No.434 (Web版84号)2
ドンブラコンLL
中嶋康年
前回の「ドンブラコンL」から6年、再び静岡市でのSF大会が8月26-27日、前回と同じ東静岡駅前の「グランシップ」で開催された。今回も「科学魔界」「BAMU」「イスカーチェリ」が発行している「SFファンジン」にコラムを書いた関係で、大会スタッフをしている「SFファンジン」の編集長にゲスト扱いにしていただいたのだが、参加費は払っているし、企画にもでないので、一般参加者と変わりはない。それより、今回もホール舞台の上に掲げてあった「第56回日本SF大会ドンブラコンLL」の看板を作らせてもらったことの方が貢献できたかな。
例によって、基本はディーラーズをベースにして、ふらふらと歩き回っていたのだが、今回はディーラーズのホール内でAOIクラフトビールの販売、一部で有名らしい静岡市の「オタクな酒屋」の出店、昼時には弁当、モツ煮込みカレーの販売、駿府楽市、江崎書店の出店、カフェスタイルの出店など、飲食関係が多くあった。また、ホールの一角ではFMしみずの公開録音があり、鬼塚大輔が未公開SF映画の紹介をしたり、星雲賞海外長編部門受賞のピーター・トライアスのインタビューをした。同じホール内とはいえ、かなり距離があるので、ディーラーズに座っていてはまったく聞こえないので、わざわざ聞きに行かなくてはならなかったが。今年は、星雲賞が大会開催時より前に発表されたので、各種プロモーションがやりやすくなっている。先述したインタビューもしかり、ホール内の江崎書店にも受賞作がずらりと並んだ。サイン会も同じホール内で行われたが、ここではノンフェクション部門受賞の池澤春菜の人気がすごかった。他の受賞者が1列で済んでいるところ、池澤春菜だけが長蛇の折り返し。池澤の人気はここだけではない。開会式、閉会式の司会もやり、企画のパネラーとしても各所に出ていた。星雲賞受賞者発表の様子は「ニコニコ生放送」で7月22日に公開されたのだが、このときのゲストも池澤春菜で、話も面白く、各所でもてはやされているのもわかる。閉会式でも、なにかといえば引っ張り出され、「人遣いが荒いんじゃないですか?」と文句を言っていましたが。
もうひとり、今年のSF大会を彩った人物は、草野原々であろう。正統派の池澤に対して、草野は「なんだこいつは?」という一種、芸人を見るような感じか。日本短編部門受賞挨拶にしても、声を張り上げるので目立つ、目立つ。暗黒星雲賞でもゲスト部門受賞、コスチューム部門次点(カエアンの聖衣)、企画にもパネラーとして多数出演とこちらもかなり忙しかった模様。
夜は、イスカーチェリ・メンバーの三浦氏、安田氏と御年84才にして新刊「もはや宇宙は迷宮に鏡のように」が出た荒巻義雄氏、立命館大准教授で日本SF研究家のフランス人、ドゥニ・タヤンディエー氏、巽孝之氏と静岡の街へ繰り出しました。
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