No.425 (Web版75号)2
My BESTS 2016
中嶋 康年
1「スパイダーバーズ」ダン・スロット ヴィレッジブックス
多元宇宙のスパイダーマンたちが一堂に会して「蜘蛛の眷属」を狙う一族に対抗するという話。いろいろなバージョンのスパイダーマンが出てくるのが楽しい。恋人のグウェン・ステーシー、伯父のベン、宿敵のドクター・オクトパス、ピーターの娘などがスパイダー能力を得て、スパイダーウーマン、スーペリアスパイダー、アルティメットスパイダーとして登場する。
2「シン・ゴジラ」庵野秀明
ここで私ごときがコメントしなくとも、いろいろなところで言い尽くされているので、2016年はこの映画が上映された年として記憶されるだろうと言うことにとどめておく。ほかにも、「君の名は。」「この世界の片隅に」など高く評価される日本映画が連続して公開された年でもあった。
3「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」ピーター・トライアス 早川書房
出版予告の時点から、どんな話になるんだと期待していたが、歴史改変SFとしても、戦争SFとしても素晴らしい。また、大森望が「同業者として、嫉妬と羨望を禁じ得ない」と解説した翻訳文体も調子が良く、訳語、登場人物のせりふ回しなどは絶品である。
4「東離劍遊紀Thunderbolt Fantasy 」王嘉祥/虚淵玄 アニメ放題
虚淵玄が一目見て「すごい」といって自分で脚本を書いた台湾の武侠人形劇。久し振りの武侠物語を久し振りの人形劇で堪能しました。「アニメ放題」とはソフトバンク契約者限定のアニメ配信サービス。
5「スーパーマンvsバットマン」ザック・スナイダー ワーナー・ブラザース
PM8月号にも書いたが、DCコミックスの映画戦略が本格化した一本。ワンダーウーマンが素晴らしい。
6「センス8」NETFLIX
ウォシャウスキー姉妹(「マトリックス」の兄弟監督が性転換して最初のTVシリーズ)の作品。性別も国籍も違う8人が共鳴しあい、空間を超えて同じ場所にいて話し合ったり、身体が入れ替わったりしてさまざまな危機を乗り越えてゆく。最初はわけがわからなかったが、次第につながりが見えてきてからは目が離せなくなる。
7「武則天」銀河チャンネル/SkyPerfecTV
中国のドラマ史上最高の視聴率を記録。日本では「則天武后」として知られる中国唯一の女帝の生涯を描いたドラマ。主演はウーロン茶CM、X-MENフューチャー&パストの中国トップ女優ファン・ビンビン(范冰冰)。全82話。
8「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」會川昇/水島精二 アニメ放題
「神化」という元号の昭和30年ごろの日本では、「超人」と呼ばれる超能力者、宇宙人、妖怪などが政府機関「超人課」に管理されようとしていた。この時代の史実を交えながら、軽妙洒脱に、ときに情感をこめてうまく描かれている。
9「パーソン・オブ・インタレスト」AXN/SkyPerfecTV
シーズン5で最終回を迎えた。人間個人を守ることを使命とした超絶人工知性「マシン」と、世界の実権掌握のためには犠牲を厭わない過酷な超絶人工知性「サマリタン」の闘いについに決着がつく。
10「スーパーガール」AXN/SkyPerfecTV
これもPM3月号に書いたので多くは語らないが、シーズン2を早く見たい。後半、フラッシュとの共演をする。
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昨年は映像作品とコミックスが多く、小説作品は1つとなってしまったが、面白かった小説作品を題名のみ記す。
汝、コンピュータの夢/文学会議/暗幕のゲルニカ/エンジェルメーカー/さよならロビンソンクルーソー/母になる石の礫で/宇宙探偵マグナス・リドルフ/ラスト・ウェイ・アウト/パンドラの少女/情熱のシーラ(順不同)
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