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2020年8月

No.467(Web版117号)2

 SF essay(286回)

 川瀬広保

 一年の前半が終わって、2月ぐらいまではコロナのことは何も言っていなかったが、そのあとはコロナの話題は一日たりとも忘れられることはなかった。トランプさんもやっとマスクをつけたと言うし、世界中の人がマスクをつけている。世界は目に見えないウィルスであっという間に変わってしまった。
 医療、経済、教育、企業、会社等々のあらゆるところにコロナは入り込む。われわれができることは神仏に祈ることだけなのか。世の中には、専門家が必ずある。コロナの専門家はいなくても、感染症の専門家は朝からあれこれあれこれしゃべっている。正反対のことを言う人もいる。コロナ は目に見えないということだけは言える。国は都にもっとしっかりやるように、都はもうこれは国の問題だとのやんわりと応酬である。言われたように庶民は自粛である。

 さて、東京創元社からブラウン全集の第3巻が出た。ブラウンは私の好きなSF作家のベスト10には必ず入る。話がうまいのである。ミステリでもSFでも何でもこなす。シリアスなストーリーも多い。ブラウンを好きな人は多いのではないだろうか。今まで全集がなかったのが不思議なくらいだ。
 私の場合、ベスト10のSF作家はクラーク、ハインライン、アシモフ、ディック、シマック、星、小松と行って、ブラウンが入る。シマックは残念ながら、古くなってしまったが、ブラウンが古くなることはない。「未来世界から来た男」「最後の火星人」など有名な作品が載っている。
 
 さて、コロナに戻ろう。近所の神社に「疫病終息祈願」という旗がかけられている。神社庁から配布されたようだ。われわれができることは神頼みである。昔もそうだったようだ。神様を信じる人は、いろいろな感染防止策を守ろうとするだろう。あまりそうでない人は県外へ出歩いて、感染してしまう。

 さて、go to トラベルのニュースがかまびすしい。イートもあるし、経済と感染しないようにするのはもはや不可能ではないだろうか。それでも仕事へ行かなければいけない。そういう人も多い。自粛にも限界がある。

 五島勉氏が亡くなった。90歳だったという。ノストラダムスの大予言シリーズはよく読んだ。半分信じながら、半分は信じないで、1999年7月は過ぎた。これらの本のどこかに書いてあったように思うが、少しずれて2020年だか2023年に人類は滅亡する。だとすると、コロナが原因かもしれない。今日もどんどん感染者が増えている。減っているというニュースはどこにもない。

 コロナの話題は簡単には終わらない。静岡県も数が確実に増えている。
この辺で。
(2020・7・23)

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No.467(Web版117号)1

 日に日に拡大する新型コロナウイルス

 中村達彦

 まさか去年の年末には、7か月後にこうなっているとは想像していなかった。
 2020年は良い年になると予想していたが。
 現在世界を席巻している新型コロナウイルスである。
 最初に中国武漢でその第一報が流れた時、誰もがこれまでのウイルス同様、2、3ヶ月で収まると思っていたであろう。
 しかし日に日に被害は拡大するばかりで、世界でも、日本でも感染者や、死者がうなぎ上りに増加するようになった。
 朝も夜もそのニュースがトップを飾り、政府からの特別番組が流れることもある。
 7月、日本でも感染者が2万近く、死者は千人を越えようとしている。
 我々の生活にも、新型コロナウイルスの制約が降りかかっているに違いない。
 つい最近まで、外へ出かけると、伝染を防ぐため買い物や散歩でさえ制限され、仕事も、自宅から会社と電話で結びついたテレワークが増えている。
 各都道府県からの休業要請に伴い、映画館(公開目前、延期した映画も少なくない)や図書館などの施設、更に多くの店舗が閉ざされた。
 TVも、プロ野球や大相撲などのスポーツが延期され、ドラマやバラエティも次々にストップし、スタジオでの収録も控えられた。
 外では、人の姿はまばらになり、その多くがマスクをしているのが目につく。東京をはじめ都市圏では、これまで目まぐるしい人の流れが当たり前であったが、現在は、人の姿は信じられないほど少なくなった。
 現在も、世界で産業が低迷し、経済は悪化するばかり。
 交通機関も国内外の運用に支障が起こった。
 出版物にも影響が出ている。
 人が集まるイベントは中止を余儀無くされ、ご存知の通り。2020年最大のイベント、東京オリンピック、パラリンピックは来年に延期された。
 コミケをはじめ同人誌イベントは次々に中止となり、今年のSF大会はやらないかも。
 日本も、過去に疫病による被害を受け、ほぼ100年前にも世界で流行ったスペイン風邪が上陸し、大きな被害を受けている(ヨーロッパでは、古代よりペストが何度か発生し、大勢の死者を出している)。
 中国などは被害が収まりつつあるが、日本を含め、世界ではまだ続いており、日本より大きな被害を出している国もあるが、それぞれの対応を行っている。
 ウイルスは視認できず、空中を漂い、そっと人に感染し、発病するから厄介である。病院などで集団感染が相次いだ。
 更に感染拡大を恐れ、国内外で人々の間に差別などの問題を起こしている。
 混乱は続くばかり。
 現在も一部の規制は解除されず、どう過ごすか、困っている人もいるだろう。
 くどいが、昨年末には考えられなかった。正にSFで描かれた光景である。

 こうしたウイルスの脅威を描いた小説や映画は、過去に何度も作品になった。
 現在、ノーベル賞作家アルベール・カミュの「ペスト」が注目されている。
 アルジェリアの港町でペストが発生する。町の人々は次々に死に、様々な人が協力して難病に挑む。ペストが収まるまでの話である。人々の心情や病に対する理不尽さが細かく描かれており、新型コロナウイルスに通じる所が多いらしい。
 小松左京の「復活の日」も注目されている。
 1964年、皮肉にも東京オリンピックの年に書かれたSF小説だが、東西冷戦でスパイが持ち出した細菌兵器が事故で外に漏れ、やがて南極を除く世界全土に広がる。
 最初、中国や欧州で家畜の死や交通事故が起こり、やがてアメリカや日本でも風邪や急死があり、無視できないものに、春を過ぎ、夏には人類のほとんどが死滅する。
 南極にいた人々は生き残り、存続を図るのだが……。
 単なる風邪に思える脅威が、我々の日常にそっと侵入する恐ろしさが伝わってくる。
 と言っても56年前の小説で、今回の新型コロナウイルスと比べてみると、書かれていないことも多々あるが。
 他にも、高嶋哲夫の「首都感染」、小川一水の「天冥の標II 救世郡」がある。
 我々はどうやってこの時期を過ごせばいいのだろう?
 「良い」と言うまで、家に籠って、可能な限り他人との接触を断つ、現在はそれしかない。
 しかしやれることはある。
 溜まっている映像や書籍に目を通すとか、書けなかった原稿に手をつけるとか、時間はある。探せば見つかるはずだ。
 一笑に伏されるかもしれないが、時間があるこの時を逆に利用して頑張ってもらいたい。
 現在までに、日本内外で、新型コロナウイルスによる困難な状況下で、自分が出来ることをやっている人の話が聞こえてくる。
 悪意もあれば善意もある。物資やお金を寄付する他にも、医療関係者にエールを送ったり、ネットで人々に励ましのメッセージや音楽を伝えたり。
 「復活の日」でも、細菌兵器であるとウイルスに関する情報が、アマチュア無線の力で南極へもたらされ、後の伏線となる。
 新型コロナウイルスの感染がいつまで続くのか、わからないし、これから世界がどのように変わるかもわからないが、いつかは終わりが来る。
 その時に備えていこうではないか。

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No.466(Web版116号)3

 「幽霊船」と「空飛ぶゆうれい船」

 福田淳一

 「幽霊船」は、石ノ森章太郎が「トキワ荘」時代に描いた初期のSF作品で、『少年』(光文社)に1960年(昭和35年)7月号から1961年(昭和36年)8月号まで1年あまり連載された。
 この作品は、謎の幽霊船を巡り主人公の嵐山イサムが、空や海を舞台に大活躍する姿を描いている。その中で幽霊船が飛行したり、巨大ロボットのゴーレム0や、アトランティスの末裔の海底人、海底魔王ボアーが登場するなどのSF的な要素が満載であるが、当時はまだ “SF” という用語は一般的ではなく “痛快冒険まんが” や “痛快探偵まんが” と編集部でタイトルに付加されていた。
 この作品は、本編や単色の扉の原稿はほぼ残されているが、私は5枚のカラー扉の原画は見た事が無かった。その中で2回目の1960年8月号と4回目の10月号のカラー扉は、「まんだらけマンガ目録⑧」(1995年3月21日発行)にそれぞれ95000円と15万円で出品されていた。当然そのとき貴重な原画が散逸してはいけないと申し込みをしたが、見事に両方とも外れてしまった。この2点の原画は恐らく現在も、この時当選して購入した方が所有しているものと思われる。
 この「幽霊船」は、新書版の単行本が発行され始めた頃の1966年(昭和41年)、「ダイヤモンドコミックス」(コダマプレス社)から11月10日発行で初めて単行本化された。連載終了から5年後の事である。石ノ森は単行本化の際、広告等で空いていた部分に加筆することはあるが、その他の部分に手を加えることは少ない。しかしこの作品では、全体的に岩などに影の部分等を加筆し、作画の密度を上げて、よりメリハリのきいた見やすい画面に仕上げている。この頃は、新書版サイズの単行本が出だした頃で、単行本化の際は丁寧に加筆や修正をしていたのだ。

 なおこの「幽霊船」は、「空飛ぶゆうれい船」とタイトルを変更して1969年(昭和44年)7月20日に劇場公開されたアニメーションにより、多くの人に知られる作品となった。
 このアニメが制作された当時は、長編のフルアニメは時間と費用が係る事から、フルアニメとリミテッドアニメの中間的な、上映時間が1時間ほどの中編アニメとして「サイボーグ009」の一作目が制作された。それが大ヒットした事により、それが主流となってこの作品も制作されている。
 このアニメ版では、幽霊船長の仮面がドクロに変更され不気味感を盛り上げ、ゴーレム0の制作者である左巻博士や暗黒団の黒潮鳴人が登場しないなど、登場人物が変更されているのだが、全体的に原作を踏襲し、当時一番原作に近いアニメーションに仕上がっている。
 さらに、このアニメ版では宮崎駿が原画で参画していることにより戦闘シーンなどに迫力が増している。このようにして、「空飛ぶゆうれい船」は、多くのファンを持つ名作として名高いアニメになったのである。
 石ノ森章太郎は、この「幽霊船」の連載を1961年(昭和36年)8月号にて終了して間もなく、次々と「トキワ荘」から仲間が去っていくなか、このままマンガ家を続けるべきかといった悩みなどを抱え、まだ海外旅行が自由化されていない中、世界を一周するという旅行へと旅立って行くのである。

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No.466(Web版116号)2

 SF essay (285回)

 川瀬広保

 もう7月だ。もうじき七夕である。今年は7月に終業式を迎えるのであろうか。どうやらSFマガジンは続きそうでやれやれだ。一ヶ月遅れで6月号が出ました。
緊急特集「コロナ禍のいま」が載っていた。すぐ「てれぽーと」欄へ投稿した。SFマガジンが続いてよかったという内容である。

 以下、送った投稿文です。

 いつものように4月25日にSFマガジンが出るだろうとなにげなくハヤカワ・オンラインを見ていたら、SFマガジン発売延期と出ているではありませんか。コロナウィルスのために編集部員が在宅勤務をせざるを得なくなったのが理由と書かれてありました。
 私は53号から欠かさずSFマガジンを取り続けていますが、こんなことは初めてです。発売はいつになるだろうと気にしていました。まさかこれでSFマガジンは終わってしまうのではないだろうかなどと心配しました。
 しかし、今日5月25日に無事、SFマガジンを入手できました。SFマガジンは大げさでなく不滅です。これからも続きますようお願いします。
 「コロナ禍のいま」という緊急企画でいろいろな人がいろいろなことを書かれています。しばらく前に、SFマガジンが隔月刊になった時も、相当びっくりしました。今ではそれにも慣れてしまって、偶数月にSFマガジンを取り続けています。SFファンの楽しみはSFを読む、SFの新しい知識を知る、ファン活動をするなどだと思いますが、SFマガジンは新刊発売やSF作家の話題などの最新の話題を提供してくれます。
 日本で唯一のSF雑誌がコロナに負けないようにこれからも続いていきますようお願いします。

 コロナで家にいる事が多くなったので、映画を買ってきて見た。「インターステラ」というタイトルだ。宇宙で過酷な状況で人類を取るか、家族を取るかというテーマのようだ。結局家族を取ったということらしい。このような究極の設定というのがSFの魅力であり、また大変なところだ。コロナは社会の奥底まで入り込む。今までになかったことだ。人類がおごっているからだと言えないだろうか。人間は文明文化を発展・発達させてきたがまだ不十分だ。最近は、「ウィズ・コロナ」とか言い始めた。コロナとともにである。それまでは、コロナに打ち勝つとか戦うといった言い方だった。花火に想いを託すとか、神仏に祈るなどの方向へ向かっているかのようだ。
 コロナで英語を覚えた。social distance, alert, stay home, with corona などである。小学生も覚えていそうだ。

 コロナ以外では、暇なので、DVDで映画「アベンジャーズ」を買ってきて、見始めた。
まだ批評をするほどには見ていないので見終わったら、感想を書くとしよう。どうしても昔見た映画のブルーレイ版などに関心が行ってしまう。“They live…” とか “Space Vampire” “Soylent Green” などである。
 あまりまとまらないがこの辺にしよう。
(2020・6・10)

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