No.383 (Web版33号)1
SF essay(199回)
川瀬広保
「SFエッセイ」199回!
もうそろそろだと毎日、郵便受けをみていたが、今日、待望のわれらの「ルーナティック」30号と新しいPMを入手しました!
SFファンというのは、昔から相も変わらず、ファンジンで結ばれているのではないでしょうか。
商業誌の「SFマガジン」や早川や創元等のSF文庫本での作者や翻訳者のあとがきも、もちろん読みますが、ファンジンは歴史が深ければ深いほど、そのファンジン(同人誌)で結ばれているものですね。
ルーナティックがその昔、創刊号を発行してから、もう45年ぐらいが経過しています。必ずしも毎年発行されたわけではないにしても、こうして30号が送られてくると、うれしいものです。
まるで、自分の子供のように感じられます。発行作業にはかかわっていないけれど、原稿だけは送っています。編集、発行、会計等にかかわってくれているみなさん、ありがとうございます。
さて、手元にある「ルーナティック」創刊号の奥付を見ると、昭和42年4月10日発行とある。このとき、私は大学生で、まだ、明治大学SF研究会を創立させていなかった。第5号の発行は昭和43年9月1日とあり、この号のために、白柳さんに何か書いてほしいと頼まれて書いたのが、「『二千一年宇宙の旅』『猿の惑星』を観て」という一文である。
最初の数行を引用してみる。
最初に「二千一年、宇宙の旅」の方から感じたことを書いてみたいと思います。ぼくはロードショー四日目の日曜日の午後、見てきましたが、前宣伝が行きとどいていたせいか、かなりの盛況でした。観客層は小学生、中学生、高校生を始め、一般の青年男女、子供づれの母親、年配の人たちなどと多種多様でした。(以下略)
たぶん、この一文が東海SFの会に入会して書いた最初の文である。それ以来、途中、タイトルを変えたこともあったけれど、結局「SFエッセイ」というタイトルで、書き続け、現在に至っている。
その「SFエッセイ」がもうじき200回を迎える。ちょうど、還暦か何かと同じで、59歳と60歳とでは、別に何か特別に変わるわけではないのだが、そうは言っても、199回と200回とでは、やはり感覚が違う。
私はねずみ年生まれで、なんでもかじるようなところがあり、何かに手を出すことが多い。でも、続かない。そうした中で、この「SFエッセイ」はこれだけ続けることができた。
昔は、月1回必ず何か書こうと自分に課していた。ところが、なかなか書けないこともあった。
一回の枚数は3枚から5枚程度、200回という数字が正確なものなら、600枚から1000枚ぐらいになる。
自由に書きたいことが書けるということが、長く続けられた最大の要因だろう。もちろん、いつでも書いたら載せてくれるというファンジンの良さがあるからである。
まずは、201回を、そしてとりあえず、210回ぐらいを目指して、SFやSF的話題、そして時にはSFには関係のない話題も取り上げて書いていこうと思っていますので、よろしく。
さて、DVDプレーヤーが壊れてしまったのがきっかけで、安いブルーレイレコーダーを買った。この機会に昔見た、「2001年宇宙の旅」「2010」などをBRでまた見てみた。画面がきれいで、細かいところまでよく見えるので、何回も見たにもかかわらず、最後まで見てしまった。
先ほど、書いたように大学生のころはじめて見たときの感想が少し、深まってきている。どちらの映画もクラークの考えでは、生命というのは永遠に続くものだということ、それからこの大宇宙にはわれわれ人類を引き上げてくれるはるかに進んだ超知性体が必ず存在しており、いつの日か、「幼年期の終り」のオーバーロードのように、われわれ人類を指導し、宇宙の高みに引き上げてくれるであろうということ。それらの思想がこれらの映画には表れている。クラーク自身が言うオプティミズムかもしれない。だが、私は「2010」をまたまた見終わって、思わず拍手してしまった!
メイキングにクラークへのインタビューが収録されている。
「モノリスというのはいったい何ですか?」という問いに私はいつもこう答えている。
「この映画を見たら、原作を読む。それを繰り返せば答えがわかるよ」
BRで見ると、DVDで見たときよりも、より細かいところが見えてきて、何度も見たはずなのに、面白い。映画によっては、翻訳も微妙に違っていたりしていて、興味深い。
これで、テレビの画面がもっと大きくなればいいのになあと思っている。今のところ、28インチがせいいっぱいで、32インチを望むのがせいぜいだ。人によっては56インチの大画面で見ている裕福な人もいるようだが。
かといって、映画館に足を運ぶのは年に一回あるかないかだ。ニュースによると、迫力を増すために、座席がぐらぐら動いたり、霧や煙りがでてくるような映画館も出現しはじめているという。
さて、まだ見ていないこれはという映画はありますか?SFでなくてもなんでもいいので、何か見逃しているような気もするのですが・・・。
どなたか、ぜひ推薦してください。
(2013・5・20)
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