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2024年3月

No.510(Web版160号)3

 パンフ完売

 加藤弘一

1月31日時点で藤枝上映館の映画のパンフは完売だった。
用意した部数が少なかったのか、人が多かったのか。
ガンダムシードシリーズは放映してから大分たっているが、リマスター等で再放送もされているので、新しいファンも多いのかも知れない。
この物語は、遺伝子組み換えにより(改良人間だな)産み出された新人類コーディネーターと旧人類ナチュラルが争う救いようのない世界である。
人は自分とは違う、相いれぬ存在を嫌う不寛容さを持ち合わせている。
実際、現実の世界の争いの大半が同じ原因で起きている。
もう少し相手の事を思いあって、憎しみの連鎖を断ち切れば良いのに、それが出来ない。
シードの世界はそんな訳で争いが絶えない。
今日も今日とてゲリラ的な紛争が起き、とある国が主人公達に協力を提案する。
そこで、とんでもない事態が起こる。
とまあ、マッドサイエンシストが世界をどうかしようとするのを正義の味方が防ぎ、なおかつ美しい姫を悪の城から救う王道アニメである。
二時間程の放映時間だが一年分位の各種モビルスーツが登場する。何故か宇宙なのに水陸両用のズゴックも登場する。
どのプラモを買ったらいいのか迷いそうである。
物語のコーディネーターと敵対する排斥者ブルーコスモスのスローガンではないが、
「蒼き正常なる世界のために、ガンプラを買おう!!」
と言われているみたいである。
後日、アマゾンでパンフレット(3600円)を購入した。
ギャンも出ていたが、
「壺が!」「良いものだ!!」
とかのセリフは無かった。
グフの時は、
「ザクとは違うのだよ!」
と言っていたのに。

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No.510(Web版160号)2

「マダム・ウェブ」のことなど【ネタバレ有】

 中嶋康年

 2月23日から公開された「マダム・ウェブ」を見てきた。前評判では、「マーベル映画史上最低」(厳密に言えば「アベンジャーズ」などのマーベルスタジオのいわゆる“MCU” (Marvel Cinematic Universe)と、「ヴェノム」や「スパイダーバース」などのSONYの“SSU”(Sony Spaiderman Universe)とは配給会社が違うのだが、今回の「マダム・ウェブ」は“SSU”に属している)とか散々な言われようだが、そんなに悪くはなかった。私の感想でいえば、「アントマン:クアントマニア」の方が面白くなかったぞ。ただ、「後に超能力を得てスパイダーウーマンとなる運命の少女たちを助ける予知能力のあるマダム・ウェブの話」という予備知識はあった方がいい。その3人のスパイダーウーマンの勇姿は主人公のキャシーと悪役のエゼキエルのフラッシュバックに出てくるだけなので、もう少し見たかったという思いはある。そこまで描く時間はなかったかもしれないが、そこまでいけばもう少し評価は上がった気がする。
 原作コミックでは「マダム・ウェブ」は車椅子の老齢の女性という設定。ラストシーンでは車椅子に座り視力を失った姿が出てくるが、そこにたどり着くまでの「マダムウェブのオリジン」を描く映画とみればこれはこれでいい。でも、日本版ポスターの主役ダコタ・ジョンソンは写真がよくないな〜。ダコタ本人の魅力が引き出せてないと思った。今回は吹替版で見たが、ペルーのアマゾンの特殊な蜘蛛の能力を持つ種族のことを「ラス・アラニャス」と「ア」にアクセントを置いていた。スペイン語ではLas arañasなので、「アラーニャス」と「ラ」にアクセントを置くべきである。

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No.510(Web版160号)1

 TV番組 “ カズレーザーと学ぶ2024年ガチで良い顔になる最新科学 ” についてあれこれ(後編)

 by渡辺 ユリア

 皆様、今日は。今回は後編です。“鳥肌が肌のハリを保つ!?1mmの極小筋肉 “立毛筋” についてです。MCはカズレーザーと日テレアナウンサーの岩田絵里奈さん。そして受講者は武藤十夢さん、こがけんさん、斉藤慎二さん、橋本 愛さん。講師は資生堂未来開発研究所トップ研究員 神戸大学客員教授の江連智暢さん。講義が始まりました。立毛筋とは肌の中の真皮の中にあって、寒い所に出た場合、産毛をピンと立たせ、身体を保温させる機能があります。人間の場合はそれだけではなく、感動した場合、鳥肌が立った時にピンと立毛筋は立つのです。
 けれど人間は加齢により立毛筋は弱くなっていき、そうすると肌はたるみをおび、伸びてしまいます。そこで顔のダイナミックベルトを刺激してトレーニングをする事が大事なのです。おもに良い音楽を聞いて感動したり、ライブに参加する事も大切ですが、ストレッチがあります。それをダイナミックベルトストレッチと言います。立毛筋は上向きに配列しているのです。
① 右手を左のアゴの下に当てる ② 肌を押さえながらこめかみまで持ち上げる ③ 左手を頬に当て、ひっぱり上げた肌を下げる ④ 10秒キープ
1日2セット、毎日続ける事。
つまり適切な刺激を与える事が大事であり表情筋を鍛えることも立毛筋をよく動かす事に通じ、豊かな表情になる事が肌のハリに重要である・・らしいです。
皆様もやってみてくださいね。
 では、この辺で       2024.2.1 yullia

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No.509(Web版159号)3

 巨匠また逝く、豊田有恒をしのぶ

 中村達彦

 SF作家の豊田有恒が亡くなった。享年85歳。2020年9月に放送された「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」で小松左京を取り上げた時も、昔のことを元気そうに話しており、まだまだ長生きされると思ったが。
 去年も3人取り上げたが、亡くなった人を語るのは気が滅入る。しかし故人の活躍を書くことは、ファンの義務と考え、送り出す意味でも書く。PMやLUNATICで前に書いたことも取り上げているが、ご了承を。
 豊田は、受験勉強中にSFを知って夢中に。1961年SFマガジンコンテストで「時間砲」、翌年に「火星で最後の……」が佳作入選し、20代前半の若手でデビューする。
 SFが世間に周知されず、近所の人に何を書いているか聞かれても、SFと答えられず、人類の未来を書いていると話す逸話がある。
 当時のSFマガジン編集長は、作家でもある福島正美。SFや推理小説を根付かせようと尽力した。福島は、豊田を起用し、いろいろ厳しいことを言いながらも、育てた。
 福島は、SFを日本に根付かせるため頑張っていたが、勢い余って1968年12月に複数のSF作家をこき下ろす。その中に豊田も含まれていた。大勢の作家が怒り、福島を糾弾した。
 豊田は、一度短編で書いたアイデアを再度、長編化して再発表するやり方を取り、タイムスリップものや宇宙もののアイデアで多くの作品を生み出した。初めにアイデア有りき。
 氏、曰く「字でマンガを書いている」
 小松左京や眉村卓ほどのヒット作はなかったものの、印象深い作品を書いた。
「時間砲計画」ジュブナイル作品で、中学生の英二は、アメリカ帰りのクラスメイト亜由子の父親が研究した、ある粒子をぶつけられたものが消えてしまう実験を見る。その後、亜由子や父親、英二までも大勢の人が消失する。一同は20万年前に、古代生物や明石原人が跋扈する世界へ投げ込まれたのだ。
 現実から非現実へのドラマや20万年前の動物についての造詣が深い。私は中学生の時、読んでSFの面白さに引き込まれた。続編で石津嵐との共著で、英二たちが恐竜のいる中生代末期に行く「続時間砲計画」もある。
 他にジュブナイルで「少年エスパー戦隊」「マーメイド戦士」などを発表した。
 また「タイムスリップ大戦争」「パラレルワールド大戦争」など架空戦記先取りの小説を書く。うち「スペースオペラ大戦争」は、31世記の未来人が歴史上の非業の死を遂げた英雄たちを蘇生させて、宇宙人と戦ってもらう話。歴史ネタもいろいろ出て来る。高校の時、図書館で読んではまり、同時に歴史の面白さも知った。
 1970年に書かれた「地球の汚名」は、遥か未来、宇宙人の国家連合に所属していた地球は、敵対する宇宙人の奸計で盟主を処刑され、地球を占領される。一見頼りない従順な新盟主のもと占領政策が進む。
 秘かに反撃を目論む航宙士たち。一方、地球人の中には、超文明を捨て、超能力を得て、生活するグループがいた。
 航宙士の青年とグループ娘に芽生える恋、地球人と友情を持ち、改革を試みる宇宙人など複数のドラマがある。
 面白い。アニメ化すれば良い。現代にも通用する話だ。実は、歴史上有名で、何度も映画やドラマにある事件のパロディだ。
 豊田の活動で有名なものは、手塚治虫のアニメ「鉄腕アトム」の脚本執筆である。SF設定を入れたドラマを書き「エイトマン」「スーパージェッター」などにも参加した。
 その後、脚本家から足を洗うが、「宇宙戦艦ヤマト」企画に当初から関わり、完結編までSFアイデアを提供する。提出してから、後の続編で用いられたものも。
 しかし西崎義展プロデューサーがSFを理解できず、没になったアイデア多く、ほとんど報いられないなど嫌な思い出が多かった。
 豊田が1983年に書いた「ライダーのレクイエム」。少女が兄を殺した犯人を追うが、犯人のアニメ会社社長モデルは(508号で加藤弘一さんが取り上げた話も出ている)その悪行も細かく書かれ、挿絵はもろに……。
 大御所であったが、若手のクリエイターたちの面倒を見た。日本SF作家クラブ会長を務めたことも。マンガ家すがやみつるやとりみきらと長く親交を結んだ。
 80年代半ば、都内に、クリエイターが集うスタジオパラレル・クリエーションを置く。和製ヒロイックファンタジーと言えるヤマトタケルシリーズ執筆と精力的に活動した。
 SFの他にも、古代史、朝鮮、原子力についても精通。逝去前まで多くの著述がある。内容に反発を招いたこともあったが。
 バイクが好きで、ライダースーツを着こなして、駆ける姿も。
 昭和に「あなたもSF作家になれるわけではない」。平成に入ってから、SF創作では御無沙汰。令和に「日本SF誕生ー空想と科学の作家たち」「日本アニメ誕生」とSFやアニメ黎明期を語る貴重な評論を記したが、SF創作でも、何か書いてもらいたかった。
 ヤマトでSF設定協力を務めた出渕裕(1月から始まったアニメ「メタリックルージュ」に参加)が「宇宙戦艦ヤマト2199」で総監督をやった時、喜んでいた。
 豊田は、ヤマトの権利で揉めていた松本零士と出渕を対面させる仲立ちをしている。松本も快く出渕や豊田を受け入れたそうで。
 私事になるが、10年前に、ある講演会に出席していた豊田にお目にかかる機会があった。「昔から先生の作品を読んでいました。影響を大きく受けました」と言うと「それは冥利に尽きる」との言葉を頂いた。
 先生有難うございました。

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No.509(Web版159号)2

 ダンジョン飯が完結した

 加藤弘一

ダンジョン飯が完結した。
物語はダンジョン最下層でレッドドラゴンと戦い犠牲になった仲間を助ける為に、残った仲間とともに再びダンジョンに挑戦する話である。
しかしながら、レッドドラゴンから逃れる時に装備と金銭を失った為、食料は自分達が狩ったモンスターで、代用するしかなかった。ダンジョン 飯の始まりである。
ダンジョン内で出会ったモンスター料理の研究者ドワーフのセンシと合流し深淵部に到着したが、ここで助ける仲間(主人公の妹)がダンジョンを創設した魔法使いに支配されていると気付き、魔法使いと戦う決意をする。
この一行とは別にダンジョンの異常を察知してやって来たエルフの一団、ダンジョンの調査を生業とする冒険者達、オーク族が絡んできて事態が彼方此方へと揺れて大騒動となり大団円を迎える訳である。
また、コミック終了とほぼ同じくしてTVアニメが始まった。こちらもこう期待である。

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