No.400 (Web版50号)4
祝PM400号!
私的な回顧録
川瀬広保
6 これからのこと
400号記念号は一つの到達点である。
それは大変記念すべき、おめでたいことであって、お祝いをしなければいけない。
だが、前期高齢者の歳を超えて、大事なことは過去を思い出し、記憶を呼び戻すことだけではなく、未来を考えることだと痛切に思う。
そうでないと、目標もなくなるし、「ボケちゃうぞ」と心の中で、もう一人の自分が言う。
簡単に言うと、怒られそうだが、次は500号であろう。昔はこうだったという話だけでなく、今度は何をやろうか、読もうかなどと考えないと、人間はだめになってしまうと思うようになった。
実は読んでいないSFの名作がまだまだ、たくさんある。
書庫にはそれらが眠っている。SFマガジンもサンリオ文庫も早川SF文庫も創元SF文庫もSFのペーパーバックもそのままになっている。
本は増殖する。書棚にもうとうていおさまりがつかない。かといって、簡単に処分しようとは思わない。
SFにも分野があって、例えば、ペリーローダン・シリーズはほとんど買っていない。グイン・サーガも同様。好き嫌いはあって当然だし、すべてのSFやその周辺の本を読むことはできない。
これが、悩みと言えば悩みだ。
考えられることは、いつまでもとっておくことと、いずれは処分またはだれかに譲ることだ。
新訳本が出たから、もとの本は処分してもいいとは考えられないし、どんなに古いものも思い出があって、捨てられないものである。
さて、SFファンダムというのは、二つの人種があるという昔の話を思い出す。
Fandom is a way of life.というのと、Fandom is just a goddamned hobby.という話だ。「SFファンダムは人生の生きる道である」という考えの人と、「SFファンダムってえのは、くだらない趣味さ」という人である。
私はPMを通して、SFやSFファンダムは人生の生きる道になっているようだ。
だとしたら、健康不安があっても、年金暮らしでもSFファンは続けなければいけない。いや、固く考えるとよくないから、楽しく続けたい。
『ドラえもんプラス6』の最新本が12月1日に、小学館から出るという情報を得た。8年ぶりだそうである。こういうニュースもこれからのことを考えるよいニュースだ。出たらさっそく、買おうと思っている。
ほかにも「はやぶさ2」はもうじき打ち上げられそうだし、新しい話題は次々と出てくるだろう。1999JU3という小惑星を目指すのだそうだ。かつてSFは、2015年ごろの未来を描いていた。だが、実際にその年になるとどんな素晴らしい未来が現出するのだろうか。技術はどんどん発展・発達するが、心はなかなかよくならない。SFはイマジネーションだから、明るく良い未来も想像できるはず。そのイマジネーションが現実になれば、未来もよいものになるだろう。
この原稿をそろそろ書き上げようと思っていたころ、SFマガジンの新しい号を入手しさっそく見ていたら、信じられない情報が目に飛び込んできた!
何とSFマガジンは来年から隔月刊になるとのこと!!
私は、思わず声に出して、「ええ!!」と叫んだ。
SFマガジンに限らず、ミステリマガジンも同様とのこと。
創刊55年にして、SFマガジンはとうとう隔月刊になってしまうのか!
寂しい限りである。雑誌というものは毎月、決まった日に発行されてこそ、雑誌である。かつて、「SFアドベンチャー」や「奇想天外」といったSF雑誌が書店に並んでいた時代もあったが、もう今は昔の話だ。
SFマガジンが消えてしまわないことを祈るのみだ。
というわけで、人生何が起こるかわからないが、このSF界も何がおこるかわからない。
われらのPMは400号に到達したが、さらなる高みを目指していきたいものだ。
人間の想像力で良い未来が待っていることを望みたい。
みなさん、お互いに頑張りましょう。
(2014・11・27)
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