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No.403 (Web版53号)4

SF essay(224回)

川瀬広保

PM400号について他



 PMが早く来ないかなと思っていたら、ある日、いつもより厚いPMがとうとう郵送されてきた!
 いろいろな方が祝辞を寄せている。
 また、過去のPM記念紙の表紙なども載っていて、懐かしい。
 一番、懐かしかったのが、PMの第一号である。PMが「PEPER M00N」となっていたり、私の名前が、「川瀬 弘保」となっていたりして、いまとなっては懐かしい。
 発行が昭和44年8月4日となっている。私が21歳のころである。
 あ、計算はしないでください。
 もうそのころから、PMはあったのだ。
 それから、40年以上(計算はしないでね、まあいいけど、歴史があるのはいいことです)、PMは発行され続けた!これは、すごいことであり、素晴らしいことです。編集後記の福田さんの文章を読みました。まだまだ続けてください。お願いします。

 さて、SFとは関係ないけど、定年退職後、ボランティア活動をやっている。
ある日、いつものように浜松城へ出かけた。子どもが来ると声をかけたくなる。
「どこから来ましたか」
「東京!」
「何歳?」
「8歳」
「じゃあ、3年生かな」といった会話をして、いつものように説明をし始めた。
 徳川家康の歯朶具足の前で、「これはね」と言いかけたら、その小学3年生は「歯朶具足!」と自分から言った。隣にある金陀美具足についても、自分から答えを言ったので、驚いた。なかなかそういうお客さんは、大人でもいないからだ。家康が10歳のころ、石合戦の様子を見て、人数が少ない方が勝つであろうと言ったという逸話についても、ちゃんと知っていた。「どうしてそんなによく知っているの?」と尋ねたら、「歴史漫画で読みました」と答えた。
 ちょっとしたきっかけがあれば、すぐに覚えるものだ。親はわが子に将来自信を持たせたかったら、きっかけ作りといろいろな経験を積ませることが大切だとつくづく思わされた、
 SFも同じ。子どものころに、手塚治虫や星新一に親しんだ子が、高校生のころに、「幼年期の終り」を読み、SFマインドを持つ大人に育つのである。

 さて、SFには直接、関係ないけど、私は猫好きだ。毎日、猫に癒されている。かわいがればなつく。毎日、その行動を見ていれば、かわいいだけでなく、何を考えているのか、どのように助け合っているのかもわかるような気がする。
 1月7日の夕刊に、「処分されそうな犬・猫を引き取る神奈川の特養」という記事を見つけた。引き取られた犬や猫が、お年寄りたち入居者の心の支えになっているという。
 一方、人間界では、殺人やテロといったニュースのない日はない。家族間の争いやいさかいによる事件も多い。
 この記事の最後に、施設長の言葉が引用されていた。「犬や猫が幸せに暮らせる社会は、人間にとっても豊かな社会です」。まったく同感である。
 犬や猫は、ケンカはしても、殺しあったりはしない。ところが、人間の社会は自己の主張を通すためには、殺し合いもする。
 平和な社会を実現するためには、まず犬や猫といった小動物の殺処分という人間側のおごった忌まわしいやり方よりも、彼らに癒され、「徘徊や認知症の症状が緩和する」という「アニマルセラピーの効果もある」方法を選んでいく方が、動物と人間が共存共栄して豊かに生きていけるのではないかと本気で思った。
 記事中の犬と猫の写真を見て、人間のエゴで処分されなくてよかったねと強く思い、そう声をかけたくなった。
 SF人にも悪い人はいない。猫好きにはさらに悪い人はいないと思う。

 さて、SFの新刊ではロバート・A・ハインラインの『輪廻の蛇』を買おうかなと思っている。また、SFマガジンが隔月刊化されて初めての号がもうじき出る。どんなふうに変わるのか、興味はある。
 年は明け、2月に入り、節分の日、豆をまいた。邪気をはらえたかどうか。翌日、立春を迎えたが、まだまだ極寒の日々が続く。日本でも、テロが横行しそうで恐ろしい。ニュースから、目を離せない。
                    (2015・2・5)

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