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No.429 (Web版79号)2

SF essay(248回)

川瀬広保

 4月後半に入り、やっと暖かくなってきた。桜も散り始めた。日本人は桜の開花に大きな関心がある。季節を感じ、気温が暖かくなるからだろう。入社式や入学式のニュースを見ていると、4月だなと思う。

 さて、韓国の慰安婦少女像の問題で、筒井康隆のブログの発言がやり玉に挙げられていて、大きなニュースになった。『モナドの領域』は、韓国では発売禁止になったようだが、私はそれをすでに読んだ。難しくて、読了に時間がかかったが面白かった。
 決して、批判されるような作品ではないと思う。未来がわかる神がいて、これからどうなるか聞けば必ず答えてくれる。筒井康隆最後の作品という触れ込みだった。

 さて、土星に地球外生命が見つかるかもしれないそうだ。NASAがまもなく重大発表をすると言っている。

 以下、新聞記事の引用

現地時間の4月13日に行われた、NASAの重大発表。それは、土星の衛星「エンケラドゥス」の海で熱水噴出が存在する証拠が発見されたというものでした。
 この熱水噴出は地球でも深海に存在し、生命活動の場となっています。つまり、エンケラドゥスの熱水噴出も生命活動の場となっている可能性がある、というのが今回の発表の概要です。なお、今回の観測には土星探査機のカッシーニが利用されています。
 エンケラドゥスは表面を分厚い氷の層が覆っていますが、その下には海が存在していることが予測されています。そしてエンケラドゥス表面からの噴出には水素(H2)が含まれていることを発見。これはエンケラドゥスの海に継続的な熱水噴出が存在し、それが岩石と反応して水素を形成していると考えられるのです。
 エンケラドゥスは直径が504キロほどの、土星の6番目に大きな衛星です。そしてガスの噴出に含まれている水素の濃度は0.4〜1.4パーセントほど。その他にも二酸化炭素が0.3〜0.8パーセントほど見つかっています。一方地球の深海の熱水噴出孔の周りには、硫化水素やメタンから有機物を生成する微生物が存在し、その周囲には貝やエビ、カニなどが集まる生態系が形成されることがあります。
 今回の発見はまだまだ直接の生命の発見ではありませんが、もしかしたら土星衛星の氷の下にまだ見ぬ生命がいるかもしれない……と思うと、ワクワクしてしまいますね!
 (以上、引用)


 昔、小学生のころ、初めて土星の写真を見て、「どうしてこの星には輪があるんだろう?」と不思議に思い、やがて学習望遠鏡で初めて土星を見た時を思い出す。それから、50年余が過ぎ、このようなニュースに接すると、飛躍するかもしれないが、この太陽系のどこかに土星人などがいるのではないかと思ってしまう。現実の世界は、このニュースのように、まだ熱水が噴出しているというだけだが、われわれ人間の想像力は、われわれ以外の知的生命体を想像してしまう。

 もし、この宇宙にわれわれ人類だけしかいないとしたらー犬や猫、鳥、魚、昆虫、植物なども一切ない無機質の世界だったとしたらと考えると、われわれは全くの孤独に陥ることになる。朝鮮半島で、戦争直前だというニュースより、このエンケラドゥスで熱水が見つかったというニュースの方が何か胸をワクワクさせるものをもっている。この宇宙はきっと生命でいっぱいなのだ。たまたま地球という惑星に生命があふれかえっているだけで、その他の惑星などにも何らかの生命がいるのだ。きっとそうだと期待してしまう。

 そんなことをあれこれ考えさせられる今回のニュースである。

 さて、その地球はどうもきな臭い状況になってきた。毎日、報道されている通り、人間はもともと戦争を好むものなのだ。以前、見たSF映画の中で「和平はない」とエイリアンが冷たく言った言葉はそのまま、地球に住んでいるわれわれ人類のごく一部の人にも当てはまるのだろう。
 だからといって、毎日バカなテレビ番組を見て「アハハ」と笑っている大勢の(?)中に入りたくはない。

 世界のどんな要人や支配者も年齢には勝てないし、この地球から逃れられる人間はいないのだ。人はもっと宇宙も見て、考えて敬虔な気持ちにならないといけない。

 土星の衛星、エンケラドゥスから熱水が噴出しているというニュースの方が、戦争前夜だと騒ぐニュースよりいいと思う。

 人類はおごってはいけないのだ。あまりおごっていると、自滅するのではないかと思ってしまう。

 さて、次は伊藤典夫訳『時間線をのぼろう』の発行を待っています。

                     (2017・4・24)

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