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2019年5月

No.453(Web版103号)4

はるこん 2019アフターレポート

by 渡辺ユリア

 4月13日(土)〜14日(日)に川崎市国際交流センターにて催されました。GOHは海外、ラヴィ・ティドハー氏、国内はマンガ家の久正人(ひさ まさと)氏でした。私は、13日の「ローカルコンとファンダム」の分科会に、14日は「嶋田洋一、アニメを語る」の分科会に出席しました。「ローカルコン…」のほうでは、東京創元社の小浜さん方が司会でした。ローカルコンのいろいろな話を聞きました。そしてそもそもSF大会に参加したきっかけなど…(出席者の)も貴重な話も聞けました。嶋田さんの分科会では、アニメのリストがペーパーに印さつされており、楽しかったです、
 では。        2019.yullia 4.18

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No.453(Web版103号)3

SF essay(272回)

川瀬広保

 もう5月だ。5月と言えば浜松まつり。御殿屋台の引き回し。薫風香る一番いい季節だ。SFとしては、どんな新作が書かれ、復刊されるか期待している。

 先日、ボランティアで浜松城へ行った。テキサスから来たアメリカ人が来たので、話をしたら、この浜松城へはもう何回も来ているそうだ。しかももっと詳しいことを知りたいようなことを言われた。神社、仏閣、城などの日本の文化・歴史に興味を持っている外国人が最近多くなっているようだ。具足などに興味があるらしい。日本文化をもっと世界に発信していけばいいと思った。歴史的な詳しいことを英語で理解してもらうことはなかなか難しい。
 また、逆にタイ人女性と話したときは、徳川家康は一休さんのような人ですかと言われた。一休さんはお坊さんで、思わずJapanese priestだから全く違うと答えたのだが、わかってもらえただろうか。どうやらアニメなどで伝わっているらしい。日本の歴史をもっと正しく伝えたいものだと思った。中学校の英語の教科書は日本文化を発信するのに役に立つ文章が多い。

 さて、最新のニュースによると、小惑星「リュウグウ」には水があったそうだ。水があれば、やがて生命が発生するというのは、急ぎすぎだろうか。これから生命が発生するか、すでに発生していたけれども、今はいないなどと想像力はふくらむ。

 貴景勝の勝敗に一喜一憂する。野球には関心がないが、イチローの引退のニュースで球場の観衆が全員立ち上がって、イチローを見ている画面には感動を覚えた。

 さて、ニュースによると、日本の大学で〈名前を呼んでもそっけないそぶりを見せることの多い、ネコ。実は、自分の名前と他の単語を聞き分けているとする研究結果がまとまった〉そうです。〈ただし、名前という概念を理解しているかまでは分からないということです。〉

 こうした最新ニュースに接して名前を呼んでも返事をしないときがあるのは人間でも同じ。「ご飯だよ!」と声かけられれば、お腹が空いていれば、「はーい」と返事をするでしょう。〈名前という概念を理解しているか〉は難しい。人間は本人の意思に関係なく、生まれたときに、名前を付けられ、親が呼び続けると、自分の名前というものを意識するのだ。

 うちの猫は「おいで、◯◯ちゃん」と言えばついてくるから、意識をしているように見える。しかし、用がないと思えば、名前を呼んでも、顔も見ない。

 いずれにしても、最近身近な猫についてのこれだけ興味あるニュースに接したのは珍しい。ぜひ研究し続けてほしい。
 猫と言えば、ハインラインの「夏への扉」のほとんど主人公と言ってもいい雄猫ピートがSFファンには有名だ。ハインラインは実に生き生きとこの本の中で、猫の様子を描いている。その献辞は「す べ て のaelurophile(病的に猫好き)に捧げる」とある。
 夏目漱石はまだ名前のない猫の様子を実に生き生きと描いている。名前という概念を理解しているかどうかわからないというが、きっと、いやたぶん自分の名前をわかっているのだろうと思いたい。

 「SFが読みたい 2019年」によると、伊藤典夫さんの本がそのうち出ると書かれている。〈SFスキャナー〉などを含めた膨大なものになるらしい。たとえ分厚いものになってもファンとしては、出版が実現することを望んでいる。伊藤典夫という名前はSFマガジンで古くから、私の場合、53号から知り始めたビッグ・ネームである。海外SFを紹介していた「SFスキャナー」はよく読んだ。いつのころからか、その連載はなくなり、その名前はSFマガジンで一年に一度見られるかどうかになってしまった。この本の出版が実現するよう待っている。
 ブラックホールの撮影に初めて成功したというのが、最新の大きなニュースだ。現実がSFを追い越していくように思う。SFマインド、想像力などは、忘れないようにしたいものだ。
           (2019・4・14)

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No.453(Web版103号)2

怖い話

加藤弘一

産経新聞の記事を読むと支那でもネット小説が盛んに読まれているらしく、売れっこ作家の年収は1億を超えると言われている。
一番好まれている設定は主人公が過去にタイムスリップし現代の知識を利用してのしあがっていくパターンである。
例えば、清の時代に来てしまったキム(仮名)が支那の為、アメリカ、日本、ロシアと戦う話。
キムは最大の敵アメリカを倒す為、覚醒剤を作りアメリカに蔓延させる。
こうして、アメリカは弱体化しキムは莫大な資金を手にする。
さらにキムは未来にノーベル賞を受ける科学者をピックアップして誘拐し彼の為働くよう強制し従わない者は容赦なく殺してしまう。
そして、巨大な軍隊を造りだし敵を粉砕し遂に世界を征服してしまう。

だが、ちょっと待てよ・・・・麻薬を使ったり人をさらって殺したりと、これは主人公のやることではないぞ。
敵役のやることじゃあないか?
こんな極悪非道なやり方で天下を取っても日本いや世界でも批判されこそすれ、賛辞されることはないはずである。
しかしながら、支那での評価は上々で、「スカッとした」とか好意的な意見が多かったらしい。
何かオカシイ感じの一杯の話である。

日本でも未来を変えようという話はある。
「ジパング」ではタイムスリップした自衛艦みらいがアメリカと戦うが、敵も味方も被害を最小限に止め、決して非道なことはしなかった。

支那の歴史教科書は習主席を始めとする歴代の指導者により、阿片戦争で負けた事、義和団事件、日中戦争など国民にとり屈辱的な歴史ばかり強調されている。
この為、若者の間で異民族に対する憎しみの感情が親の世代と比べると極端に増長してしまっているので、このての小説に共感を持つ者が多くなってしまっているようだ。

こういう民族主義を煽るスローガンに浸った若者たちが、将来支那社会の担い手となったとき、どんな国家となるのかとても心配である。

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No.453(Web版103号)1

ルーナティック32号の原稿募集のお知らせ

 

ルーナティック31号の発行から時間が経ってしまいましたが、2020年夏発行予定のルーナティック32号の発行に向けての準備に入りたいと思います。
「どういった特集記事が良いのか、皆様の声をお聞かせください。」 と以前、ご意見を募集したところ
「アニソン(実写も含む)をテーマに 皆さんの好きなアニメを語ろうというのはどうですか?」 というご意見をいただきました。
近年公開されたSFアニメもかなりの数の作品がありますし、次号の特集はアニメ特集にしようと思います。
星雲賞の映像メディア部門で、アニメーション作品が何度も受賞し、また国内のSF作家が関わるアニメ作品も数多く製作されています。
SFアニメと言っても、人工知能や時間、宇宙を扱った作品や、異世界ファンタジー作品まで幅広く製作されています。
また、コンピューターグラフィックスのアニメーションもすっかり定着し、テレビの科学ドキュメンタリー番組でも高度なCGアニメ多用され、映画でもCGが多用されるのが珍しくない状況になりました。アニソンも国内外のアーティストの作品が使われています。アニソンを語るのもいいですし、それ以外のアニメーションの記事、感想でも構いません。
解釈や分析をめぐり、論争をよんでいる近年の作品の感想や、過去の名作作品の記事でも構いません。皆様の原稿をお待ちしています。


もちろん、特集以外の創作、評論、翻訳等の原稿も広く募集いたします。
長い原稿を予定されている方は、事前に内容やおおよその分量を、PM編集部に連絡していただけるとありがたいです。
締め切りは来年の春、3月末くらいを考えています。来年の夏あたりの発行を目標にしています。
原稿の宛先はPM編集部かメールで
cbf06066.cap.y@nifty.com
 まで。

***************************************(ルーナティック32号編集部)

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