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No.366 (Web版16号)2

冨田 勲氏の新作CDアルバム “惑星 ULTIMATE EDITION ”を聞いて思った事

by 渡辺 ユリア

 皆様、今日は。このCDアルバムはすべての曲が新作です。構成順にすると火星、金星、水星、木星、土星、天王星と海王星は、ホルスト作曲の “交響組曲 惑星 ”を元にしていますが、5曲目のイトカワとはやぶさは冨田氏作曲です。まずアルバムジャケット何かしら斬新なイラストで、しかもカラフル。情念を感じさせてくれる絵です。作者は川口洋一郎氏。タイトルは “宇宙探査型多重構造魚 ”。
 では、曲の感想を。「火星」・・イントロが良いです。そしてオルゴールの音。次にいきなり自分が宇宙空間に飛び出てしまったような感覚。そして勢いのある曲。タタタタッタッタッ タタタタッタッタッ・・というリズムがこれから戦いに赴くような感じを演出しています。「金星」・・火星とはガラッと曲想が変わって穏やかな感じの曲。暖かみのある感じ。そして宇宙の広大さに触れているような感覚です。「水星」・・速い曲。若者の感じがします。それも十代になったばかりの少年のイメージ。チョコチョコ動き回る少年のイメージです。「木星」・・良く知られている曲です。最初のイントロ良いと思っています。ぐーんと広がるイメージ。そして穏やかで心地よい曲。
 そしていきなり曲想が変わって、まるでエマージェンシーっぽくなりました。そこからどうやら5番目の曲、冨田氏のオリジナル曲の「イトカワとはやぶさ」になったようです。宇宙空間に浮かぶ灰色っぽい小惑星イトカワのイメージが穏やかな基礎になる音楽で、イトカワに近づいてゆく探査機はやぶさが、まるで時計のようにコチコチコチと時を刻むような音で構成されていると思います。宇宙の広さを感じさせてくれる曲だと思います。そして探査機はやぶさが小惑星イトカワに再接近する場面は、まるで鳥が羽ばたいているようなイメージです。この5番目の曲は、冨田氏がかつて深い親交を持った故・糸川英夫氏(日本の宇宙開発の先駆者)への追慕、もしかしたらレクイエムとでも言うべき作品になっていると思います。
「土星」「天王星と海王星」・・穏やかでちょっと不可思議な曲。謎めいていて。そして宇宙に飛び出てここまで来た。けれどまだ外にも宇宙はひろがっている・ ・というイメージ。ラストのオルゴールの音が夢幻をさそってくれます。
  では。この辺で。

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