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2014年4月

No.393 (Web版43号)1

SF essay (213回)

川瀬広保

 本を買うのはやめられない。読まないままになるとわかっていてもやめられない。ほしい本はあるのだが、値段が高くてなかなか手が出ないものも多い。
 その一つは岩波書店「世界人名大辞典」。28000円もする。
また、もうひとつは新潮社「プラネット・フォールー惑星着陸ー」(マイケル・ベンソン)で7350円だ。
 一方、早川や創元の文庫本などの新刊でこれはと思ったものは、やはり買ってしまう。読まないままになってしまうことが多いのだが。
 最近のそうした新刊を列挙してみると、
 「宇宙のランデブー 改訳決定版」
 「道を視る少年」(上)(下)(まだ、買っていない)
 「ブラインド・サイト」(上)(下)
 などである。

 こうして本はたまりにたまって家を占領している。家に人間がいるのか、本が「いる」のかわからない。たぶん、本がいるのだろう。
 だが、もし本がなかったら、テレビのニュースを見ているだけになってしまう。これはと思う本にはなかなか出会わないのだが、著者やタイトルなどを見て、買ってしまうんだよなあ。
 みなさんはどうですか。

 さて、最近見た映画の一言感想です。

「ワールド・ウオーZ」2013年

 これはゾンビ映画ですね。例によって最近はゾンビ映画が多い。謎のウィルスが蔓延する。なんか今までにいろいろあったこうした映画のバリエーションなのかなと思った。
人間は感染するが、ゾンビは不死だというわけだ。見せ場は多い。最後は主人公の自己犠牲で終る。
 ゾンビにも弱点はあったという他にもこれと似た映画もあったような終りかただった。
 私の採点は、4点。

マン・オブ・スティール

 スーパーマンの故郷、クリプトン星の話から始まる。
これは、もとの「スーパーマン」の裏話かな。面白いには面白いし、画面から目が離せない。
 クラークつまり、カルエルがなかなか活躍しないのに、少しいらいらする。
やっとカルエルが活躍し始める後半の活劇は、以前のスーパーマンシリーズ以上のすごさがある。

 故郷のクリプトン星をとるか、地球をとるかでカルエルは迷ったが、地球をとったのでした。
 面白かったので、5点。

アフター・アース

2013年映画。
父と息子の話です。
人間のいなくなった地球が舞台。
なんかあまり面白くないなあと思って見ていたら、どうしてこうなってしまったのかというこの映画の設定説明があまりないのだ。
「これはSF?」と思ってしまう。
なぜ、人間がいなくなったかの説明がないし、地球人はほかの惑星へ行ったらしいが、そのあたりの一画面もない。よくわからない映画だった。
とにかく、父と息子の成長の話らしい。

3・5点。

 さて、現実の社会では、STAP細胞とか2025年に人類火星移住計画などというかつて、SFの世界でしかなかったようなことが起きています。不老不死とまではいかなくても、寿命は少しずつ伸びることは間違いないでしょう。科学や医学の恩恵に、全員があずかるというわけには簡単にはいかないでしょうが、いつの時代になっても夢は持ち続けなくてはいけませんね!
 ソチの冬季オリンピックは普段、スポーツニュースには疎い私でさえ、特に沙羅ちゃんと真央ちゃんの演技は一生懸命見ましたから、やはり国境を越えて、スポーツには人を動かすものがありますね。
 もう3月です。寒さも一段落するでしょう。雪の被害とは無縁の浜松に住む人たちは幸せと言えるのかもしれません。
 「SFエッセイ」とはいえ、雑談のような文になってしまいました。
                   (2014・2・28)

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No.392 (Web版42号)1

SF essay (212回)

川瀬広保

2025年、人類火星移住計画

「超常現象」(NHKBS)
第一集 さまよえる魂の行方〜心霊現象〜
第二集 秘められた未知のパワー〜超能力〜

 最近、興味を持ったのは、この二つだ。
 前者は、ニュースで知った。これは、民間の計画であり、世界から火星へ移り住みたい人を募り、地球から火星へ移り住もうというまるでSFそのもののようなニュースだった。ただし、往復切符はなく、行きだけの片道切符だ。
 家族や恋人、知人、親戚などすべてと別れて、宇宙船に乗り、火星へ向かい、そこに住む。与えられた居住空間でのみ生活し、夜空に見えるのは、フォボスやダイモスか。地球ははるかかなたにあり、望遠鏡でないと見えないであろう。通信でのみつながって、近況を知る。なんかこんなSFあったなあと思いながら、とうとうこんな時代が来つつあるのかと思って、ニュースを追った。
 2025年だから、まだ10年後だが、10年なんてすぐきてしまう。戦争やいさかいの多い、資源も枯渇している狭い地球を離れたいのか、冒険心からなのか。
 私にはそんな勇気はないね。日本人も候補者の中に含まれているのだそうだ。
 たとえ、親はいない、配偶者もいない、したがって、子供も孫もいない、親戚も知人もいないというふうになったとしても、余生を、たとえば10年、火星で過ごすのはどうですかと言われても、躊躇してしまうなあ。

 次は、幽霊や生まれ変わりなどの話題を提出するだけで、眉つばものだった分野にNHKが本気で挑戦するような番組を作って、放映した。
 昔、クラークが超常現象の謎を追う本(「アーサー・C・クラークのミステリーワールド」)を出したことがあったが、火の玉のようなものは第一種へめでたく昇格する(した)であろうが、生まれ変わりのような話はどう解釈したらよいのか。
 こんな話にも科学者は挑戦し続けている。
 一人の超常現象など信じない男と、老科学者の対話という形をとって、話は進む。
 第二集では、スプーン曲げ、テレパシー、遠隔透視、予知などを取り上げている。世界中の科学者がまじめに本気で、超常現象の謎の解明に取り組んでいる最新の様子を取り上げている。意識の力があるのかもしれないということを本気で思わせる。
 この世には目に見えないものはいくらでもあると思う。むしろ人間の目に見えないものの方が多いのではないだろうか。
 SFの世界では当然のように出てくる数々の不思議な力や現象を、もうSFの話だと思ってはいられない時代がすぐそこに近づいているのかもしれない。
 幽霊は、古い城の壁に映った模様が人の顔に似ていたりして、そこを通る人が恐怖で冷気を感じるからだとか、生まれ変わりの話では、幼い子供の意識の中に答えがありそうだとか、予知というのは、人間が生きようとする本能のために、怖い画像を見せられる4秒前にもうそれが脳が「予見」してしまうのだろうというような数々の科学的説明をつけて、科学者たちの研究の最前線をこの番組は紹介している。

 私自身は、今現在は超常現象だと思われているような現象も、近い未来にはもうそれは超常現象ではなくて、ただのひとつの「現象」になるだろうと思う。

                    (2014・1・22)

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