« 2015年8月 | トップページ | 2015年11月 »

2015年10月

No.409 (Web版59号)3

第46回星雲賞受賞作発表

日本長編部門
作品名「オービタル・クラウド」
著者 藤井太洋(ふじい たいよう)
出版社 早川書房
出版日 2014年2月
書籍情報 早川書房単行本

日本短編部門
作品名「海の指」(うみのゆび)
著者 飛浩隆(とび ひろたか)
出版社 講談社
出版日 2014年10月
書籍情報 モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」

海外長編部門
作品名「火星の人」
著者 アンディ・ウィアー
訳者 小野田和子(おのだ かずこ)
出版社 早川書房
出版日 2014年8月
書籍情報 ハヤカワ文庫SF

海外短編部門
作品名「スシになろうとした女」
著者 パット・キャディガン
訳者 嶋田洋一(しまだ よういち)
出版社 早川書房
出版日 2014年1月
書籍情報 「SFマガジン2014年3月号」掲載

メディア部門
作品名「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」
監督 出渕裕(いずぶち ゆたか)
製作 宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会
公開日 2014年12月6日

アート部門
水玉螢之丞(みずたま けいのじょう)

コミック部門
作品名「もやしもん」
著者 石川雅之(いしかわ まさゆき)
出版社 講談社
出版日 2014年3月「講談社イブニングKC(1〜12巻)、モーニングKC(13巻)」
書籍情報 講談社イブニングKC、モーニングKC

自由部門
対象 ドラマ24「アオイホノオ」
原作 島本和彦(しまもと かずひこ)
監督 福田雄一(ふくだ ゆういち)
理由 「初めてSFファンダム史をテーマにした作品であり、史実をベースにしたフィクションドラマ」
放映日 2014年7月19日〜2014年9月27日
制作局 テレビ東京

ノンフィクション部門
作品名「サンリオSF文庫総解説」(さんりお SFぶんこ そうかいせつ)
編集 牧眞司(まき しんじ)、大森望(おおもり のぞみ)
編集発行 本の雑誌社
出版日 2014年9月
書籍情報 単行本

| | コメント (0) | トラックバック (0)

No.409 (Web版59号)2

SF essay (229回)

川瀬広保

五島勉『ヒトラーの終末予言』

 五島勉氏の新書『ヒトラーの終末予言』が出たので、迷わずすぐ購入した。新書と言っても、過去に出した本に前後をプラスした復刊である。プロローグとエピローグをつけて、今の日本や世界の状況がいかに当時の予言に合ってきているかを考えさせてくれる。
 前著はウェルズについてだったが、今度はヒトラーについての再考である。予言についての第一人者である五島氏の本はほとんど読んできた。これからの世界はどんどん二極化が進むというのが、本当によく当たっていると思う。富めるものはますます富み、貧するものはますます貧する。この部分だけでも、本当にそうだと思う。
 今、『老人漂流社会』とか『老後破産』といった本がベストセラーになっている。国民の四人に一人が高齢者だと言われる。その高齢者たちは行き場がなくて、世の中を漂流している。暑くて、熱中症になりそうな時期は、ただで入れる図書館とか、スーパーなどにほとんど一日中いたりする。一方、おやじ狩りと言われる事件が相変わらず、起こっている。70歳代のお年寄りが被害にあっているのだ。
 何という世の中になってしまったことだろう。また、世界の富裕層はいくらでもお金があり、信じられないような豊かな生活をしている。こうした二極化がますます進むのだと著者は早くから述べていた。氏の本は、いつでも一流の文明批評にもなっていた。この本もそうである。
 われわれは、未来がどうなるのか知りたがる。自分の未来を知るのが怖くても、やはり知りたいし、ましてや世界がどうなっていくのかという大きな予言はいつでも知的好奇心を呼び覚ましてくれる。
 人間から、好奇心を取り上げてしまったら、ウェルズのエロイ族のようになってしまうだろう。
 2039年というのは、ヒトラーにとってもう確実に起こる決まった未来だったらしい。
 ノストラダムス、ウェルズ、ヒトラーなど、人類史上に残る大人物には、未来を見据える目があったのだろう。今回、アーサー・C・クラークの名前が出てきたのが、私にとって興味をひいた。クラークの『幼年期の終り』に触れられていたからである。このSFでは、オーバーロードが人類を支配し、そのオーバーロードもさらに上にいるオーバーマインドによって操られているのだ。こうして考えてくると、ヒトラーの予言も五島勉の読みも当たっているのだと思わされる。
 二極化が進んで、どうしようもなくなってしまう未来を救えるのは、「超人」や「神人」らしい。
 なぜ二極化が進むのだろう。人間の心だけでなく、天候もそうである。今年の天候は予測がつかない。東京で猛暑日がその記録を更新したというニュースが続いた。暑いか寒いかのどちらかで、ちょうどいいというのがない。台風も二つ玉など、過去にない勢力のものが襲ってきている。人心もますますおかしくなり、毎日のようにおかしな事件・事故が起こっている。テレビのコメンテーターも、信じられないことですねと言うばかりでどうしてこうなってしまったのか、明確な解答を与えてくれる人はほとんどいない。
 予言のように社会が進むとすれば、賢い人間はますます賢くなり、バカなことをやって一時的に面白がられてもすぐ消えていく人と、大きな埋められない差のある世界になっていくのだろう。世界も日本も極端に走る人ばかりになる。テロは横行し、犯人は捕まらない。日本でも、なぜこうした事件が起こるのかと首をかしげるばかりで、事の本質にまでは行かない。
 いろいろと考えさせられる好著である。
 氏のファンに限らず、大方の読書人におすすめの一冊です。

 さて、こんなことを書いているが、来週はまた台風が二つ、日本を来襲しそうである。凶悪な事件も解決しそうにない。過ぎてみれば、1999年には何もなかっただとか、1984年はもう過去のことになったなどとあれこれ批評はできるが、未来は、やはりわれわれひとりひとりの心の中にあるようだ。

 さて、この原稿を書き終えるころ、森東作さんから、「SFファンジン・データベースVER・1・5」が送られてきた。さっそく、あれこれ見ているのだが、その緻密なデータ構築ぶりには感心の域を超えるものがある。
 「ルーナティック」も「純桃」も「テラ」もみんな載っています。
 森さん、ありがとうございました。
                     (2015・8・25)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

No.409 (Web版59号)1

『河童の三平』についてあれこれ

by 渡辺ユリア

 8月29日からの今年の日本SF大会“米魂”に行く予定です。
米子市です。そして8月31日には、少し足を延ばして水木しげる先生の故郷の境港に行くつもりです。
 そこで、図書館から『河童の三平(貸本まんが復刻版)』を借りて読みました。上中下の三冊あります。“…本書は1961年から1962年にかけて兎月書房(とげつしょぼう)から刊行された貸本版「河童の三平」全八巻を三分冊にしたものです…”と本の後ろのほうに記入されています。そしてこちらの復刻版は、角川書店から平成23年4月25日に初版発行と奥付けに書かれています。
 さて、内容です。山の奥のそのまた奥に、おじいさんと二人ぐらしの三平という名の小学校一年生の少年がいました。彼は学校に行くと「河童」「河童」とバカにされました。ある日、学校から帰ると小舟に乗って遊んでいました。そのうち眠くなって寝てしまいました。舟は川の奥へ奥へと流されて…。その時、川から二人の河童が現われて、三平を仲間とまちがえて、河童の国へと連れてゆきました。その後、おじいさんの魂をあの世へ連れていこうとする死神や三平にいたずらする子ダヌキなど出てきます。
 読んでいるとテンポ良いし、怖いけどずーっとこのマンガの世界に入りこんでしまうこともありました。草の根のシーンとか草の夜露を集めるシーンとかスイカ畑のシーンとか。そして、どこかのどかな雰囲気が良いですね。では、この辺で
                     2015.8.19  yullia

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年8月 | トップページ | 2015年11月 »