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No.485(Web版135号)3

 

 異世界ゆるふわチート物伝説   新村佳三

1月から始まった深夜アニメに、奇妙な魅力を感じさせる作品がある。
「リアデイルの大地にて」という作品で、内容は、今流行りの異世界転移ゆるふわチート物。主人公が、かつて自分がプレイしていたゲーム世界に転移してしまい、チートな強さを利用して、ひとりで冒険するというもの。1話、2話あたりで、制作が不安定になるほど低予算で、演出、作画も、昭和アニメか?と思わせるほど、古臭い。
主人公視点のモノローグで話は進んでいく。知らない土地を訪ね歩くから、一種の、ロードムービー的な?低予算で、ロードムービー的、というと、思い出すのは星雲賞を取った、けものフレンズ。でも作風は全く違うように感じる。何が違うのだろう?
けものフレンズは、カメラの視点が監督目線で統一されている。物語の舞台であるジャパリパークで監督がカメラを回して二人の主人公の旅の様子を記録していく、というスタイル。
リアデイルはもっぱら主人公目線。物語は主人公のケーナが宿屋で目を覚ますところから始まる。やがて自分が異世界に転移した事に気がついて、この異世界がかつて自分がプレイしたゲームの200年後の世界だと知る。200年経って、自分の知っているゲームとはかなり変わってしまった世界を旅していく。ジャパリパークが、かつてアミューズメントだったモノの廃墟を旅していくのと、似ているといえば似ている。
話が進むにつれ、ケーナは自分が置かれた立場がシビアな事に気がついてくるが、とりあえず宿屋で寝込んで現実逃避する。心配しての周りのちょっかいには余計な事だと暴力で対応する。サバサバ系だ。基本一人で対応する系なので、会話も少なくモノローグ多く静かな展開だ。魔法力がチートで基礎体力もチートなので、ピンチというのは基本なく、安心して見ていられる。

最近、この手の異世界に転移して(しない場合もある)チート能力を持っていて、なぜかゆるふわ展開のアニメが多い。スライム300年とか。防御力全振りとか。どの作品も不思議と中毒性がある。
食堂ものアニメなど美味しい食材や料理で中毒性のあるグルメアニメを「フードポルノ」という向きもある。新海誠作品など、美しい魅力的な背景美術も、そのインパクトから「背景ポルノ」「アートポルノ」などと言われたりもする。
すると「異世界ゆるふわチートポルノ」というジャンルなのだろうか?見ていて気持ちよくて中毒性があり、頭を使わなくて良い。エンターテイメントというより、マッサージを受けている感じ。作品内容とは裏腹に退廃な気分にすらさせる。
20年後、30年後の老人ホームにはこんなのがエンドレスで流れているような気がする。世紀末感が。でも、悪い気はしない。恐ろしい
悪魔がささやく「こんなんで、ええんや、ええんやで・・」

 

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