No.429 (Web版79号)1
手塚治虫先生の初期長編マンガについてあれこれ
by渡辺ユリア
皆様今日は。今年の桜は長く咲いてキレイでした。お花見には行かれましたか?
さて、今回はSFマンガについて語らせて頂きます。ルーナティック31号の特集にもタイトルだけは書入れました。「地底国の怪人」
この本は、角川書店発行の角川文庫 手塚治虫初期傑作集の1冊で平成6年11月25日発行。同じく12月10日再版発行と奥付けに記入されています。元々は1948年2月20日不二書房より発行されたもので、発行当時の復刻版なので2色ずりである。この角川文庫には「地底国の怪人」と「魔法屋敷」が載っています。
では「地底国の怪人」の紹介を。…最初の1Pめで大爆発が起こり、次のページをめくると、大きな飛行機が降下しているではありませんか。見ひらきのページで、まずその2P〜3Pめで構図の斬新さに驚きました。当時(1948年)には、、もっと驚いたでしょう。そして4Pめには、その飛行機は墜落する。5Pめには、その事件の号外新聞を走って配る売り子の少年の図。テンポいいですね。その下には事故現場に急ぐ救急車と人々の図。この5Pで私はすっかりその物語の中に入りこんでしまいました。
そして、その飛行機のパイロットは病院のベッドで息子のジョンに言葉をかける。『おまえは大きくなったらきっと安全ですばらしいのりものを発明しておくれワシの遺言じゃ』…と言って、そして次のページでタイトルがあらわれます。その扉をひらくと、ふしぎなウサギとそのまわりの多くの科学者たちの絵、そのウサギの動きが面白いのです。その後、科学者たちの力によって進化したそのウサギは耳男(みみお)と名づけられました。進化させられたウサギ…。
その後、耳男はその屋敷を抜け出し、やがて街に出る。服をきたウサギ。その後、ジョンの屋敷に転がり、やがてジョンの助手となる。ジョンはロケット型の地底列車の計画を立てていた。地球を貫通して12700㎞を12時間で疾駆するというロケット列車を。そしてその列車は完成し、ジョンは耳男と共にロケット列車に乗り込み、地の底への旅へと出かけていく。ロケットの先がのこぎりのようになっており、地中の岩をみずからほって、トンネルのようにして地底へと行くロケット列車なんて。しかし、ある所まで来てロケット列車は止まってしまう。その後2週間後、その列車のほった穴をたどってジョンの仲間が自動車に乗ってジョンたちのそうさくを開始した。そこで車の前にあらわれたふしぎな人々…その正体は何であろうか…というストーリーである。人々の動きやポーズや構図などがそしてロケット列車のアイディア。その当時、斬新であったと思われます。 ではこのへんで。
2017.4.17 yullia
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