No.468(Web版118号)2
SF essay
川瀬広保
コロナは蔓延している。とうとう浜松にもクラスターが発生した。全国ニュースのほとんどトップにそのニュースが出ている。浜松城がライトアップだ。まず、黄色に、もっと感染者が多くなれば赤にするという。だが、我が家からは浜松城は見えない。見えたとしても、双眼鏡の大きなものでも持ってこなければ、黄色か赤かわからないだろう。アクトタワーの方がいいと思う。アクトは市が関係していないからだめなのだろう。
さて、先月にも書いたが、五島勉氏の「ノストラダムスの大予言」に1999年7月に人類は滅亡するということになっていたが、7月が過ぎ8月が過ぎても滅亡しなかった。だが、どこかに書いてあったように思うのだが、2020年または2023年にずれこんだのではないであろうか。そうだとするとこのコロナの蔓延がその予言だったのかもしれない。
人は予言が大好きだ。大相撲でどちらが勝つか、あなたの未来はどうなるか、みんなこの手の話は大好きである。未来には二つあって、一つは単純未来、もう一つは意思未来である。明日は金曜日だとか来年は2021年だというのは変えられない。だが、明日東京へ行くつもりだというのは、突然台風が来て、新幹線が止まるということがなければ行くのだろう。
コロナもみんながマスクをして、外出を自粛して、三密を避ければ、感染者数は減っていくのだろう。その辺は人類が滅亡しないための意思未来である。
It will be Friday tomorrow.
明日は金曜日です。
I will go to Tokyo tomorrow.
明日、東京へ行きます。または、
I won, t go to Tokyo anymore.
(コロナが収束するまでは)
東京へはもう行かない。
これは強い意思未来である。
前者は地球が太陽の周りを公転するのをやめたとか、自転もやめたということでもなければ、明日は金曜日である。変えられない。
後者は台風が来ようが、新幹線が止まらない限り、その人の意思で東京へ行くのである。
コロナもウィルスにかからないために、マスクをして、手洗いをして、密集を避ければ感染者数は減るのだろう。ただ、日本の多くの人は言われるようにしている。それでも、コロナは蔓延し、毎日がこのニュースである。ノストラダムスの予言が実はコロナだったとならないようにするために、未来は意志で変えられると信じたい。
ドラえもんも言っている。「未来は変わるからね」のび太が一生懸命勉強すればテストの点がアップし、成績もよくなる。ドラえもん頼みだと一時よくなってもすぐまた成績が下がり、居残りも多くなる。
意思によって未来は変わるという考えと、未来はもう決まっていて変えられないという考えもある。こんなことは家の猫を見ていると、人間だけしか考えないことだと思う。
さて、森東作さんから、例のSFファングループ資料研究会のデータベースのCDーRが送られて来た。いつものことながら、森さんの息の長いこうした活動には頭が下がる。SFはファンあってのことであって、ファン活動は昔からずっと続いてきたのだ。これからもぜひ続けてほしいと思っています。
(2020・8・1)
この「ペーパームーン」の創刊当時から、「SFエッセイ」を連載していた川瀬広保さんが、今月分の原稿を書き終えた8月5日に近所の神社にて倒れて入院し、緊急手術を受けました。
硬膜下血腫と脳挫傷により、長期入院になる見込みとの事です。
この「SFエッセイ」もこの原稿以降休載になります。今の所再開の予定は全く立っていません。
川瀬広保さんの一日も早い回復をお祈り申し上げます。 (福田)
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