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2019年7月

No.455(Web版105号)3

SF essay(274回)

川瀬広保

 テレビは真夏日だと言っている。あれだけ寒かったのに、天候は変わっていく。年金は先細るから、自助を促せという新聞の見出しが躍っている。やれ非常勤だ、臨時だ、アルバイトだといろいろあるが、すべて若者向けだ。みんな歳をとるのに・・・。

 まだ、5月だというのに猛暑だ。真夏日だ。トランプ大統領の大相撲観戦で国技館の警備が大変だ。朝の山という名前も知らなかった力士が優勝して、予測がつかなかった。

 さて、SFの話題はなかなか見つからない。SFと結びつくものは天文、星、未来、過去、永遠など人間の想像力だ。現実は、仕事がうまくいかなかったり、身体が痛かったりといろいろある。そこで、人は想像をして楽しむ。それが、現実化するのだ。AIもそうだし、自動運転もそうだ。

 ハヤカワSF文庫から「伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触」が出たので、早速買ってきた。
 伊藤典夫さんに昔、会ったことがある。浜松出身だし、関心があった。その伊藤さんが訳したなつかしい作家の名前がたくさん出てくる。「最初の接触」はマレイ・ラインスターの作品で、人類が異星人と最初に遭遇して、接触したときに、どんなことになるであろうかというSF作家を刺激するテーマを扱った作品である。また、ジョン・ウィンダム、ジェイムス・ブリッシュなど、懐かしい名前が多く見られる。
 昔、矢野徹さんが日本SF界の翻訳者を評して、「浅倉神(かみ)に伊藤仏(ぼとけ)」と言ったことがあるが、その「伊藤仏」が訳したものを厳選したものが本書である。

 「最初の接触」はファースト・コンタクトテーマの傑作と言えるもので、伊藤さんの前書きによると、これをしのぐ作品はあらわれていないということである。この作品では、異星人は地球人と似ていて、性は二つあり、冗談もわかることになっているらしい。
 異星人との遭遇は、SF作家の想像力を刺激するものだ。ウェルズの「タイムマシン」の80万年後のエロイ族やモーロック族、クラークの「宇宙のランデブー」などの傑作が思い浮かぶが、われわれはいつか異星人と遭遇するのだろうか。
 相当熱心であらゆる傾向のSFを読んでいるファンならともかく、そうでないとしたら、こういう傑作集はありがたい。ゆっくりと味わいながら読むとしよう。「ボロゴーブはミムジー」も忘れないようにしよう。第3作を期待したい。

 さて、だいぶ暑くなってきた。季節は間違いなく、進む。SFを読んだり、SFについて書くのを忘れないようにしたいものだ。
(2019年 令和元年6月16日)







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No.455(Web版105号)2

今年の星雲賞(コミック部門)の候補作品についてあれこれ

by 渡辺ユリア

『ひとりぼっちの地球侵略』小川麻衣子 全15巻 ゲッサン少年サンデーコミックス 小学館・・・絵柄は割と好みであり、主人公の男の子は高1になったばかり・・という情況で読んでみると・・・テンポ良くて、すっかりコミックスの半分を読んでしまいました。家族の結びつきとか、人が人のことを気にかけている・・ちか、次はどうなるかとか気になりますね。では
            2019.6.19 yullia

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No.455(Web版105号)1

ルーナティック32号 アニメ特集について

アニメ特集ということで、今の状況を少し考えてみました。
今年の日本の映画界は大作のSFアニメが目白押しですが、それと同時に様々な昨今の動きがありました。
以前、SFマガジンでもボーカロイドの特集がありましたが、その技術の流れ、というと強引な気もしますが、バーチャルユーチューバーの隆盛というものがあります。
圧倒的な数の人間が、自分の肉体、容姿を好きな絵に変えてしまって仮想現実内の空間(というか、ディスプレイ上ですが)で他者とコミニュケーションを・・・というと某東欧SF作家の近年映画化もされた某作品を思い出します。
コングレス未来会議のタイトルで映画化されたのですが、この映画のビジュアルには特徴があって、日本人のアニメーターがほとんど参加していないように見えます。絵柄は個性的ではありますが一昔前の感性の古典的なアニメーションです。
うって変わって、日本で流行りのバーチャルユーチューバー、今風の絵柄が圧倒的に多く、コングレスとは印象がかなり違います。
状況は似ているのに、どうしてこうも違うのか?
コングレスでは自分らしく個性的に、というコンセプトで自分の絵柄が(まあ、映画ですからデザイナーが)決められているのでしょうが、バーチャルユーチューバーは、人からどう見られるか?が主眼。自分の個性の発露というより、客にどう見られるか?
したがって、思いっきり奇異なスタイルは少数となり、見栄えがいいのが優先される。
これは個性的と言えるのか?そもそも個性的とは?オリジナリティとは?
他者との差異と、他者からの好意、バランスと、インパクトと
まだ始まったばかりの文化ですが(一部でオワコンとも言われて・・)考えてみると、奥深いものがあります

もちろん、特集以外の創作、評論、翻訳等の原稿も広く募集いたします。
長い原稿を予定されている方は、事前に内容やおおよその分量を、PM編集部に連絡していただけるとありがたいです。
締め切りは来年の春、3月末くらいを考えています。来年の夏あたりの発行を目標にしています。
原稿の宛先はPM編集部かメールで
cbf06066.cap.y@nifty.com まで。・・・(ルーナティック32号編集部)

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