No.388 (Web版38号)1
SF essay (207回)
川瀬広保
イプシロンの打ち上げ成功と
ボイジャーの太陽系脱出と
ベテルギウスの爆発?と・・・
明るい話題の少ない毎日の中で、イプシロンの再打ち上げが無事成功したというニュースはよかった。15分遅れで、ハラハラさせられたが。
12年ぶりで、予算も3分の1だとか。
日本の技術が世界でも遜色ないことを示していて、うれしいことである。
もう35年も前に打ち上げたアメリカのボイジャーがとうとう太陽系を脱出して、星間宇宙に達したというニュースも歴史的大事件だ。われわれ人類は、故郷の太陽系から真の「宇宙」へと進んだのだ。30歳のころ、アメリカのやることは違うなあと、毎日そのニュースを追っていた。忘れられていたこのニュースがまた脚光を浴びているわけだ。地球という小さな文明をもつ惑星から発射された人工物体が、今、未知の星間空間(宇宙空間)を、太陽から約187億キロ付近を、時速約6万キロの速度で飛行中なのだ。その中には、人類からのメッセージが乗せられている。写真を撮って、地球へ送ってくるだけのエネルギーはもうないそうだが、SFファンとしては、わくわくするような話ではないか。
さらにもうひとつは、あのオリオン座のベテルギウスがもう爆発してしまったかもしれないという驚くべきニュースだ。オリオン座がオリオン座でなくなってしまったかもしれないのだ。
ベテルギウスが超新星になってしまったかもしれない。だが、まだ確証はない。写真に撮ると、かなり楕円形をしているのだそうだ。
このニュースも、天文ファンやSFファンだけでなく、地球人としてーわずか80年の寿命しかもたない人間として、だれもが感じる壮大な大事件であろう。
天界はちっぽけな人類の知られていないところで、黙々と、脈々と、まだまだいろいろなことがきっと、起こっているのだ。
さて、
ラジオを聞くのはニュースが主だが、NHKの「夏休みこども科学相談」だけは、毎年楽しく聞いている。
5歳ぐらいから中学生までの子供の質問を聞き、先生方の答を聞いていると、気づかなかった事が多く、学んでいる。30年間も番組が続いている理由がわかる気がする。
「なぜ?」と疑問に思うことは、とても大切なことだ。子供のころ、どんな分野でもいいから、疑問を持って、本を読んだり、観察したりする子供は、生涯、学んだことを忘れないだろう。
学校では、教員も忙しくてひとりひとりの子供の疑問に丁寧に教えてあげられる時間が少ない。ほとんどないと言っていい。
在職中、授業中も休み時間も質問をする生徒はあまりいなかった。日課に追われるということもあるであろう。
そうした意味でも、この番組はこれからもずっと続いてほしい。また、公共施設でボランティアの人達に聞くこともできる。
二つのボランティアをやっているが、子供の質問にうまく答えられないこともある。気持ちだけは、昔に戻って、勉強しようと思っている。
さて、夏も過ぎて、どうやら涼しくなってきたようだ。秋分の日も過ぎて、今度はだんだん寒くなってくるだろう。
今年の夏はまれにみる猛暑が続いたが、今度は極寒の冬が続くのだろうか。台風や洪水や竜巻などの自然の猛威に近代文明も簡単に壊されてしまう。
消費税のアップや、年金の目減りや、介護保険の年金からのひき去りなど、心が暗くなるようなニュースを払しょくしてくれるような明るいニュースはないものだろうかと思っていたところ、先の三つのニュースは、私にとって、久しぶりに大きなニュースだった。
(2013・9・29)
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