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No.370 (Web版20号)1

手塚治虫先生の短編集についてあれこれ  

by 渡辺 ユリア

 皆様、今日は。“泣ける手塚治虫 ハートフル名作セレクション” を古本屋で見つけて買いました。集英社発行。
まず、“雨ふり小僧”・・友だちをほしいと以前から思っている中学生のモウ太の前に不思議な男の子が現れた。その子は破れた傘をかぶっていた。そしてその後、不思議な友情物語となるのです。
“おけさのひょう六”・・昔々の物語。そして佐渡の話。ある郷にひょう六という名の百姓がいた。彼は踊るのがめっぽう好きで雨の日も風の日も野に出ては踊っていた。佐渡おけさが、もしかしたらそうやって生まれたのかもしれません。酷い殿様がいると農民は悲惨であると思います。ラストは悲しかった。     
“四谷快談”・・怪ではなく快だという事。そして何と手塚治虫先生が出演されています。お岩さんっていいキャラクターだと思います。そして主人公がその後、心も成長する・・という話です。
“てんてけマーチ”・・たいこ打ちの話。祖父から孫に太鼓は受けつがれ、時代が変わっても変わらないものを守って、そして・・心が暖かくなりました。
“悪右衛門”・・平安時代の話。大阪の泉の国のストーリー。本名ではなく悪右衛門と呼ばれている男がいた。彼は守護の命令でキツネを多く殺していた。その理由というのが・・。そして悪右衛門には優しい心を持っている妻とかわいい男の子がいた。その奥さんの名が “くずの葉” という名で・・あれ。どこかで聞いた事がある・・と思いました。その理由はラストで明らかになるのですが、キツネを多く殺している事や守護の非道な仕打ちにいきどおりを感じました。この物語は長いので、じっくりと味わってみて下さい。後で読み返して自然の描写の美しさに触れたように思います。
“るんは風の中”・・日常の中にかいま見える不可思議な物語であると思っています。あこがれの向こうにあるものは何でしょうか・・そんな感じがしました。
 では、この辺で。
                   2012.3.2 yullia

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