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2023年1月

No.496(Web版146号)2

 2023年今年はどうなる?

 中村達彦

 明けましておめでとうございます。2023年ですね。
 年末はサッカーワールドカップ盛り上がった。意外な番狂わせ相次ぎ、日本は善戦したが、2022年は良い年では無かった。
 コロナは4年目で、なおも続いている。去年2月に起こったウクライナの戦争はおびただしい犠牲を出し続いている。
 のみならず日本でも物価高に。戦争の影響は世界に広がるばかり。
 中国や北朝鮮は軍拡を続け、見逃せない。
 日本海へ盛んにミサイルを発射する北朝鮮の脅威が増えている。今はミサイルが頭上を通過したり、日本海に落ちるばかりだが、そのうち……。
 国会では防衛費を増やし、ミサイルを防ごうと。否、ミサイルが発射される前に、こちらから相手の基地を叩こうとの声も。
 中国でもロシアでも、そしてアメリカでも反政府デモが続いている。民主党と共和党の選挙戦は互角、移民問題も。ドイツではクーデター未遂が、イギリスは1月で首相が替わった。どこの国も問題を抱えている。
 日本では、7月、選挙の遊説中に安倍元首相が、公の演説で狙撃されて亡くなり、続いて国葬や旧統一教会と自民党との親密さが問題になり、尾を引く。
 この銃撃事件が起きなければ、旧統一教会と自民党の長い関係は、明らかにならなかった。しかし罪は罪なので。そう言えば45年も昔の人気マンガのラストと銃撃事件が似ているとの声も。
 日本の景気は平成に入ってから30年以上も好転せず、出産率は低下し、高齢者は増えるばかり、海外労働者に依存する割合も増え続けている。
 更にロボット化も進む。この前、近所のチェーン店にランチを食べに行ったが、席に着くとタブレットで注文を頼み、少しすると料理が車型のロボットで運ばれて来た。
 日常でロボットの普及は、携帯電話同様これからも進んで行くだろう。30年前も携帯電話がここまで広まるとは思わなかった。
 日本はどうなるか?他国にはハイチのような無政府で治安が最悪な島国もあれば、サッカーで日本に勝ったコスタリカのような世界幸福度の高い国も。
 2002年、ニューヨークのテロについて、その前にSFでこう言う、高層ビルにハイジャックした飛行機で激突する話を書いたら、一笑に伏されるだろうと聞いた。
 ウクライナの戦争も、安倍元首相の銃撃もまさか起こらないだろうと思っていたことが起きてしまった。
 去年の今頃、PMで今年はどうなるか書いたが、こんなふうになるとは。
 戦争で世界のエネルギーに影響が出て、日本でも石油やガスではなく、東日本大震災で危険視された原子力発電が注目されている。
 石油やガスは、地球温暖化で控える方向に行っている筈だったが……。
 海洋汚染などプラスチックの問題もある。
 砂漠が増え、山火事は多発し、南北極の氷はどんどん溶けている。冬季オリンピックが不可能な国が増えているらしい。
 21年夏の東京でオリンピックをやったが、観客の入場がコロナでかなわなかった上に、大企業の不正が明らかになった。幻滅。サッカーワールドカップ開催地ドーハも、開催にあたって不正が明らかになったり、海外労働者が多く解雇されたり、亡くなったことも問題になった。
 嫌なことが相次ぐが、宇宙への関心、月や火星へ再び目が向けられている。
 気象予報や通信でも宇宙開発は、我々の生活に大きくなった。
 昨年末、日本で作った月着陸船が打ち上げられた。宇宙開発企業スペースXの助けを借り、今年4月に月へ着陸する予定とのこと。
 アメリカが最後に月へ有人ロケットを送ってからもう50年余り経つ。
 現在、世界各国の協力を借りて、再び月への有人飛行アルテミス計画を進めている。2026年まで続き、月軌道上に宇宙ステーションを建設したり、資源調査まで視野に入れているとのこと。
 かつて国家の威信をかけて宇宙開発は行われたが、大企業が参入し、変わりつつある。
 その次は火星だ。
 アメリカは、ユタ州の土地を火星に見立て、そこに人間を送り込んで、有人探査のシミュレーションを長く行って来たそうだ。
 実業家で、ツイッター社買収で話題になったイーロン・マスクはスペースXを創設したが、諸問題を解決するためにも、火星植民を、宇宙開発の目標にしていると言った。
 中国の探査機も火星に送り込まれ、探査車が地表に降下し、調査を行っている。国際宇宙ステーションとは別に、中国も宇宙ステーションを建設し、月や火星に探査ロケットを送り込むなど目まぐるしい活動が続く。
 アラブ首長国連邦は、22世紀に火星に都市を建設すると計画を発表し、2021年に探査機を送り込んでいる。
 火星を改造して、地球と同等にするテラフォーミングをしようとの声も。その場合、膨大な年月がかかるだろう。
 火星に本格的探査が始まってから46年、まだ人類は火星に降り立っていない。
 1897年にイギリスでウェルズが「宇宙戦争」を発表。53年後、アメリカのブラッドベリ(2012年6月に亡くなった)が「火星年代記」を発表した。「火星年代記」は1999年に人類が有人探査を。人類そっくりの火星人は、地球人を拒むも地球人の持ち込んだ伝染病で滅亡(「宇宙戦争」ラストを意識している)。移民者が地球から火星へ。
 1979年に「火星年代記」は映像化され、後に日本でもTV放送された。
 ラスト、2026年に移民者の多くが再び地球へ、そして核戦争が起き、残った火星の移民者は新たな火星人となると言うもの。
 現実はどうなるだろうか?

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No.496(Web版146号)1

 「ブラックパンサー」「ブラックアダム」のことなど

 中嶋康年

 近頃のヒーロー映画、ドラマは「ブラックパンサー」「ブラックアダム」「仮面ライダーBLACK SUN」など、なぜか「ブラック」が付いたものが続いた。巷ではBLACK FRIDAYとか称するセールが喧伝され、こちらも「ブラック」だ。
 11月11日に公開された「ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー」は2018年の「ブラックパンサー」の続編。ワカンダ国王ティ・チャラ役の俳優チャドウィック・ボーズマンが43歳で結腸癌のため亡くなったことで、ボーズマンがブラックパンサーを演じる続編の計画ができていたにもかかわらず、脚本を変更して後継者に「ブラックパンサー」を引き継ぐ物語になったという。ワカンダはビブラニウムという隕石由来の鉱石の唯一の産出国であることで技術立国したのだが、このビブラニウムはカリブの海底にもあって、それを利用していたのが、侵略者に追われ海底に逃れたマヤ文明の末裔タロカン王国。ここの王ネイモアが水中を高速で移動し、空中も飛行できるという破格のミュータント。このキャラクター、コミックでは「サブマリナー」という名前で1939年に初登場。同じような設定のDC「アクアマン」のコミックは1941年が初登場なのだが、映画はこちらが先だったためコミックではどちらもアトランティスの王ということになっているのでマーベル映画では「タロカン」という新しい国を作らざるを得なくなった。アトランティスがだめならマヤ文明と結び付けようというのもずいぶん強引な感じはするが、サブマリナーは踵に羽がついている設定なので、羽の神話と結びつけようとしたのだろう。マヤ・アステカ文明は「羽毛の蛇の神」が有名だが、アステカのケツァルコアトルは海とは関わりが薄いからマヤのククルカンにしよう、マヤなら海底遺跡も数多く見つかっているし、踵に羽と言えば、ギリシャ神話のヘルメスだが、こちらも海には関係なさそうだし、地理的にも遠いということかもしれない。とはいえ、やはりマヤ=海というイメージはあまりないので、海のスーパーヒーローとしてはアクアマンの方が有利。後継者という面では、アイアンマンの後継者「アイアンハート」もこの映画で登場する。しかし、トニー・スタークとの関わりは一切描かれない。
 12月2日に公開された「ブラックアダム」はDCの映画。もともと「シャザム!」の宿敵として登場したのがブラックアダムなので、映画の中にシャザムが出てこないのは片手落ちじゃないのと思ったが、後でネット内の解説を見ると、ここでシャザムまで出すと余りに詰め込みすぎで収拾がつかなくなると踏んだからだそうな。確かに「ブラックパンサー」にしても、背後に膨大なストーリーがあるので、あれもこれも触れられていないと思ったが、全部すっ飛ばして描いて正解だったかもしれない。このブラックアダムに相対する「JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)」は「ジャスティスリーグ(JLA)」(2017)の前身の組織という設定なのだが、この映画ではアメリカ政府に派遣され、即興的に組まされた4人のチームだ。若手二人と違ってベテランのドクター・フェイトとホークマンの二人はコミックではある程度メジャーなのだが、主役のブラックアダムを含め、全員が映画初登場。たいした説明もなくあらわれて活躍していくのだが、これがなかなか面白かった。マーベルに似たようなキャラがいるのも節操がなくてよい。DC映画としては、今後「スーパーマン」との絡みを計画しているようだが、ちょっとキャラクターの性格が違うんじゃないのと思う。

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