No.454(Web版104号)1
「ラブ、デス + ロボット(LOVE,DEATH&ROBOTS)」のことなど
中嶋康年
先月の PM にて次号の「ルナティック」はアニメ特集だと発表されたばかりで恐縮だが、 先月と今月の表紙となったアニメ作品について少々。さて、今月の表紙は NETFLIX で配信中の「ラブ、デス + ロボット(LOVE,DEATH&ROBOTS)」である。「愛 」「死」「ロボット」 をテーマにした 15 分くらいのアニメーションのアンソロジーだが、今年の SF マガジン 6 月号にも紹介されたとおり、ケン・リュウ、アレステア・レナルズ、ジョン・スコルジー、ジョー・R・ランズデールなどの原作をアニメ化したもので、各編、粒揃いの傑作。アニメとひとくちで言っても、全部がコンピュータアニメではあるが、従来のアニメ風あり、「トイストーリー」風の人形アニメあり、実写と見紛うばかりの CG ありで、まさにすべてのアニメーションの可能性の見本市。ある種、アニメの到達点のひとつといえるかもしれない。 ケン・リュウ原作作品は第 8 話「グッド・ハンティング」。第 14 話「ジーマ・ブルー」はアレステア・レナルズ原作で、ジーマ・ブルーと称される独特の「青 」を使い世界的な芸術家となったジーマ。最後の作品を発表するとして招待された評論家、ジャーナリストの前で語られた衝撃の真実、など全 18 話。
先月号のは「どろろ」の再びのアニメ化作品で、アマゾンプライムにて配信中。現時点では最終話まで配信されていないので断言はできないが、ストーリーは一部原作にない部分も書かれているものの、かなり原作に忠実。しかし、絵柄はご覧の通り、手塚味はほとんどない。
そのほかには、「ケムリクサ」「フェアリーゴーン」「 鬼滅の刃」などが面白い。
hulu では、2 月号の表紙に採用した「転生したらスライムだった件」「JOJO の奇妙な冒険 黄金の風」「僕のヒーローアカデミア」「ガーリーエアフォース」などを見ている。スペインのドラマ「ロックアップ スペイン女子刑務所」がおもしろいが、こういう英語以外の ドラマシリーズは NETFLIX の方が得意で、スペイン語関係では、スペインの「ペーパーハウス」「 エリート 」「この場所からもう一度」「嵐の中で」メキシコからはアカデミー賞外国語映画賞の「ROMA」ドラマで「インゴベルナブレ」「デーモンハンター」珍しいところではコロンビアから「魔女はなかなかやめられない」がある。中国からは、クチコミですごいというので見た「流転の地球」。7 月に翻訳が出るという超話題作「三体」の劉慈欣の原作で、さすがにすごいです。ケン・リュウを始めとして、この劉慈欣や、郝景芳など、今年は中国SFが大挙して押し寄せてきます。
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