No.450 (Web版100号)2
SF essay (269回)
川瀬広保
平成31年、2019年が明けた。新年は元号が変わるということと、消費税が10パーセントに上がるということが大きい。元号は昭和、平成を経てまだ未知の新元号であり、消費税は必ず上がるであろう。困ったことである。また、やたらと外国人を採用するらしい。
最近、はまっているテレビ番組は「チコちゃんに叱られる」。言いたいことを言うところが面白い。CGだから、実在しているわけではないが、身近に感じてしまう。
ぼーっとしていないで疑問に思ったら、いろいろ調べて考えてわからないときは、専門家に聞く。社会全体への「喝」である。難しく考えなくてもいいが、この番組は面白い。
季節を感じるのは、スーパーとテレビだ。スーパーは季節を先どって、品物を陳列しているし、テレビは年末ともなれば、平成はどうだったかとか一年を思い出す番組を放映し続けている。「時は人を待たない」ということわざがあるが、まったくその通りである。"Time wait for no man"である。"Time flies like an arrow" ということわざもある。"Time flies" だけで載っている。時間は永遠なのであろうか。太陽は46億年の寿命だと言うし、人間はたかだか80年程度である。
久しぶりにSFマガジンのてれぽーと欄へ投稿したら、載せてくれた。筒井康隆についてである。
以下、SFMに送ったてれぽーと欄の全文を載せてみます。
SFマガジンに連載された「筒井康隆、自作を語る」は毎回、興味を持って読みましたが、今度一冊にまとめられて、発行されたので、買ってきました。
季節を感じるのは、スーパーとテレビだ。スーパーは季節を先どって、品物を陳列しているし、テレビは年末ともなれば、平成はどうだったかとか一年を思い出す番組を放映し続けている。「時は人を待たない」ということわざがあるが、まったくその通りである。"Time wait for no man"である。"Time flies like an arrow" ということわざもある。"Time flies" だけで載っている。時間は永遠なのであろうか。太陽は46億年の寿命だと言うし、人間はたかだか80年程度である。
久しぶりにSFマガジンのてれぽーと欄へ投稿したら、載せてくれた。筒井康隆についてである。
以下、SFMに送ったてれぽーと欄の全文を載せてみます。
SFマガジンに連載された「筒井康隆、自作を語る」は毎回、興味を持って読みましたが、今度一冊にまとめられて、発行されたので、買ってきました。
筒井康隆と言えば、日本のSF界を疾走してきたプロとして有名です。石川喬司の言葉によれば、星新一が開拓者として道を開き、小松左京がブルドーザーでならし、筒井康隆はさっそうと口笛を吹きながら、スポーツカーでSFワールドを疾駆するといった例えがありましたが、その筒井康隆ももう84歳だといいます。まだ新作を出そうだという意欲がラストのインタビューの答えに見えます。筒井康隆に昔サインをもらったとか、エレベーターで一緒になったというかすかな記憶があります。私はまだ学生でした。
古きよき時代の記憶です。そのころは、臆せず、プロに会いにいきました。サインももらいました。星、小松、筒井、福島、クラーク等々です。ファンとプロの垣根がほとんどありませんでした。よい時代でした。
この本は書誌学的な意味でも貴重です。筒井康隆のすべてを収めています。
この本は書誌学的な意味でも貴重です。筒井康隆のすべてを収めています。
対話集だから読みやすいし、末尾には筒井康隆のビブリオグラフィがついています。
日本SF界をその黎明期から知っている大物のこの本の内容は大いに気になるところです。貴誌にはこれからもこのような日本SF界に貢献された方々のインタビューや動向を載せていただきたいと思っています。
大げさに言えば、今、筒井康隆が熱い!老いてますます盛んと言う言葉があるが、筒井康隆の動向には目が離せない。
「2001 キューブリック クラーク」というマイケル・ベンソンの大型本が出る。この本にも好奇心を持っている。一応、注文しておいた。5000円はちょっと高い。入手した。まず厚さに驚く。克明にこの名作映画「2001年、宇宙の旅」が世に出るまでのあれこれを書いてある。この映画が上映されたとき、私は大学生で早速見に行ったものだ。後半、20分ぐらいは一切セリフはなく、人によって感想や理解が分かれる画面が続いた。その後、「2010」が映画化されたとき、こちらはよくわかった。今回、いろいろなエピソードが明らかになっていて、興味深い。50周年だそうである。50年たってもまだこのような本が出版されると言うこと自体、この映画とその原作が永遠であることの証左であろう。
さて、もう大晦日が過ぎ、2019年が始まった。人は暦によって支配されている。地球が24時間で一回転し、365日かけて太陽の周りを公転する。12で割って、ひと月がある。ひと月は30日か31日で調整されている。。こういった天体の動きによってわれわれは支配され、そこからはみ出ることはできない。うるう年で調整し、いやおうなく、歳をとる。春夏秋冬があるが、天候の異常は今に始まったことではない。後戻りはできない。Time flies.のことわざ通りだ。
大げさに言えば、今、筒井康隆が熱い!老いてますます盛んと言う言葉があるが、筒井康隆の動向には目が離せない。
「2001 キューブリック クラーク」というマイケル・ベンソンの大型本が出る。この本にも好奇心を持っている。一応、注文しておいた。5000円はちょっと高い。入手した。まず厚さに驚く。克明にこの名作映画「2001年、宇宙の旅」が世に出るまでのあれこれを書いてある。この映画が上映されたとき、私は大学生で早速見に行ったものだ。後半、20分ぐらいは一切セリフはなく、人によって感想や理解が分かれる画面が続いた。その後、「2010」が映画化されたとき、こちらはよくわかった。今回、いろいろなエピソードが明らかになっていて、興味深い。50周年だそうである。50年たってもまだこのような本が出版されると言うこと自体、この映画とその原作が永遠であることの証左であろう。
さて、もう大晦日が過ぎ、2019年が始まった。人は暦によって支配されている。地球が24時間で一回転し、365日かけて太陽の周りを公転する。12で割って、ひと月がある。ひと月は30日か31日で調整されている。。こういった天体の動きによってわれわれは支配され、そこからはみ出ることはできない。うるう年で調整し、いやおうなく、歳をとる。春夏秋冬があるが、天候の異常は今に始まったことではない。後戻りはできない。Time flies.のことわざ通りだ。
「ブラックホールとは何ですか」とか、「ブラックホールと太陽はどちらが強いですか」という子どもの質問があった。ブラックホールは時空をまげてしまって、時間すら飲み込んでしまうという話を読んだ。
こうなるとブラックホールの方が強いのかな?強いも弱いもないのだろうが、子どもの質問はいつも面白いものだ。「空はどこからが空ですか。地上1ミリでも上は空ですか」この質問の答えは、視線を上に上げたときに見えるのが空だということだ。先日、天文台へ行ったとき、「星はどこにあるの?」と4、5歳の子に聞いてみたら、「空にある」という答えが返ってきた。その通りだと思った。やれ、月は38万キロのむこうにあるとか、地球の隣は火星だとか金星だとか教えたくなるが、星も惑星もみな空にあるのだ。
子供の素朴な疑問から、人類の科学の発展があったと言っていいような気がする。
われわれ日本人は神仏混合の宗教を信じており、寺にお参りに行き、神社にもお参りに行く。英語のことわざに、You can live without father or mother but you can`t live without religion.というのがある。父や母がいなくても生きていかれるが、宗教がなくては生きていかれないという意味だ。正月に近くの神社に行けば、大勢の人が参拝に来て、祈祷をしている。
未来はどうなっているのだろうか。クラークの有名な短編「星」は宗教が科学へとつながっていくのを示しているような気がする。「幼年期の終り」はオーバーロードからさらにオーバーマインドへとより進化した知性の発達を描いていて、昔、興味深く読んだものだ。レムの「ソラリスの陽のもとに」は海に知性があるという世界を描いている。心とは知性であり、真心であり、思いやりである。精神的なものすべてが含まれている。ソラリスの海には精神があるのだ。
生命と非生命の間はどこにあり、どこから知性となるのだろう。猿人が骨を投げ上げたときには、知性はほとんどなかったが、モノリスを月に発見したあたりでは、人類は知性を発展させている。われわれはもっと進化しなければならない。未来のいつか、超知性が生命ともAIともわからない状態で出現しているのかもしれない。その一つがオーバーロードであり、さらにはオーバーマインドだと思われる。これはクラークが考えた言葉であり、〈上帝〉とか〈上霊〉と訳されている。あれこれ考えても難しいことはわからない。しかし、時には難しいことも考えなければいけないのだ。
2019年はどうゆう一年になるのだろう。ますます混沌とした世の中になって行くような気がする。
(2019・1・14)
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