No.461(Web版111号)1
My BESTS 2019
中嶋 康年
1「ラブ・デス&ロボッツ」NETFLIX
PM454(6月号)に書いたとおり、NETFLIXで配信中の「愛」「死」「ロボット」をテーマにした15分くらいのアニメーションのアンソロジーである。アニメーションの可能性の見本市のようで、ある種、アニメの到達点のひとつといえるかもしれない。
2「ザ・ボーイズ」Amazon Prime
こちらはアマゾンプライムにて配信中のアマゾンオリジナル・ドラマ。スーパーマン、ワンダーウーマンなどに似た7人のスーパーヒーローチームが一企業に雇われて活躍しているのだが、こいつらが裏へ回ると悪いやつらだらけで、このチームに参加することになった新人のスターライトと共に彼らに対抗する普通の能力しか持たない男たちのドラマ。
3「接触」クレア・ノース
肌と肌を触れるだけで相手の身体に乗り移ることができるケプラーは、ある日突然殺されるが、死ぬ直前に他人の身体に乗り移り、自分が殺された謎を追う。「ハリー・オーガスト15回目の人生」で好評を博した作者の第2作目。昨年、「ホープは突然現れる」という誰の記憶にも残らない、会ってもすぐに忘れられてしまう女性を描いた第3作もよかったが、面白さで言ったら、こっちかな。
4「天冥の標」小川一水
10巻17冊、10年をかけて完結したシリーズで、長すぎて今年の作品という感じはないが。映画の話だが、「アベンジャーズ」「Xメン」「スターウォーズ」など、僕が追いかけていた長年続いたシリーズがバタバタと完結した年であった。
5「銀河核へ」ベッキー・チェンバーズ
超光速航行用のトンネルを建造する多種族混成クルーの中古船に新人乗組員ローズマリーが入って引き起こされる冒険。このわけありの新人の目線から描かれる、わりとオーソドックスなSF。
6「スパイダーマン :スパイダーバース」(映画)
多元宇宙、マルチユニバースに存在する多種多様なスパイダーマンが一堂に会するアニメ。多種多様なのはキャラクターだけではなく、3DCG、コミック、カトゥーンと多様な表現手法をひとつの画面に集約している。原作としてコミックがあるが、ストーリーは別物。
7「三体」劉慈欣
やはりこれを入れねばなるまい。昨年一番の話題作ではなかったかと思う。それにしては、順位が低いか。3部作のうちの第1作ということで、話としては始まったばかりという感じ。
8「彼方のアストラ」Amazon Prime
TVのほかに配信先は数々あるが、僕はAmazonで見た。一部ネット民の間で何かと話題になったそうだが、これは好きなタイプのSF。どんでん返しというより、次々と明らかにされる衝撃の真実といった感じで、次回が楽しみなアニメだった。
9「終焉の日」ビクトル・デル・アルボル
スペイン内戦後から現代(と言っても1980年だが)まで続くフランコ派の旧体制につながる復讐が絡むミステリ。この時代だけで完結する物語が多い中で、現代までつながる話はあまりない。原題はLa triteza del samurái。「武士の悲しみ」という意味だが、これは日本刀の銘で、この物語に深く関わる少年が父親から贈られたもの。
10「アベンジャーズ・エンドゲーム」映画
「アベンジャーズ」シリーズのみならず、「アイアンマン(2008)」から始まるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のフェーズ1(全22作)完結作。また、映画だけでなく、「エージェント・カーター」などドラマにしか出演していなかったキャラクターまで出演していたほどの集大成。同じマーベルでありながら、権利を持つ会社が違うため、このグループに属していなかった「Xメン」シリーズも昨年の完結だったが、いまひとつ乗り切れなかったところがあった。どうして「フェニックス」の語り直しをするかな。
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その他、印象に残った作品(順不同)
滑らかな世界とその敵、神を統べる者、ホープは突然現れる、ハイウィング・ストロール、20世紀ラテンアメリカ短編選、チェコSF短編小説集、生まれ変わり、シンギュラリティ・トラップ(以上、書籍)
流転の地球。どろろ、鬼滅の刃、炎炎の消防隊。DR.STONE、転生したらスライムだった件、スパイダーマン :ファー・フロム・ホーム、アンブレラ・アカデミー(以上映像作品)
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