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No.508(Web版158号)3

 My BESTS 2023

 中嶋康年

1「幽玄F」佐藤 究
今年も佐藤究を1位にしてしまった。天才と呼ばれたジェット戦闘機パイロットが戦闘機を降りて、タイ、バングラデシュを放浪しながら再び戦闘機に憑りつかれる男の物語。戦闘機と東南アジアの描写が素晴らしい。

2「アッシャー家の崩壊」 NETFLIX
アッシャー家の当主を語り手にして現代へアップデート、その息子、娘たちに「黒猫」「赤死病の仮面」「落とし穴と振り子」などポーの短編をモチーフにした災難が降りかかる。ホラー・サスペンス満載の全6エピソード。

3「ゴジラ −1.0」(映画)
公開当時、今回は見送るかなと思って観ないでおいたのだが、評判のあまりの良さに遅ればせながら観に行ったら、これが評判以上の良い映画でした。終戦直後の舞台、ゴジラのテーマ、元特攻兵の気持ちと、彼の周りに集まってくる人たちがピタッとあるべき場所に収まっているという感じ。初代ゴジラのポスターに出てきた電車を咥えたゴジラの姿を見たとき、「あ」という声が漏れてしまった。

4「ザ・フラッシュ」(映画)
DCもついにマルチバースを取り入れてしまった。スーパーマンにしてもバットマンにしても色々な違う役者が演じているので、それもマルチバースといえばそうなのだが。今回はスーパーガールの概念をガラリと変えてしまった功績は大きい。

5「八剣傳」山田風太郎
滝沢馬琴が「南総里見八犬伝」をどのように書いていったという実のパートと、「八犬伝」の物語世界の虚のパートを交互に語って行く長編。「南総里見八犬伝」自体は14年もの間に連載のような形で書き継がれてきたので、その合間に同時代を過ごした葛飾北斎との絡みもあって物語世界にも影響を与えていく過程がとても面白い。「忍法八犬伝」という著作もあるが、これはパロディーもので、まったくの別物。

6「犬神博士」夢野久作
30年ぐらい前に買ってあった「ドグラ・マグラ」、当時は挫折したのだが、最近ついに読み終えた。とても面白かった。その他の著作を読もうと思って探してみたら、今年になっても夢野久作の本が新版として出ているのには驚いた。このところ5冊ぐらい買い揃えているが、その中の1冊。

7「文明交錯」 ローラン・ビネ
スペインがインカ帝国を征服したのではなく、逆にスペインにとどまらず、ヨーロッパを席巻したらどのようになったかという歴史改変小説。これをフランス人の作家が書いたというのも面白い。「HHhHープラハ、1942年」というベストセラーになった小説の著者である。

8「GEN V」 AmazonPrime
腐敗した企業により管理された超能力者集団「セブン」に戦いを挑む超能力を持たない集団「ザ・ボーイズ」を描いたアマゾンプライムのオリジナルシリーズのスピンオフ作品。ここでは、超能力者を育てるための大学が舞台となる。大学側による秘密裏のうちに行われている実験を暴こうとする学生たちの戦い。

9「寝煙草の危険」 マリアーナ・エンリケス
PM10月号似て解説したが、アルゼンチンの「ホラープリンセス」マリアーナ・エンリケスの第1短編集。

10「ONE PIECE」NETFLIX
NETFLIXによる実写作品。原作漫画もアニメ・シリーズも観たことがなかったが、なかなか面白かった。各SNSによる評判も上々。
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その他、印象に残った作品(順不同)

リャマサーレス短篇集、帰去来殺人事件、黒牢城、三体0ー球状閃電、明治断頭台、マシンフッド宣言、第二開国、ファイナルガール・サポート・グループ、妖異金瓶梅、少女地獄、セルバンデス、警察庁草紙、ドグラ・マグラ、屋根裏の散歩者、処刑台広場の女(以上、書籍)
ちひろさん、地獄楽、ヤキトリ、アンデッドガール・マーダーファルス、大奥、サンクチュアリ聖域、ゾン100、ハートオブストーン、タイラー・レイク、GAMERA-REBIRTH-、アンデッドアンラック、プルートウ、ワイルドスピード・シリーズ、REVENGER、スタートレック・ピカード、ブルーロック、宇宙探査船オーヴィル、シークレット・インベージョン、リトル・マーメイド、シン・仮面ライダー、スパイダーマン・アクロス・ザ・スパイダーバース、マーベルズ、ブラッシュアップライフ(以上映像作品)

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