No.476(Web版126号)1
「百万年後の世界」についてあれこれ
by 渡辺ユリア
「見えない生物バイトン」と同じシリーズの本です。翻訳は野田宏一郎さん(野田昌宏さん)。野田さんをいたむ会(SF大会でした)に行ってみると、この本が置いてありました。私が “この本を持っています。読みました” と言うと、となりの人が(どなただったか忘れましたが)「この本はね、野田さんいわく “原作はあまり面白くないので、青少年向きに面白く翻訳しましたよ” …と言っていたそうです。…それで私は最近読み返してみると、ミドルタウンの街と人々の描写がかなりくわしく書いてあるのです。若い子たちが興味を持ってもらうように‥と野田さんはおそらく工夫されていたのでしょうね。楽しかったのはまるで大きな熊のようなゴルホルの姿に人々は怖い‥と感じた場面で、小さな女の子がかけよって来て「くまちゃん、くまちゃん」と彼の足にだきついたシーンです。緊張感からときはなたれて、ほっとできました。そして私はラストのところが好きですね。主人公のピート(18才)が自分の心のままに、仲間と共に、ふたたび宇宙へと出発する場面が、印象的です。
では、この辺で。原作は「City at World's End」日本では「時果つるところ」という本です。
2021.4.22 yullia
| 固定リンク
コメント