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2020年6月

No.465(Web版115号)4

 ウイルスとビールス

 加藤弘一

家族で飲み屋に入った時の事。部屋の壁にこう書いてあった。
「VPは完璧です。」
で、これは何かと細かくみるアルファベットでvirus protectと書いてあった。
すると、奥方が「ウイルスプロテクトよ。英語ではvをウイと読むのよ。」
と、言うのではっと思い出した。
ローダンシリーズに出てきた無数のマイクロマシンが集合した超AI的存在を「ビールスインペリウム」と呼んでいた事を。
日本では昔ウィルスではなくビールスと呼んでいたような気がする。
国別に言い方を見てみるとドイツ・イタリア語ヴィールス、スペイン語ビールス、英語ヴァイラス(ここで奥方の話は間違いだと判った)、ラテン語ウィルスとなる。
明治に西洋医学を導入した時、ドイツからとなり、その時にビールスと呼ぶようになったとみられる。
それが、ラテン語のウィルスになったのは、共通語的な認識があった為に変わったのではないかと言うことらしい。
こんなことをつらつら考えるのも、とある所からウィルスが世界的に広まって多くの感染者と死者を出していて、その出所をめぐって大国が言い争いをしているからである。
とある所の国は独裁の為、隠蔽行為を行い結果世界中に災いが広がった。
従って、これはもう武漢肺炎‥‥とある所の国が文句を言うなら分かりにくいように片仮名にしてブカンビールスと呼称すればよいのではないかと思う。
それにしても、不思議な病である。
発生源のとある所の国を除けば、東洋人以外のヨーロッパ系の人々の罹患、死亡率が非常に高く、まるで狙い撃ちをしたかのようである。
ここで妄想をすることにする。
人類の種が生まれた頃、クロマニオンとネアンデルタールと言う霊長類がいた。
しかし、クロマニオンの方が生存適応性があり、ネアンデルタールは追いやられていった。
絶滅したと思われていたネアンデルタールではあったが現人類の遺伝子にその因子が入っている事が近年わかってきた。
つまり、滅びたのではなく共存し一つになったのだ。
そして特にこの因子が多いのは東洋人だと言われている。(胴長短足?)
最初の武官肺炎は人類等しく罹患するタイプであったが、研究所で改良型され、イタリアで拡散されたL型はクロマニオンを狙い撃ちしたものだった。
ネアンデルタールの因子を持つものはL型に対して強い免疫力を示すのだ。
こうして、滅びの道を歩んだかに見えたネアンデルタールは復活の道を開いたのであった。
何て言う話でした。

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No.465(Web版115号)3

 SF essay(284回)

 川瀬広保

 朝日新聞の朝刊(5月11日)にコロナウィルスの世界中の蔓延に関連して、小松左京の「復活の日」を大きく取り上げて、記事にしていた。小松左京は、50年も前に未来を予見していたのだ。こういうことがいつか起こるということを。考えたことはすべて起こりうる。

 さて、SFマガジン6月号がなかなか発売にならない。今までこういうことはなかった。SFMは福島正美が創刊して最初の3号続けばいいと思っていたらしいが、その後ずっと続いてきた。最近になって、隔月刊になった時は、心底びっくりした。それでも偶数月の25日には発売され続けた。値段はその分上がったが、私は購入し続けた。早川書房のホームページにはコロナウィルスのために編集委員が在宅勤務を強いられていて、編集が進まないまたはできないらしい。コロナウィルスはわれわれの生活のどこにまでも侵入してくる。
 SFマガジンに限らず他の出版物や雑誌などにも影響があるようだ。歴史のあるSFマガジンが廃刊にならないよう切に願っている。

 コロナウィルスは、教育界にも大きな影響を及ぼしている。新学期を9月にしようとか分散登校とかオンライン授業とかあれこれ言われている。小1と小6、中1と中3のみが登校するなど大変である。生徒の学力は確実に落ちると思う。たとえ猛暑の8月などに授業をやったとしても。そうならないように教育界あるいはそれぞれの学校は懸命である。コロナはどこまでもわれわれの生活の奥にまで入り込んでくる。
スペイン風邪の時は、世界で5000万人とも1億人ともいわれる人が死亡したと言う。その中に私の母方の祖父母がいた。よく母から聞かされていた。母は別の人に育てられた。私はよくわかっていなかったが、コロナが蔓延し、歳もとって来た今、その大変さが少しわかるような気がする。他にも、そのような境遇の方はいただろう。

 さて、ウェルズの「宇宙戦争」の出だしの部分では「まるで水滴下でうごめく微生物のよう」と火星人がわれわれ地球人を観察していた模様を描いている。コロナから見れば、われわれ人間はやれ3密だ、マスク着用だ、手洗いだ、自粛だとおろおろとうごめく人間かもしれない。その火星人も地球のウィルスにやられて、地球征服は成らなかったのである。

遥か数億年の未来、ダイアスパーという永遠の都市を築いた未来の人類は、あらゆる病気や戦争やいさかいを克服し、芸術にのみ時間を使っていたというくだりが、クラークの「都市と星」の中にある。永遠に午後2時の日差しが照り、働くなど不要になった世界である。もちろん微生物やウィルスに悩まされることもないのだ。
 クラークはオピティミストだった。悲観に走ることはなかったらしい。クラークが生きていれば、このコロナに蔓延された世界について、何て言っただろうなどと考えてしまう。

 どうやらコロナと共存していくしかないらしい。最初に書いたようにSFマガジンがまさか廃刊になどならないよう願うばかりだ。
 では、今月はこの辺で。次回はもう少し、コロナが収束していますように、オプティミスティックに考えていきたい。
(2020・5・16)

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No.465(Web版115号)2

 「アメコミドラマシリーズ」のことなど

 中嶋康年

 最近、アメコミ原作のドラマシリーズについて話していて気付いたのだが、少し前まではマーベル全盛だったのだが、このごろはDC系列が増えてきている。「エージェント・オブ・シールド」、「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアン・フィスト」の「ディフェンダーズ」グループ、X-MENのスピンオフ「レギオン」「ザ・ギフテッド」「ランナウェイズ」「インヒューマンズ」「エージェント・カーター」「クローク&ダガー」など目白押しだったが、今ではシリーズが終了してしまったか、新シリーズが始まっていても日本では見られない状態が続いている。マーベル独自の配信システムといえる「ディズニープラス」が始まるにあたって、既存のNETFLIXなどからマーベル作品を一斉に引き上げるなどのうわさも聞かれるので、そのせいもあるかもしれない。
 それに対して、DCでは「スーパーガール」「フラッシュ」「アロー」と、この三者がクロスオーバーする「レジェンド・オブ・トゥモロー」(特にこの3作は「アローバーズ」と呼ばれ、一つの世界観を構成している)、若きブルース・ウェインを描く「ゴッサム」単独系の黒人ヒーロー「ブラックライトニング」ロビン、ワンダーガール、キッド・フラッシュなどサイドキックたちが集結する「タイタンズ」などが配信中だ。サイドキックに限らず、いろいろなキャラクターが出てくるのが面白い。最近見たエピソードでは、スーパーマンとレックス・ルーサーのクローンなんてのも出てきた。この「タイタンズ」の原作コミックは「Teen TITANS」で、1987年の「ペーパームーン」で私が紹介している。なんとも昔の作品をドラマ化したものだ。ことほど左様に、DC系統は「スーパーマン&バットマン」の二大巨頭とその派生キャラクターに頼り切っている。マーベル系統の方がキャラクターに多様性がある。
 と、ここまで書いてきたが、見ている方からすればマーベルがどうの、DCがどうのなんてのはどうでもよく、ただ面白い話を見せてくれればそれでいいのである。

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No.465(Web版115号)1

 とても私事が多いSFエッセイ

by 渡辺 ユリア

 皆様、お元気ですか?緊急事態宣言が全国的に発令され、自宅にいる事が多くなっています。食料などの買出しと午後からのパート(平日)には以前と変わらず行っています。けれど土、日、そしてGW中はどうしようか・・と考えています。リラックスできる事を想像しました。例えば音楽を聴く事。歌ったり楽器に触れる事、例えばかわいい動物の映像や写真を見る事。丁度4月25日の夜のTVで偶然子犬がやってきた場面があったのですね。子犬ってかわいいです。出演者の方々は子犬をだっこしたり、話しかけたりしてリラックスされてました。それを見ている私は「子犬はいいなー」と思いました。我が家には犬も猫もいません。でも将来子犬を飼ってみたい・・と思いました。
 ところでSFらしくないので話題を変えます。一ヶ月以上前にNHKのETVで月曜の夜 “100分で名著〜アーサー・C・クラーク特集” が放映されました。第1回が “太陽系最後の日” 第2回が “幼年期の終わり” 第3回が “都市と星” そして第4回が “楽園の泉” でした。私は書店にいきましたが、クラーク作品では “楽園の泉” と “2001年宇宙の旅” だけが置いてあったので1冊ずつ買いました。まだ “楽園の泉” の途中までしか読んでいません。でも、SF初心者にとって、こういった “100分で名著” のような番組は良い事であると思っています。こういったきっかけでSF小説に興味をもってもらうと良いのです。
 またまた話は変わってSFではなく、日本の歴史ものの事です。それもTV番組。皆さん、NHKの大河ドラマ “麒麟が来る” を見てらっしゃいますか?戦国時代の明智光秀が主役の番組。実は光秀と織田信長と竹千代(幼い頃の徳川家康)が信長の居城、那古野城で会っているのです。竹千代はおそらく5才か6才の頃でしょう。今川義元のところに人質として出発する前に那古野城にやって来たのです。実は私の実家は岐阜県の中濃の八百津町です。その隣の市が可児市です。明智城址があります。 “麒麟が来る” の第1話の終わりの “光秀紀行” で見たことのある場所(明智城址)が映っていたのには驚きました。その近くには花フェスタ記念公園があり、公園内に大河ドラマ館もあります。少し光秀さんを身近に感じています。
 では、この辺で
                       2020.4.26 yullia

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