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No.408 (Web版58号)2

SF essay(228回)

川瀬広保


 「ニュー・ホライズンズ」 冥王星に最接近

 今夜(2015・7・14)、8時50分(日本時間)、9年半かけて、ついに、アメリカの惑星探査機「ニュー・ホライズンズ」が冥王星に最接近するそうだ。これは史上、初のことである。
 このニュースは当局の関係者自身が「これはSFではない」と言っているそうだ。
 冥王星は太陽系最遠の「惑星」だったが、いつのころからか「準惑星」に降格された。最新のニュースによると、その直径が2370キロだそうで、地球より小さい。
 こんな遠くて、小さな星へ、何年もかかって到着し、写真を送ってくるということは、すごいことだし、素晴らしいことだ。もうわれわれはかつてのSFの時代に生きているのは間違いない。
 冥王星から見た日食の写真も公開された。それによると、大気があるらしい。予想とは違って、冥王星は生きているようだ。冥土の王であるこの星が、急に身近に感じられるようになった。
 これで、人類は太陽系のすべての惑星へ探査機を送ったことになったということだ。
 昔、読んだジュビナイルSFでは、海王星人や天王星人が出てきたものもあったが、さすがに冥王星人が出てくるものはなかったように思う。
 それだけこの「惑星」は太陽系の奥の奥にひっそりと、だれにも知られずに存在し続けていた。
 今、まさに時代は生きている冥王星であることを思うと、かつてのSFの時代にわれわれが生きていることは間違いない。
 日本人宇宙飛行士の話題もすばらしい。こちらは、地上わずか三百キロ程度の宇宙ステーションで仕事をして、地上との会話もできるが、一方冥王星は地球から54億キロのはるかかなたの距離にあるのだ。
 このどちらの話題もわれわれの大きな興味をひく。

 想像力と好奇心があるから、科学が進歩するのと、科学が進歩して冥王星にまで、人類の探査機が行けるようになるから、また新しいSFが書かれるようになるのと、両面あるのだろう。
 昔、火星に望遠鏡を向けた天文学者が、火星には運河があると言って、火星人がいるのではないだろうかと想像し、物語がかかれた。すでに、人類は、探査機を火星に到着させ、そこには運河はなかったけれど、新たな疑問が出現してくる。冥王星についても、同じだろう。さらに、どんな発見がされるか、興味尽きない。

 さて、今年は猛暑である。すでに、今日も関東の方では、38度ぐらいまで気温が上昇しているらしい。地球がおかしくなっているのは、気候だけでなく、人の心も同様である。忌まわしい事件、事故が後をたたない。
 そんな昨今で、冥王星にまで、アメリカの「ニュー・ホライズンズ」が最接近して、鮮明な写真を送ってきたというニュースは、人々を興奮させ、新しい地平が開かれているのは事実だ。
 その地平はいくつかある。複数のSがついていることが、それを表している。

                     (2015・7・26)

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