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2020年7月

No.466(Web版116号)1

ルーナティック32号 アニメ特集について 6


6月末を最終締め切りとして、原稿を再募集しました。おかげさまで大変多くの原稿を送っていただき、32号は無事発行できそうです。締め切りが伸びた事と、多くの原稿の整理で、発行は若干遅れるかもしれませんが、しばらくお待ちください。

2020年春期のアニメも最終回を迎えましたが、話題になった作品のひとつに「波よ聞いてくれ」というラジオ関係の世界を描いたものがありました。(以後、ネタバレあり)
舞台は札幌市で、主人公はスープカレー屋で働いていますが、ひょんな事から、週1深夜のFMラジオパーソナリティーを任されます。
その番組は、ゲリラ的というか、無茶苦茶な内容で、放送事故スレスレどころか、わざと放送事故を装った番組内容で、話題を集めようとします。ラジオ本番中に主人公が金を持ち逃げされた恋人を必ず探し出して殺すと脅したり、その恋人を殺したと主人公が告白する話が、何故かオーソン・ウェルズのマーキュリー劇場「宇宙戦争」になったり、その恋人の死体を富士の樹海に埋めにきたはずが、どうしてなのか、地下世界の超存在と対面したり、など。
でも悪いことは出来ないもので、そんな放送ばかりをしていた深夜の本番中に、札幌を巨大地震が襲います。被害は甚大で、札幌郊外の住宅地が見る見る破壊されてゆきます。札幌市内どころか、被害は北海道全土に渡り、全道内が停電します。それを知った主人公が叫びます。「道民にとって道内とは世界そのもの!その道内が真っ暗になったら世界の終わりだよ!!」
よく、ご当地アニメと称して、特定の地域を舞台にしたアニメ作品がありますが、この作品も、そういう作品の一つだと思って観ていましたが、この台詞でちょっと考えさせられました。
北海道は独立性が強い地域、というより、北海道というある意味閉じた世界という事でしょうか。他の「地域」とはニュアンスが違う「世界」。広大な北海道という、「世界」と称しても違和感のない広さが、一種の疑似的な並行世界感を醸し出していたのかもしれません。
夏アニメが始まるシーズンになりました。どんな作品が始まるのか楽しみです。
                 (ルーナティック32号編集部)

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