間に合わず、いやいやながらやらされているイラク人が自爆するシーンがすごい。
 戦争はこの世からなくならなければいけない。

25 インパクト

わかりやすくていい。ちょっと子供っぽい。これはB級映画?あまり、面白くない。
 月が壊れて、地球に落ちてくる。矮星が衝突した結果だ。え、なんで終わっちゃうの、こんな映画ありかよ、あと39日後で、地球が消滅するというところで終わるなんてと思ったら、続きがあった。

26 インパクト2

 時々、現われる壊れた月と地球の絵がいい。だが、全世界の混乱の状況が描かれていない。殺人とかやたら発砲などの場面がないのはほのぼのとしている。それにしても、大統領以下、みんな落ち着いている。
 この映画、私の評価は60点。

27 アマデウス (何度も見た)

 この名作は何回も見たが、また、泣けた!名作は名作だ。
字幕を英語にしてみてみた。するとまた、ニュアンスが違っていい。

28 アマデウス BR版

 字幕翻訳が変わっているから、いろいろ細かいところが変わっていて、面白い。
画面もきれいだ。何回見てもいい映画だ。

29 マーズ アタック

 タイトルだけは知っていたが、見るのは初めて。何かつまらんと思っていたら、面白くなってきた。
これはサタイアだ。風刺だ。
いかれた火星人とおかしな地球人たちの戦い。火星人の血の色は緑色。
ジャイアンのようにいかれた音痴の歌が、結局、火星人をやっつけた。
ウエルズの「宇宙戦争」のパロデイかなとも思った。

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