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2013年5月

No.381 (Web版31号)1

最近観たDVDやSFTVドラマについてあれこれ

by 渡辺ユリア

 皆様今日は。今年のルーナティックの特集が小松左京先生の作品、という事で、いろいろなDVDを捜しました。観たのは“復活の日”と旧版の『日本沈没』で『日本沈没』は東京に大地震が起こり、大火災と大津波が押し寄せてくるシーンは今観ても心が震えます。怖かったです。二年前のあの東北大震災の映像を思い出すので。
 ところで、そのDVDの特典に、何と小松左京先生と竹内均との対談が入っていることに気づきました。それは2003年の映像だそうです。小松先生が何とスマートになって、だいぶお年を召していた頃みたいです。小松先生のお写真はいつだってエネルギッシュで自信に満ちている、という印象だったので、2003年の動いて、しゃべっている小松先生には…少しショックでした。2007年の世界SF大会Nippon2007で小松先生の分科会でお顔を拝見した時には、余りにもおやせになって、車椅子に乗ってみえました。でもしゃべり始めるとやっぱりエネルギッシュな小松先生にもどってみえました。
 では次にSF海外TVドラマについて。去年の10月から12月まで衛星TVのBS日テレで放映されていた『テラノバ』を知っていますか?未来の地球が舞台のSFドラマです。その頃、214X年、地球の大気はひどく汚れてしまい、環境も悪化の一途を辿っていた。地球の資源はほとんど採りつくされた。そして人々はその生活を政府の管理下におかれ、子どもは二人までとなった。三人目はありえない。もし、三人目の子がいる事がわかってしまったら、その子は奪われる…という世界。未来の見えてこない世界。そこで科学者たちは過去(大昔。中生代。つまり恐竜が闊歩していた時代)に人々を跳躍させて、その人々が地球再生のために生きる、という方法をとった。その過去のコロニー(けっこう大きい。1000人ほどいる)の名が“テラノバ”。主人公はジム・シャノンとその家族(5人家族)。父親のジムは隠していた末っ子を政府に奪われそうになり、その警察官をなぐって、つかまったり、でもその後、家族5人で過去に跳躍しました。そして長男が父に反発したり、隠し事をしたり、父は家族を守ろうとして奮闘したり、恐竜たちも出てきます。テーマは“家族のありよう”だと私は思っています。けっこう見ごたえがあるドラマであると私は思っています。では、この辺で
                    2013.3.24 yullia

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No.380 (Web版30号)2

SF essay(196回)

川瀬広保

驚きの隕石落下

 2013年2月16日の午後、「SFエッセイ」を書き終えて、さあ、印字して封筒へ入れて、切手をはろうと思っていたとき、スマホに目をやるとメールが入っていた。どうせ地震情報か何かだろうと思ったら、ロシアで隕石落下と出ていた。
 あわてて、自筆で追加を少々書いて、とりあえず投かんしてきた。
 あれこれニュースを追っていると、どんどん大きくなる。とうとう被害者は1000人を越え、クレーターまで見つかったという。
 日本でも今までに小さな石ころのような隕石が住宅を直撃したというニュースは聞いたことがある。浜松では笹が瀬隕石が有名である。まるで今度の隕石落下はSF映画そのもののような事態だ。つい先ほどのNHKのニュースで、

    隕石7000トンの小惑星か

と出ている。
 隕石と言うより、小惑星の一部が衝突してきたらしい。恐ろしいことだ。世の中、何が起こるかわからない。去年、約1000年ぶりに浜松でも見えた金環日食を始め、金星の太陽面通過、そして思いもよらない予測不能な今回の隕石、というより、小惑星の衝突である。
 2月17日、早朝3時30分ごろ起きて、二階から双眼鏡を手に南や南西の空を見てみた。ちゃんとした観測計画をしていたわけではないので、どの辺にニアミスをすると予想されていた小惑星がいるのかわからないまま探してみたが、左から右へ、つまり南から西へ動いているような「星」を見るには見たのだが、それが小惑星だったのかはわからなかった。
 ロシアに落下したものとは、別物だということだ。

 1999年7の月に、ノストラダムスの予言によると、恐怖の大王が空から降りてくると言って、みんな心配した。その月は何事もなく過ぎ去って、五島勉氏が朝日新聞で謝罪の言葉を載せていた。
 それから、去年、2012年12月に世界の終るという予言があり、これもニュースになった。「2012」という映画も見たが、幸いあの映画のようなことにはならなかった。
 みんなあれこれ言われていても、結局は何事も起こらないのだ、大丈夫なのだという気持ちがあったのだろうが、今回の事は実際に起こった事実だ。
 もしかしたら、少しずれただけでこの隕石(小惑星)落下が、恐怖の大王だったかもしれない。いや、まだ今後もありうる序章なのかもしれない。
 われわれにできることは何もない。直径15メートル以下のような小さい小惑星は予測不可能なのだそうだ。
 昔、何らかの原因で火星と木星の間にあったと思われる惑星が爆発して、粉々になり、無数の小惑星を生んだ。それらが太陽の周りをまわっているのだ。
 ほんのちょっとした何かが軌道をずらせて、地球の方へ向かい、地球の引力に捕捉され、落下してくるというのは、十分ありうることだ。
 隕石にぶつかって死ぬ人はいないというが、今回はたまたま死者は出なかっただけで、すごい衝撃波でけがをした人は多い。

 映画「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」、クラークの「神の鉄槌」を思い出す。これらは、あくまで映画や小説として、描かれたものだ。見たり、読んだりして楽しんでいればよかった。こういうこともいつか起こるかもしれないなあと思っても、自分には関係ないとみんな思っていただろう。
 今回は、航空機がニアミスしたのだ。
 パイロットは顔に熱を感じたといっている。まったくあわやの惨事を起こすところだったかもしれない。
 国会で原子力発電所の是非について、活発な議論が行われている。責任の追及もある。想定外だといっては叱られる。
 これからは、もし隕石なり、彗星が航空機に衝突して大勢の死傷者が出たら、航空会社の責任を問われることが起こるのだろうか。まさか!
 確率的にはほとんどそういうことは起こらないと言われてきた。しかし、たとえ、何十万分の一の確率でも、今回けがをした人たちはそのほとんどゼロといっていい事態に遭遇したのだ。
 だからと言って、シェルターにこもってい続けるわけにもいかない。
 交通事故は一旦停止と安全確認を怠らなければ、ほとんど防げる。だが、暴走してくる車にはねられる人もいる。グアムの人的被害者がそうだ。
 あれこれ考えると、そんなことはあり得ないということはこの世のはないということがわかる。
 今度の隕石落下という驚くべき事件はそんなことを考えさせてくれた。
                (2013・2・21)

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