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2014年1月

No.389 (Web版39号)2

皆さんはアイソン彗星を見ましたか!?

by 渡辺ユリア

 私は11月20日の朝AM5:15ごろ東南の方向を見ましたが、街灯が明るいため、見れませんでした。そのかわりスピカを見ました。ひょっとすると水星や土星が見れるかもしれません。そして、11月29日がアイソン彗星が近日点を通過する日で、その前の日の28日には、ー6等星の明るさになりますが、肉眼で観測するには危険です。29日はひょっとすると日没直後16:30(東京で)に彗星がみられるかも。
 その後、12月15日ごろまで長くのびた尾がみえるらしいです。楽しみですね。では
12/3は光度2.6°で4日が3°で5日は1°らしい。5日は地平線から左ななめ上に長くのびた尾から姿をあらわすらしいです。
           yullia 2013.11.21

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No.389 (Web版39号)1

SF essay (209回)

川瀬広保

 「天地明察」他

 遅まきながら、映画「天地明察」を見た。WOWOWで放映したのを録画しておいて、珍しくほぼ一気呵成に見てしまった。
 おもしろかった。江戸初期の先人の努力で、大和暦ができた。天体の動向を正確に把握することのむずかしさは、当時としては言語を絶するものがあったことがこの映画でわかる。徒歩で距離を測り、北極星の高度を記録し、日食が起こる詳しい日時を予測し、失敗してももう一度やり直し、並々ならない苦労ののち、新しい日本の暦ができた。
 渋川春海という今から480年ほど前のいわゆる天文学者であった人物の物語である。 
 暦学というのは、あまり知らないのだが、その私でも興味を持って見ることができた。
天文学の一番の基本は、暦学である。一日が24時間、一月が30日または31日、一年が12か月、一時間が60分などという暦の基本がなければ、人間の生活の基本がなりたたない。
 土星には「耳」があるとか、火星には「運河」があるらしいなどということ以前に、当たり前だった「暦」というものを考えさせてくれたのがこの「天地明察」だった。
 人類が夜、星を見上げ、あれはいったい何であろうと考え、やがて「天」が動くのではなく「地」が動いているのだということが当たり前のようになる前は、地球はどこまでも平面で、やがて海の水は轟々と「下」へ落ちて行くのだと信じられていた。
 もっと暦学やその歴史をもう一度、謙虚に学び直さなければいけないと思った。
身長わずか160センチのヒトが、この大宇宙を「つかむ」努力を江戸初期の偉大な先人が行なっていたのだ。
 いろいろなことを考えさせてくれるよい映画だった。

 さて話題は変わって、最近、国が小学3年生から、数年後に英語教育を導入すると報じている。教科として5年生から、会話など英語に慣れ親しませるためには、小3からやるのだそうだ。
 こうなると、いずれ、
Hi!
How are you?
How's it going?
Nice to meet you.
Me too
Shall I help you?
No problem,
Thank you so much,
.等々の英語が幼い子らの口からポンポン飛び出すのだろうか。
 英語教育開始の年齢を下げることには、不安が残る。言葉というものは、簡単なものではない。英語が、ネイティブなみに口から飛び出すような子供が多くなったとしても、一方で、「元気のチカラ」だとか、「今日のコレミテ」などというようなカタカナ言葉が氾濫していて、外国人の方が、日本人より正しい漢字が書け、日本人は母国語を正しく言えない、書けないという民族になり下がってしまわないかと本気で危惧してしまう。
 全然いいです
 マジで?
 超やばいですね
などの若者言葉が今より氾濫しそうである。
 英語とおかしな日本語が混ざってしまうような言語環境になりはしないか。そうならないように、政府にはそのへんの基本をしっかり押さえてもらいたい。

 私としては、国語教育、漢字教育、正しい日本語を忘れないようにとぜひお願いしたい。
ここで、一句。

「英語より 教科にしたい 天文学」

 ただ単に、地球から太陽まで1億5千キロメートルあるとか、月までの距離は38万キロメートルだとか、土星や木星までの距離を覚えさせて、テストに正答を得させるというだけでなく、この地球に住む地球人はいかに小さな存在かということを実感させ、自然や宇宙への畏敬の念を抱かせるような授業内容にしなければならない。
 小松左京が大学に「SF部」を作れと生前、盛んに言われていたそうだ。傲慢不遜な人間が最近多くなってきていると思う。それを、ただ就職難のせいにしたりする。また、生まれた赤ん坊の置き去り事件などといういかにも人間の勝手な行為が起こる。そういう今の世の中を、少しでも改められるきっかけになればいいと思う。
 よいSFはこういうことにも役に立つはずだ。

 さて、私は道徳の教科化に賛成だ。ずっと、道徳は蚊帳の外に置かれてきた。道徳の授業は学活や教科の授業に化けることが多かった。授業時数が足りなくなって、道徳の時間が使われていた。 
 道徳は教育活動全体の中で行なわれるものであるということや、道徳は評価になじまないということは、重々わかっている。通信簿には言葉で二三行書いてあげればよい。
 たとえ、二割の生徒でも、小中学校が英語や数学などの教科とは違って、この世で生きて行くための生き方を学んでくれれば、大いに賛成である。
 38年、教職にあって、道徳の授業をしてきた私としては、今の子どもたちが善悪の判断ができなかったり、性急に暴力やいじめに走ってしまったりする風潮を目にすると、なぜもっと早く道徳を教科にしなかったのかと思う。
 教材は、いくらでもある。生徒の感性に訴える優れた文章等を集めて、それを担任が指導すればいいのである。
 生徒は、英語や数学とは違った新鮮さを学ぶであろう。
 昔、「先生、私は道徳の時間が一番好きです」と言った生徒を思い出す。
 教育は、英語や数学などの知識だけではなく、どうしたらうまく生きていけるのかというものを教えてくれる。
 教科書や文章だけでも、まずはいいではないか。授業だけ、格好いいことを言う生徒が現れても、次第に授業の効果は現れてくるものと信じる。

 もうじきアイソン彗星が地球に最接近する。11月29日がその日である。その前後、明け方の空に長大な尾をなびかせたマイナス4等の姿を見せてくれるのだろうか。
 だれにも予測はできないが、この前のニュースで国立天文台の副台長、渡辺潤一さんの話によると、アイソン彗星は何か増光していそうである。
 天気がよかったら、早起きしてみよう。
                (2013・11・4) 

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