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2012年11月

No.376 (Web版26号)3

特撮博物館に行ってきた          新村佳三

東京都現代美術館で開催されている話題の「特撮博物館」に行ってきました。
場所は、地下鉄東西線の木場駅から北に歩いて20分くらい。
公園の横を延々歩いて、公園の端に美術館はあります。
もっとも今回は車で来ました。美術館の地下駐車場に停めました。
午前の11時頃に入館しました。
入口を抜けると、すでに行列が30メートルくらい。
チケットを買って、行列に並ぶ。
客層はバラバラ。老若男女みなさんおります。
中高生は少ない感じ。特撮は大人のたしなみになったのか?
展示部分に入る前にオーディオコメンタリー用の受話器を追加料金で。
これがあれば、展示部分の説明用の細かい文字を見なくて済む。
声は冬月副司令だった。
まず、タイトル。「特撮博物館」手書きででかい。懐かしのレタリング。
モスラの東京タワー模型。特別展望台は手すりのみ。
人多し。土曜日だったが休日なので。
模型になかなか近づけない。人人人・・
全館、そんなかんじ。
海底軍艦、惑星大戦争、ドリル系の展示多し。ここは東宝系の展示なのか。
妖星ゴラスの宇宙船。ムーンライトSY3号。なるほど。
ちょっと雑然と置きすぎか。もう少し体系づけても。まあ次回に期待。
特撮映画に出てきた架空の新聞記事。
こういうのは面白い。広告はそのままありもん使ってる。
特撮メカのデザイン画が多数展示。ポスター画も。
こういう原画を生で見る機会はないので、ありがたい。
ジェットジャガーとマグマ大使を眺めつつ次の部屋へ。

マイティジャックの部屋。
中央に巨大なMJ号が。
周りを囲うピブリダーとエキゾスカウト。
私はエキゾスカウトが大好きなんだ。
コンクルーダーが数多く取り上げられていたが。
そんなんだったら、基地への移動電車とかのほうがいい。
モーターボートでもいい。
小松崎画、成田画。油絵か。お腹いっぱいMJの部屋。
敵メカもあったら、もっと良かった。
ジャンボーとか見たかった。叶わぬ夢か。

巨大ヒーローの部屋。
ウルトラ系。
成田画
成田画
成田画
突撃ヒューマンマスク(ステンレス製)
本物マットジャイロ。
本物スカイホエール(超でかい)
本物ラビットパンダ。
ウルフ777はなかった。
超混んでる。ここらへんの展示。
おまいらそんなにウルトラ好きか
ぼくちんもうおとなだからどうでもいいや。

続いて各種の巨大(じゃないのも多数あるが)ヒーローマスクの部屋
オレンジファイターのマスクはあまり傷んでなかった。
補修したのだろう。テレビではいつもオレンジは痛めつけられていたから。
「ああ、早く金曜日きて」の人だし。
アイアンキングのマスクの後ろに役者さんのサインあり。ふうむ
ファイヤーマンの眼は思ったよりも大きくない感じ。
撮影のせいで大きく感じていたのか。
とにかく混んでいる。パスパス次行こう。

ガメラ関係
今は亡き渋谷パンテオン模型。
上を吊られたギャオス。
イマドキのコーナーか。
束のような電柱。よくできた民家。壊れた国会議事堂。
精緻な横浜赤煉瓦倉庫。ウルトラマン映画で出てきたんだって。
渋谷パンテオン模型は大人気。
懐かしがる人々多し。

特別上映作品の
「巨神兵東京に現わる」の上映会場
2回見た。凄く力入れて作ってた。BGMはウルトラっぽい。
ミニチュアでトクサツトクサツしてる。
現代の東京にナウシカの巨神兵が現れて、(西荻窪あたり)いきなり
五反田方面にプロトンビーム。
キノコ雲で東京全滅
ひどい
子供が泣いている
「いやだー!こわいー!でるー!いやー!もういやー!」
この調子でウルトラマンつくれば面白い映画になるぞ。
東京が2ダースくらい必要だが。

放心状態の観客が上映会場から外に出る。
うってかわって開放的なテラス。下にミニチュアセットが見える。
うまい演出だ。5点。
ここからは撮影禁止。というか、会場内は2カ所以外撮影禁止。

メイキングの部屋
「巨神兵東京に現わる」のメイキングを見せる展示。
居酒屋のナプキンに書いたメモからメモ帳に書いたコンテやら、
ナウシカの映画の巨神兵の原画から始めて
イメージ作り、模型製作、の様子を見せていく。
撮影風景のメイキング動画。本編より面白い。
悩んでるんだか楽しんでるんだかよくわからん樋口監督
老人達が大喜びでエアーキャノン、ドンドン
三味線、バンバンバン。好き者共が

地下に降りていく
特撮倉庫の部屋。東宝特撮関係倉庫を再現。
模型がところ狭しと置いてある。
戦車、潜水艦、B29、機関車、ケルマディック・・
ケルマディック・・
ゴジラの着ぐるみ(の一部)もあるが、ここでは脇役。
古い倉庫のホコリっぽさまで再現。

この先は各特撮関係技術者のそれぞれの技術解説。
着ぐるみ制作、木工、金工、機電、原型制作。
金工をみんなスルーはもったいない。
金工大変なんだよ。金属固いし

撮影トリックの解説。ビルの壊す前の模型展示。
ああ、手間ひまかかってるなあ、壊しちゃうけど。
今や、趣味の世界になりつつあるワールド。
CGか・・・
鏡を使った空撮映像特撮。飛行機を逆さまに吊る手法。
感心している子供。
純粋な子や。
山と道路のミニチュア展示のバックの書き割り雲が島倉二千六
油断出来ない

ミニチュアのビル街。みんなで撮影場所。
大きなセットなのでいろんな場所から撮影出来るから便利。
でもセットの精度が場所によってかなり違うから工夫しないと。
イイ画を撮りたいからみんな順番待ち。時間がかかっても我慢
二人一組でミニチュ街で巨人ごっこ
だれだって、交差点と戦車と東京タワーは入れたい。
そういや、スカイツリーの模型はなかった。
ノスタルジーに不釣り合いな建造物だからか。

展示が終わって、売店スペース。
広い。でも人でいっぱい。
何かお腹いっぱい。公式図録だけでいいや。

気がつくと6時間経ってた。
とんでもねー

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No.376 (Web版26号)2

SF essay (191回)

川瀬広保

 「リアル・スティール」など

 久しぶりにレンタル店へDVDを見に行ったら、最新作がいくつか出ていた。
 3枚、選んでレジへ持っていったら、あと2枚借りれば、1000円ですという。この3枚だけよりも安くなりますという。そう言われればだれでも「じゃあ、選んでくる」と言うだろう。
 もう2枚選んだ。それが「リアル・スティール」と「センター・オブ・ジ・アース 神秘の島」だった。
 これが正解だった。
 全部で5枚のDVDは、次のタイトル。
 「バトル・シップ」
 「ヒューゴの不思議な発明」
 「タイタンの逆襲」
 「リアル・スティール」
 「センター・オブ・ジ・アース 神秘の島」

 この「リアル・スティール」には、いろいろなものが小気味よく詰まっていて、見る者の目を画面から離さない。話のテンポ、父子の心のつながり、近未来2020年では人間のボクシングは禁止されていて、ロボットのボクシングで観客が興奮するという設定、子役の魅力など。
 リチャード・マシスン原作のこのタイトルだけは知っていたが、まだ見ていなかった。

 「バトル・シップ」はやたらと戦闘シーンが続く映画だ。ハワイ沖で、海軍がエイリアンの乗っているやたらと巨大で、頑強な宇宙船と激しく闘うという内容。非常にアメリカ的で、戦いには常に最後には勝つというラスト。エイリアンはいつでもハ虫類の目をしている。これでもかというくらい、戦闘シーンを用意している。
 「ヒューゴの不思議な発明」はアカデミー賞の5部門を受賞しているという触れ込みだったので、期待して見始めたのだが、やはりこれはファンタジーの色合いが濃く、期待したほどではなかった。

 「タイタンの逆襲」はゴッドには善と悪があり、神々どうしで戦っている。日本の神、スピリットとは違うものがあって、なかなか話に溶け込めない。共感できないのだ。

 それが、この「リアル・スティール」はひと時も画面から目を離さずに120分余の映画を見続けられたのだから、傑作だといっていい。2011年のアメリカ映画である。2020年の近未来を表わしている。子役の演技が光っている。映画では、マックス、実名はダコタだ。
 原作は、リチャード・マシスンの“Steel”。 ノイジー・ボーイと名付けられたロボットに、漢字で「極悪男子」などと書かれているのに笑ってしまう。英語で指示しても反応しないので、突然、マックスが日本語で「右!左!」と指示するとすぐに反応する。「今のは日本語か?どこで覚えた?」と聞かれて、「ゲームだよ」と答え、「日本製はサイコーだよ」と答えさせるようなところが、われわれ日本人の心をくすぐる。
 マックスが見つけてきた旧式ロボットをATOMと名付けて、最後には・・・。
これ以上書くと、未見の人の感興を損なうだろう。

 このあと「Journey2:神秘の島」を見た。
こちらは、とても楽しい。古きなつかしきジュール・ヴェルヌの“Mysterious Island”を映画化したものだ。
 邦題では、「センター・オブ・ジ・アース2」となっていたので、私は誤解していた。地球の中心への旅行の物語だと思っていた。
 漫画的なところもあるが、冒険心と、文明社会から離れたなつかしさにあふれている。小さなゾウが出てきたり、ハチに乗ったりだけでなく、父子の物語をからませている。それは、父と息子であり、一方、父と娘であったりするのだ。
 こちらもお勧めの映画だ。

 私としては、「リアル・スティール」が一番だった。まだ見ていない方々には、お勧めの5店満点の映画だと思う。

                (2012・10・1)

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