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No.369 (Web版19号)3

“河童の三平” についてあれこれ

by 渡辺 ユリア


 皆様、今日は。寒いですね。雪は降りましたか?こちらは去年の12月26日に降りました。5cmほどですが。
 さて、“河童の三平” を上、中、下巻、読みました。ストーリーは、昔、昔山奥のそのまた山奥に河童によく似た三平という名前の小学生がいました。その子は祖父と二人暮らしでした。ある日、三平は小舟に乗って釣りをしているうちに、昼ねをしてしまい、河童に出会いました。その河童は三平を仲間の河童だと思い込み、河童の世界に連れて行きました。その後、河童たちは三平に興味を持ち、河童の一人を人間の世界へ留学(?)させる事にしました。三平は家に帰り、その河童と交代で小学校に通う事になりました。それからの物語は変化に富んでいます。例えば、行方不明だった三平の父が突然帰って来て、トランクの中にいる小人10人の世話を三平に託して死んでしまうとか。死神が三平の生命を奪おうと執拗に付け狙うとか。三平が行方不明だった母に会うために東京に行くとか。
 その後、母に会う事が出来たけれど、母は病気で、下宿先を追い出されて、行くあても無くて、三平と共に途方に暮れていたとか。
 その後の事は秘密にしておきますが、けっこうぐんぐんと読んでしまう不思議な魅力のある物語です。この本は水木先生が貸本時代に描かれた長編マンガを三冊にまとめて復刻した文庫本。角川書店が去年の春に出版した本です。
 読み終えて私はフーと溜息をつきました。ここに三平という子の生き様が表現してあるのです。まだ小学校一年生の三平がどんな事を考えて、困難に立ち向かって行ったのか。たった一人で。誰を大切に想って奮闘し、そして生き抜いたのか・・・。すごい物語だと私は思いました。是非ともみなさんに読んでもらいたいです。
 おまけです。最近古本屋で手塚 治虫先生の本を買いました。タイトルは “泣ける手塚 治虫 ”といってハートフルな短編集だそうです。“ 雨降り小僧 ”“ るんは風の中 ”“ 四谷快談 ”などです。また感想などを書きますね。では。
                        2012.1.27 yullia

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