« No.400 (Web版50号)5 | トップページ | No.403 (Web版53号)2 »

No.403 (Web版53号)1

SF essay(223回)

川瀬広保

SFマガジンの隔月刊化!他

 次の文は、SFマガジンの「てれぽーと」欄へ送ったSFマガジン隔月刊化についての元文である。
 多少、添削されていたが、載せてもらえて、24日に送られてきた。


 SFマガジンを購読し始めて、もう50年ぐらいになります。最初に、買ったのは53号。今でもその号は私にとって、記念すべき忘れられない輝かしい号なのです。
 それ以来、欠かすことなくSFマガジンを読んできました。ななめ読みのときもありましたが、目を通さないことは一度もありませんでした。大げさに言えば、SFマガジンは私にとって、人生の一部だったと言えるでしょう。SFマガジン53号に出会わなければ、アーサー・C・クラークも、星新一も小松左京も知らないままになっていたか、知るのがずっと遅くなっていたのは確かです。
 いつも、まず最初に編集後記を読んだり、近刊予告のページを見たりするのがお決まりの読み方でした。
 私は、早速いつもと同じように11月25日発売の新年1月号の編集後記に目を通し始めました。
 そこにはびっくりする言葉が書かれていました。目を疑いました。この歴史ある、ついこの間、創刊700号記念特大号を出したばかりのSFマガジンが来年から隔月刊になるという予告です。本ページの最後の方にもそのお知らせが出ていました。何回も読み返しました。
 きっと貴社にもいろいろなことがあったには違いありませんが、残念な気持ちでいっぱいです。
 SFマガジンは日本を代表するSF雑誌です。ずっとそうでした。かつてはいくつかほかのSF雑誌が書店に並んでいた時代もありました。それらはやがて消えていきましたが、SFマガジンだけはずっと続いてきました。
 隔月刊への移行は非常に残念なことですが、そう決まったならそれを受け入れざるを得ません。
 たとえ、偶数月にのみお目にかかるSFマガジンになっても、私はこれからも歴史あるこのSF雑誌を読み続けるつもりです。ますます内容の素晴らしいSFマガジンでありますよう、応援しています。
 私としてのお願いは、新しい作家にSF作品を載せると同時に、いつまでたっても色あせない有名なSF作家たちのまだ紹介されていない作品の発掘の両方を目指す新SFマガジンであってほしいと願っています。




 SFマガジンがまさか、隔月刊化するとは!
 最新号の2015年2月号は2014年12月に発売されたのだが、「創刊55周年記念号」と銘打たれている。私が11歳のころの創刊であり、私が出会ったのは53号だから、もうすでに創刊から4年ぐらい経過していたわけだ。たぶん、高校生の16歳の時に、私は、SFマガジンに出会った。それから、月刊誌として、欠かさず購読してきたのだが、次にSFマガジンに出会うのは2015年2月なのだそうだ。
 「大森望の新SF観光局」の「月刊終了の衝撃」に書かれていることが、「当たらずとも遠からず」(編集後記)なのだそうだが、この歴史あるSFマガジンが消えないことを願うばかりだ。

 さて、小学館が、「ドラえもんプラス」の新刊を8年ぶりに出すと知って、12月1日を楽しみに待っていた。
 予告によると、


 将来の結婚相手はのび太じゃない!?しずちゃんの衝撃の発言から始まる「にっくきあいつ」。ドラえもんの異常などら焼きへの執着からまたまた事件勃発!?「チリつもらせ機で幸せいっぱい?」。鼻ちょうちんで空を飛ぶ!?前代未聞のひみつ道具「はなバルーン」。スネ夫が人面魚に!ドラえもんが人面犬に!次々変身大パニック「そっくりペットフード」など、ドキドキワクワク、心の底から笑える、いつもの「ドラえもん」がぎっしり詰まっています!


 とあった。
藤子・F・不二雄亡き後、全集が出て、もう残っている作品はないと思っていたが、そうでもなかった。
 さっそく買って、今全作品読み終わったところだ。「ドラえもん」の未読の作品がまだ読めるということはうれしいことだ。作者、藤子・F・不二雄が他界してもう18年もたった。8年ぶりに新しい「ドラえもん」が読めて幸せだった。
 ほとんど一気に読み終えた。そこには相変わらず楽しいドラえもんの世界があった。
 小学生の2年〜6年向けに描かれたものだが、大人にも十分楽しめる。
長きにわたるドラえもんファンにとっては、この新刊はうれしい一冊だ。
 「ドラえもん」の中には、人が考えるあらゆる想像が含まれていて、「ああ、こういうものが本当にあったらいいな」というものでもう描かれていないものはないと言ってもいいぐらいだ。
 私としては、「初日の出セット」「カンゲキドリンク」が面白かった。
 ドラえもんファン、藤子・F・不二雄ファンなら当然だが、そうでない子どもにも大人にもお勧めの一冊だ。

 次の話題ははやぶさ2。
 はやぶさ2の打ち上げの模様をテレビでずっと見ていた。いろいろな解説を聞きながら、秒で決まっている時刻に正確に打ち上げなければいけないということに
ドキドキしながら、見ていた。
 三度目の正直で打ち上げ成功となった。

 はやぶさ2の打ち上げは天候に左右される。また、秒単位の正確な時刻に打ち上げないと、目指す小惑星への軌道に乗らないのだそうだ。
 いつの間にか、世界は宇宙への進出に競争をしていた。
 今度は、アメリカが打ち上げる「オリオン」の試験機が話題である。昨夜、予定では日本時間で21時5分に予定されていたが、近くに船が入ったということで延期され、今夜(2014・12・5)21時5分に打ち上げられた。これはまだ、本当に火星に向かう前段階なのだが、NASAの長官の言葉が私は気に入った。
 「これで、サイエンス・フィクションがサイエンス・ファクトになるのだ」
 かつてSFはこぞって、火星へ地球人が向かう話をたくさん書いた。その代表は「火星年代記」であり、火星人は実は地球人そのものであったということは、まさにSFの世界である。
 そんなことを感じたニュースだった。
 今年は寒さが厳しい。あまり出かけず、家にひきこもっていることが多い。世の中で、はっきりしているのは、「変化」だということを感じさせられるこの頃である。
 月並みだが、来年2015年はよい年になりますように。
                      (2014・12・24)

|

« No.400 (Web版50号)5 | トップページ | No.403 (Web版53号)2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: No.403 (Web版53号)1:

« No.400 (Web版50号)5 | トップページ | No.403 (Web版53号)2 »