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No.495(Web版145号)4

 2022年秋の深夜アニメ状況 

 新村佳三
 
夏にここ数年でもなかった程の素晴らしい作品が多数、放送・配信された深夜アニメでしたが・・
秋は夏をも上回る多くの名作アニメが現れて驚いています。
「SPY×FAMILY」「ポプテピピック」の2期や、「チェンソーマン」「うる星やつら」など、有名マンガのアニメ化や話題アニメの2期や名作アニメのリメイクなどがあるので当然かもしれませんが、それ以外の作品も話題になっています。
近未来の新潟県三条市を舞台にした高校生のD.I.Y.物語「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」や、機動戦士ガンダムシリーズの「水星の魔女」など、意欲作も多いのですが、意外なコメディ作品の2作品が注目されています。
「陰の実力者になりたくて!」と「ぼっち・ざ・ろっく!」です。
「陰の実力者になりたくて!」は、流行りの異世界転生もので、高校生が異世界に転生して活躍する物語ですが、タイトルのように陰の実力者になりたい主人公のドタバタコメディです。
普段は平凡な学生を演じながら、陰では秘密組織を率いて暗躍するという夢を実現するために日々奮闘する主人公は、ある意味滑稽で笑いを誘います。秘密組織の統率も仕方も、本人の美意識を最優先しているので大袈裟で大時代的です。無謀な夢の実現は大真面目にやると他人からは喜劇に見える好例でしょう。
「ぼっち・ざ・ろっく!」は、高校生のバンドもの。中学生の頃にギターを練習して上手くなった少女が、高校でバンドに参加して成長していく物語です。
少女は内気で人との距離の取り方もわからず、バンド内で右往左往しながら日々を過ごしていきます。ギターの腕は確かなのですが、他のメンバーと合わせての演奏は、あまり上手くいきません。自信をなくした少女は段ボール箱やゴミ箱や押し入れの中や机の下に引き篭もります。そんな少女を他のメンバーが励まして奮い立たせますが、うまくいく時と、そうでない時と、破綻する時があります。破綻すると、何故か実写シーンが多く、ポプテピピックを連想しますが、どこか昭和なテイストのポプテピピックと違って「ああ、令和のアニメだな」と思わせるセンスの良さは新人監督作品ならでは。
原作マンガも売れており、最新刊はアマゾン漫画売れ行きランキングで1位になりました。世界的にも人気があり、国際的なアニメ人気ランキングサイトでもトップ3くらいに上昇してきました。今後の活躍が期待されます。

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