No.367 (Web版17号)2
ラッチャング制作日誌 新村佳三
「ヤマト2199」
1974年に放送されたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」が、リメイクされる。タイトルは「宇宙戦艦ヤマト2199」。総監督は出渕裕氏。TVシリーズだが、1話と2話を2012年4月7日から劇場公開する。特報画像がYou Tube等で(「宇宙戦艦ヤマト2199」特報)のタイトルで公開されている。その特報の動画を詳しく見ていくと、様々な事がわかる。
黒バックに「特報」の角ゴシック字幕。遊星爆弾が迫ってくるカット。遊星爆弾が丸くない。丸い方がかっこいいのは判っている筈なので、これはわざとだろう。つまり丸であっては困る理由があるということだ。すなわち、今回、遊星爆弾が製造されるシーンがある可能性があるということだ。
黒バックに「西暦2199年」の明朝字幕。(以下、字幕は黒バックでフォントは明朝)沖田艦がフェーザー砲を発射するカット。艦橋の窓が上下二段。オリジナルは一段だ。窓の中に人が見える。沖田だろうか。ガミラス艦隊がフェーザー砲撃で被弾するカット。カメラを細かく動かしている。手前のファーザー光をはじくのはガミラスクルーザーで奥にみえるのがデストロイヤー艦。これは今作品ではガミラス艦の種類による使い分けを細かく見せるよという前フリか。
ガミラスの攻撃で撃破される地球艦隊のカット。ここも細かくカメラを動かす。雪風級がオリジナルに見える。奥に沖田艦クラス。だが、どちらも赤と黄色の派手なオリジなるに近い塗装だが、沖田艦クラスの戦艦が雪風級に近い塗装だ。これはある意味ダズル迷彩的な効果を狙っているのか。遠近感が判りにくい宇宙戦で混戦になった場合の敵の誤認誘導(戦艦と駆逐艦を誤認させて戦力の適切な投入を妨害する)で派手派手塗装に意味を持たせようというのか。ガミラス艦隊とは明らかに異質な地球艦隊。艦隊というより爆撃機隊な様相。艦艇と編隊が撃ち合っているかのような違和感。原作の「地球側の戦闘ロケット艦」的なニュアンス重視か。雪風型の窓はくすんだ緑で塗りつぶし。
遊星爆弾が地球に落ちてゆくカット。ちょっと爆発のタイミングが早い気がする。実はオリジナルと同じタイミングだが、今見るとそう感じる。オリジナルにはあった爆発の瞬間の閃光は見られない。
地球の上空をコスモゼロが飛ぶカット。大気が感じられる。ほぼオリジナルの機体。ややリファインされている。カラーリングはオリジナル通り。主翼上面に日の丸と機体側面にUNCN?のマーク。地球防衛艦隊内の組織をキッチリ描くという事か。
サーシャの遺体?の上でイスカンダルからの通信カプセルを手に持っているカット。カプセルがチカチカ光って、ちょっと懐かしい昭和の宇宙冒険漫画的テイスト。
「人類最後の希望」の字幕。夕日と朽ち果てた大和のカット。主砲が画面手前で強調されている。
コスモゼロ?のコクピット内の古代進のカット。パイロットスーツ、ヘルメットは青でバイザーがグレー。この色は違和感があり、訳ありと見た。計器はオリジナルの松本調をリファインしてあるが、イマドキ風でなくちょいとクラシカルなスイッチ類。メーター内のゲージは松本調の匂いを残しつつ、実用的なリファインが。スティックは右でF16スタイル。操縦席の椅子の横に松本調の調節ダイヤル。
島、雪、沖田のカット。キャラは古代含め一新。特に雪はアゴのラインに雰囲気は残しつつも、後は面影も無し。でも雪だとすぐ感じられたのでキャラクター造形には苦心したものと思われる。古代は影のあるキャラクターの気配、島はおとなしめの美形キャラ。沖田のみオリジナルのイメージを強く残す。「その艦の名は」の字幕の後、艦長席で叫ぶ沖田のセリフ「抜錨!ヤマト発進!」。ちょっと若々しい沖田の声。
大気圏内を上昇するヤマトのカット。第一艦橋からカメラを下へ、そのまま艦首に移動してカメラ引き全体を見せる。この見せ方はタメがあってうまい。艦橋と艦長室の窓は雪風同様くすんだ緑で塗りつぶし。沖田艦より雪風型の窓の色に近い色。夕日のヤマトのカットでも、このカットでも地球?の大気圏内に雲がかなりあるのが確認出来る。遊星爆弾が落ちるカットでも、コスモゼロのカットでも、かなりの雲海が確認出来る。
「宇宙戦艦ヤマト2199」のタイトル字幕。制作スタッフ、会社の字幕。上映情報字幕。公開をとても期待している。
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