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2015年1月

No.402 (Web版52号)1

SF essay(222回)

川瀬広保

最近、よいニュースが少ない

 NASAの「メイブン」が火星を周回する軌道に達したそうだ。最新ニュースである。インドの探査機「マンガルヤーン」も火星への周回軌道へまもなく到達するのだそうだ。われわれ人類は確実に、宇宙へ進出している。ついこの前、民間で打ち上げようとしたアメリカの「アンタレス」が打ち上げに失敗、爆発した。
 だが、「はやぶさ2」はもうじき打ち上げられるというし、失敗を乗り越えて、われわれ人類は宇宙へ進出するべきだ。

 毎日、多くのニュースが次から次へと現れては消え、また現れる。よいニュースというのはほとんどない。ips細胞を使って、加齢黄斑変性を治す世界初の手術が成功し、患者は「明るくなった」と言っているそうである。こういうニュースはよいニュースだが、ほとんどのニュースは、
 たとえば、
 お年寄りが振り込め詐欺にひっかかって大金をだまし取られた。
 土砂災害の被害にあって、命をなくした。
 火災事故や交通事故のニュースが多い。
 飲酒運転をした中学校教員
 猫を殺した男のニュース
 中韓とは相変わらず、関係が悪い。
 某国は約束を守らない。
 朝日新聞はとうとう謝罪をしたが、まだ体質は変わらないらしい。
 盲導犬を刺して、犯人は捕まらないままである。
 70年ぶりの日本でのデング熱の拡大
 連続放火
 エボラ出血熱の拡大 あわや日本にも上陸か。
 御嶽山の噴火で予想もしない多くの死者を出して、まだ行方不明のままの人がいる。
 等々、枚挙にいとまがない。

 よいニュースとは、日本人が3人ノーベル賞をとったというようなニュースだ。そのうちの一人、天野さんは蜆塚中学校の卒業生で、フェンスにも大きく垂れ幕が飾ってある。広沢小や西高校の方はまだ見ていない。
 人類が新しいフロンティアを求めて、火星にまで探査機を飛ばしたという人類の向上心、科学の発展を示してくれるようなニュースもよいニュースだ。
 ところが、現実には人間の「心」は1000年前と変わらない。
仏陀が教える仏教の言葉の中に人間の心があると思うけれど、現実は争いばかりである。
 最近は、SF以外の本を読むことが多い。人間、歳をとると12歳のころの宇宙への夢や憧れなどはだんだんと薄れていくのだろうか。科学では人の心までは変えられないし、今のところ老化は避けられないようだ。

 そういうわけで、SFとはあまり関係なさそうだが、最近読んだ本は『医者が学んだ 祈りの力』(小松 健治)幻冬舎である。
 祈りには力があるのか。これは誰もが一度は考えたことがあるテーマだと思う。
 宗教的・哲学的な意味合いなら、いろいろな本が出ていて、あれこれ議論されている。
 しかし、この本の著者は医師である。科学的に祈りの効果を追求した本なので、興味を持って取り寄せて、ほぼ一気に読み終えた。かなり、難しい部分もあるが、興味深いところも多い。
 この本によると、「効果のある祈りと効果のない祈りの違いは素直さ」だそうで、「原因があって結果が生じるという過去のできごとにとらわれた因果律ではなく、因と果を逆にして未来に目を向ける果因説で祈る」ことがいいのだそうだ。
 医学は目に見える血液検査の結果だとか、MRIの画像などにばかり目を向けていて、「心」の領域にはなかなか入っていないのが現状だと思う。
 よい祈りでがんが消えたりするのなら、今までも祈っていたのを、さらにもっと祈りたいと思うようになった。

 フィリップ・K・ディックの本がまた出た。
 『人間以前』というタイトル。『人間以上』はスタージョンの名作だが、これは、人間より前というタイトル。『まだ人間じゃない』の改題。12歳以下は人間とは認められないという話。
 「父さんもどき」も面白い。侵略テーマのひとつだ。
 私にとって、ディックはずっと気になるSF作家であった。私はクラーク、アシモフ、ハインライン、ハミルトンらでSFファンの初期を過ごした。
 だが、そうした中でディックというSF作家は常に気になる名前だった。だが、私にとってはディックが一番のSF作家ではない。
 SF作家はディックが一番という人の感想も聞いてみたいものだ。どなたかいらっしゃいますか。
 早いもので、今年も早あと一ヶ月と二週間、時間だけは、どんな人にも平等に過ぎていく。いや、高齢者にとっては、時間の過ぎる速度は速い。別に何をしているわけでもないのに。
             (2014・11・11)

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