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2024年5月

No.512(Web版162号)4

 リニアの事

 加藤弘一

初めてリニア新幹線の事を知ったのは70年の大阪万国博覧会の日本館の展示会場だったのだが、プラレール新幹線モドキが走っているジオラマで、磁力で浮いて走る未来の新幹線と謳っていた思い出がある。
11歳の頃の思い出でありその後、父とアメリカ館やらソ連館やらに並んでヘトヘトになってしまったのでよくは覚えていない。
それからというよりはもう遅すぎる感がある。
中国からのコロナ災害を受け、直接会って面談すると言うコミュニケーション手段が、モニターによる商談、在宅勤務などに変化している現在では、わざわざ移動する必要は激減した。
電力も新幹線の4倍必要とされているが果たして、採算が採れるのであろうか?
さらに問題はリニアのコースである。
山梨県から長野県を通る途中、静岡県の南アルプスを横切るトンネルコースになっている。
そこは、静岡県の人口の2割程の水源となっている大井川の源流である。
過去の時代、人類の成長と進歩を謳い自然を切り開き工業を発展させ、様々な公害を産み出し、被害者に国と企業は莫大な賠償金を支払い反省したはずである。
しかし、JR東海と言う企業は何も学んでいないようである。
水源とされる所にトンネルを掘り、様々な機械設備を作り、消火剤等も用意すれば必ず人体に影響のある物質が出てくる。
更にトンネルが出来ると地下水脈が変わり、井戸水が出なくなったり温泉も枯渇するかもしれず、恐ろしい額の賠償金を支払わなければならなくなるかもしれない。
JR東海はそんな覚悟があるのだろうか。
静岡県の川勝氏が辞任するが、大井川水を汚染から守る為に頑張ってくれたと思う。
そして、JR東海が公害企業と言われないように頑張った人と将来言われるかも知れない。

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No.512(Web版162号)3

 訃報続く、昭和、平成は遠くなりにけり

 中村達彦

 前回のPM原稿を書き終えた直後に、鳥山明死すの訃報を知った。
 中学3年生の時、同級生が「Dr.スランプ」を読んでおり、新しい感覚のマンガだと感じた。翌年、「Dr.スランプ」はフジテレビでアニメ化、高視聴率の人気番組に。
 裏番組で「鉄腕アトム」のリメイクが半年前から放送されていたが、「Dr.スランプ」に人気をさらわれた。「Dr.スランプ」放送開始から半年後、続いて、「うる星やつら」がフジテレビでアニメ化、こちらも何年も続く。
 ド田舎なペンギン村で、三枚目のマッドサイエンティスト則巻センベイに作られたメガネっ子のアラレちゃん。スーパーパワーを持つアンドロイド、超明るい女の子。アラレちゃんが人気を博した。
 うんちや月が擬人化され、スーパーマンやターザンのパロディ、阿保なキャラクターたち、いろいろSFがストーリーに盛り込まれた。作者の鳥山もロボットの自画像で、劇中に登場、阿保なキャラクターを演じた。
 私は当時、「Dr.スランプ」にはまったが、同じくはまった弟と「あははは、鳥山しょーもな、阿保だ」と笑ったものだ。
 本当に鳥山明はいろいろ失敗したが、見たものを絵にするセンスは凄かった。
「スタートレック」のスポックをモデルにスコップと言うキャラクターをデザインしたが、スポックに思い入れはなく、たまたま面白そうな人が出ていたから、使ったとのこと。
 マンガを描きながら、モデラーの趣味を持ち、ジオラマが高い評価を受けている。
 ジャンプの編集者鳥嶋和彦。鳥山が漫画賞に応募した作品に才能を見出し、一年も送った作品に「ボツ」を繰り返し、「Dr.スランプ」へ至る。その後も作品に厳しいアドバイスを繰り返した。
 この人も、マンガで描かれ、笑われた。敵役Dr.マシリトになっている。嫌いな人をモデルにと言われ、その通りに描いたそうで。
 鳥嶋は「ドーベルマン刑事」などを手がけた平松伸二も担当し、平松の自伝マンガ「そしてボクは外道マンになる」にも登場している(良い人でもあったそうで)。鳥山の友人で共作もやった桂正和も鳥嶋に見出された。
「Dr.スランプ」終了から半年後、「ドラゴンボール」を連載。世界的な大ヒットに。
 88年、就職して、会社寮で「ドラゴンボール」1巻を読んだ私は再びはまり、続巻も読んだ。弟もはまった。
 集めると、願いを叶えてくれる神龍が現れるドラゴンボールを捜す女の子ブルマと、無邪気だが強い力を持つ少年孫悟空の冒険。
「西遊記」「八犬伝」がストーリーに盛り込まれ、当初はドラゴンボールを巡るSFファンタジー色合いが強かったが、徐々にバトルものの色が強くなっていく。
 こちらもアニメ化され、88年にもうちょっとだけ続くよと言ったが、長い連載が続き、ジャンプの顔となった。
 悟空に立ち塞がる敵、倒したら更に強い敵キャラが出て来る。悟空の息子悟飯も出てきて、話がいささかマンネリ気味に。
 弟も延々続くことに飽きてしまった。
 更に鳥山はゲーム「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインも手がけ、これも大ヒット。当時、私の勤めていた会社で、上司が「ドラゴンクエスト」の発売日からしばらく会社を休んだものだった。
「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」以外にも短編を幾つか描いているが、それも面白い。
 鳥山のタッチは三頭身が多く可愛く。描写は過激ではないが、Hなシーンや人が死ぬシーンもある。それと別にマジュニアやベジータと、当初は冷酷非情だったが、話が進むと仲間になっていくドラマは魅力だった。
 鳥山逝去直後に、声優TARAKOが亡くなる。「ちびまる子ちゃん」マル子の役が代表作で30年以上続けたが、82年のアニメ「戦闘メカザブングル」のチルの声も。
 ザブングルと言えば、「Dr.スランプ」の中で、登場するロボットがザブングルのウォーカーマシンみたいなエピソードが。
 当時のアニメブームで注目され、サンライズのアニメチャラクターデザインも複数手がけた女性アニメーターいのまたむつみも3月10日に亡くなった。
 目の大きい女の子のキャラクターが特徴。ファン出身で、デビューからすぐに作画を担当するなどみるみる頭角をあらわした。
 小説「宇宙皇子」イラストやゲームテイルズオブシリーズのキャラクターデザインなど幅広く活躍した。
 4月に入ってから、山本弘が逝去。
 SF・ファンタジー作家で、トンデモ本と学会の活動でも知られている。
 78年に奇想天外のコンテストで佳作入選(同じコンテストでは、新井素子も佳作)、88年に「ラプラスの魔」と言う長編を記すが、ゲームデザイナー集団SNEでの活動も大きく、ゲームリプレイの小説も多く書き、ライトノベルの書き手で注目された。
 21世紀に入ってから、本格的SFでも注目され「神は沈黙せず」「アイの物語」「去年はいい年になるだろう」(新井素子の「絶句」同様、作者が主人公に)「MM9」「夏葉と宇宙へ三週間」と次々に発表。「詩羽のいる街」「BISビブリオバトル部」など他ジャンルの作品も書いている。作品は面白く幅広い、もっといろいろ読んでおくんだったと後悔している。マンガ原作やノンフィクションも。
 考証について、多くの人と論争した。
 6年前に病気で倒れ、リハビリ中だったが。
 昭和・平成のクリエーターが次々に亡くなった。もっと活躍して欲しかったが。

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No.512(Web版162号)2

「大宇宙の魔女」のことなど

 中嶋康年

2021年に出た時に買ってあったC・L・ムーア「大宇宙の魔女」ノースウェスト・スミス全短編を読み始めた。日本で最初に出たのが1971年ハヤカワ文庫SFで、表紙が松本零士だった(カラー口絵と挿絵入り)ので、相当評判になった。当時は「大宇宙の魔女」「異次元の女王」「暗黒界の妖精」の3分冊、仁賀克維訳だったが、今回の創元SF文庫版は中村融と市田泉が新訳を起こしている。今月のPM表紙(印刷版PM参照)は当時の松本零士の「大宇宙の魔女」である。あの時出たC・L・ムーアの短編はもう1冊「暗黒神のくちづけ」というのがあったが、これは「処女戦士ジレル」という中世ヨーロッパのヒロイック・ファンタジー・シリーズだったので、これには含まれていない。
 さて、C・L・ムーアの短編というと一番有名なのが「シャンブロウ」だろう。かの野田昌宏大元帥が1964年「SFマガジン」の〈SF英雄群像〉で日本で初めて紹介してから反響が大きくなった。自分の愛車に「プリンセス・シャンブロウ」と命名したというくらいである。その野田さんが仁賀訳のハヤカワ文庫の解説を書いているが、「畜生め!なんだって俺ァ、他人の訳した、〈シャンブロウ〉の解説なんか書かなきゃならねェんだ!これじゃ蛇の生殺しじゃないか!畜生!くやしい!くやしい!」と綴っている。それでも、2005年、めでたく早川書房から「火星ノンストップ」という山本弘編集の短編集に野田昌宏訳の〈シャンブロウ〉が掲載された。この短編集、わたしは買ってあるはずなのだが、残念ながらちょっと見当たらない。新訳だとどれくらい違うのか冒頭2ページ目から書き出してみる。まずは仁賀訳。

「シャンブロウ! シャンブロウ!」
 ノースウェスト・スミスは、それがこちらへむかってくるのを察すると、手近な戸口に身を潜め、熱線銃のにぎりに油断なく手をかけ、透明に近い眸を細めた。」

続いて、中村訳。
「シャンブロウだ! おい…… シャンブロウだぞ!」
 その音が近づいてくると、ノースウェスト・スミスは手近な戸口に身を潜め、熱線銃の銃把に油断なく手をかけて色の淡い目を細めた。」

 並べてみると、語順も訳語の選択もかなり違う。翻訳ってこのくらいやってもいいんだなと参考になる。

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No.512(Web版162号)1

 特別公開 “富雄丸山古墳の蛇行剣” 展を見てきました

 b y 渡辺 ユリア

 4月2日に奈良県の橿原考古学研究所付属の博物館に行って、蛇行剣の本物を見てきました。東アジアで最大の剣の事です。謎の4世紀と呼ばれている時代にその古墳は造られたそうです。その後の5世紀はヤマト政権【倭の五王】の時代。その古墳は奈良市の南西の端にあります。では、この辺で。
                        yullia 2024.4.13

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No.511(Web版161号)4

 鳥山明さんありがとう

 加藤弘一

“漫画家・鳥山明さんは、「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」「SAND LAND」等の漫画、アニメを我々に届けてくれた。
昭和世代の私にとっては、必ずしも多作とは言いがたいが近頃の漫画雑誌編集者は作者を自社で囲い込んで独占してしまうのでアチコチからの依頼が無くなってしまったのだろう。
その代わり絵の出来は素晴らしい。
作者の才能もあるが、かつての「北斗の拳」等は芸術的だと思っていたが、鳥山さんは更に奥行きを感じさせるような立体感があった。鳥山さんは「アラレちゃん」がヒットして一躍有名になり、「ドラゴンボール」は大ヒットして世界的に有名になった。
アニメもヒットして何回も再放送された。
視聴率も関係しているだろうが、昔のSFアニメは再放送される事はほとんど無かった。
「マジンガーZ」「ガッチャマン」もオンエアのみだった。
再放送されるようになったのは「宇宙戦艦ヤマト」以降のような気がする。
アニメ「ドラゴンボール」は週刊連載が終わっても原作のないストーリーが放映された。
それが心残りだったのか、近年「ドラゴンボールスーパー」が放映され、魔人ブウ編以降のエピソードが綴られ孫悟空のその後が明らかになり、今年はその更なるエピソードが語られる予定であった。
「ゲゲゲの鬼太郎」の水木さんはトイレに行くため2階から降りる時に落ちて亡くなったと聞いているが、鳥山さんも何かに転けて頭を打ったらしい、なんかアラレちゃんのエピソードに似ている気がするが、「イッテテテ!」と、センベイ博士の様に起き上がって欲しかった。
最後にたくさんの漫画とアニメをありがとうございました鳥山さん。

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No.511(Web版161号)3

 注目の藤子・F・不二雄SF短編ドラマ

 中村達彦

 最近、タイムスリップして昭和末期へ飛んだドラマが話題になっている。
 春に「ドラえもん」の映画が公開された。40年以上続いているが、毎回好評だ。テレビ放送も依然高い人気を博している。
 同じ藤子・F・不二雄原作のアンソロジーSF短編が4月にNHKBSで「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」で放送。初夏地上波の夜ドラでも取り上げられる予定だ。昨年もドラマ化された。
 OPとEDはアニメーションになっており、引き込まれる。
 SF短編は隠れた人気があり、最近コンプリートワークスで再刊行。
 22年に星新一のショートショートが「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」と、同じスタイルでNHK放送されている。
 両方、SFストーリーが15分の時間で丁寧に料理され、「世にも奇妙な物語」的。
 星新一原作は詩的で、藤子・F・不二雄原作のマンガはわかりやすく、平凡な日常が非日常に変わっていくのが丁寧に描かれる。
 共に有名な俳優が多く出演。その演技は、予めストーリーがわかっていても、楽しめる。
 23年の星雲賞メディア部門でも「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」はノミネートされた。去年の第1作も星雲賞メディア部門でノミネートしては。
 第1作でドラマ化された話は以下。
「おれ、夕子」同級生少女が亡くなり、少女の父親を訪ねた少年に変化が。田牧そら、鈴木福らが出演。山本耕史の父親が泣ける。
「メフィスト惨歌」魂ノルマを達成しようと言う悪魔は、ある青年に目をつけた。平凡な男だが……。又吉直樹、遠藤憲一らが出演。
「定年退食」未来、日本は老人への保証を打ち切る。加藤茶、井上順が好演(高木ブーも出演)、未来にドラマ通りになるのでは?
「テレパ椎」イラストレーターの青年が拾った人の心が読める不思議な木の実。「ブギウギ」の水上恒司、富田望生らが出演。
「昨日のおれは今日の敵」締め切りに追われるマンガ家、次々に別の自分が現れ、騒動に。塚地武雅が主演。
「親子とりかえばや」喧嘩していた会社員の父親と大学生の息子。意識が入れ替わってしまう。父親役は吹越満、息子役は青木柚。
「流血鬼」前後編。奇病が広がって世界中の人々が変貌する。抵抗する少年は意外な展開に。前後編。金子大地、堀田真由らが出演。
「どことなくなんとなく」妻子がいて、平凡な生活を過ごす男。何か違うと違和感が。頂点に達した時、明かされる。主演は岡山天音。
「イヤなイヤなイヤな奴」これも前後編。宇宙貨物船航海、嫌われ者の正体は? 嫌われ者増田貴久、船長竹中直人の演技が注目。
 第2作は以下8本のエピソード。
「旅人還る」超未来を舞台にした離れ離れになったカップルの顛末。
「鉄人をひろったよ」「あいつのタイムマシン」「いけにえ」超技術やUFOに触れた人にふりかかる運命を描く。
「マイシェルター」「じじぬき」「3万3千平米」平凡な生活の人に来る試練とその結果。
「アン子 大いに怒る」藤子・F・不二雄が少女マンガで描いた読み切りで、「エスパー魔美」の原型。
 前後編の話もあるかもしれない。
 起用される俳優も発表されており、「えっ、あの人が」と驚かされる。
 今回取り上げられなかったドラマの他にも、面白い短編マンガがまだ多くあり、来年第3作も望みたい。アンハッピー、トラウマになる結末の話もあるが……。
 昔から、藤子・F・不二雄のSF短編は、度々映像化され、2014年に「未来ドロボウ」が「世にも奇妙な物語」で神木隆之介主演ドラマ化。「アン子 大いに怒る」も1986年に荻野目洋子主演で取り上げられている(今回の再ドラマで出演したりして)。
 藤子・F・不二雄は生誕90年になる。これまでもPMやLUNATICで取り上げてきたが。
 現在タイムパトロール隊に入った少年を主人公にした「T・Pぼん」、40年以上前のマンガだが、アニメを準備中。ネット配信の予定とのこと。1989年にも2時間のアニメが作られているが。
 劇中ではタイムパトロール隊の小道具や守らなければいけないルールについて、SF設定が盛り込まれ、既存の歴史を守るため、タイムパトロールの存在も知られないようにする苦労も強いられる。
 歴史の流れの中で、理不尽な死を受ける人々、それを救う使命と歴史を変える恐れの狭間で、苦しみ泣くことも。
 余談になるが、「T・Pぼん」で唐の時代に行き、そこで天竺に行く一行を助けるエピソードが。ぼんが三蔵法師を見てその姿に「夏目雅子に似てないなあ」と言うシーンがある。
 再販で訂正されているだろうが。
 この頃、1978年秋にドラマで「西遊記」が放送、人気を博し、そこで三蔵法師を夏目雅子が演じた。当時、西遊記ブームで「飛べ!孫悟空」「SF西遊記スタージンガー」が放送されていた。アニメの「スタージンガー」では三蔵法師に相当するキャラクターがお姫様だった。それで「西遊記」でも女性に演じてもらうことになったのでは。最初、坂東玉三郎が演じる予定だったとか。
 ぼんの台詞は「夏目雅子に似てないなあ。でもいかりや長介なら……」なら良かった。
 女性演じる三蔵法師はその後も続くが。
 「T・Pぼん」制作は、奇抜な作品でヒット作多く定評のあるボンズ。昔の藤子アニメみたいに終わらない作品になると思う。願わくば、配信後、NHKでも観られるように。

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No.511(Web版161号)2

 「デューン砂の惑星PART2」のことなど【ネタバレ有】

 中嶋康年

3月5日に公開となった「デューン砂の惑星PART2」を見た。PART1の時に酒井昭伸の新訳を買ってあったのだが、まだ読んでなかったのでこの公開に間に合うように読了しての鑑賞である。ハルコンネンの攻撃を生き延びて、砂漠の民、フレーメンと出会ってからの2時間45分。いささか長かったが、原作との微妙な差異を気にしてみているといつの間にか終わっていたという感じ。最後のシーンは監督の解釈でああなったのだろうが、チャニとしては何ともやりきれない。「ノーウェイホーム」のMJ役の時もなんともモヤモヤした感じの終わり方だったが、ゼンデイヤは最近こんなのばっかだな。噂では「砂漠の救世主」を映画化するPART3の構想もあるというが、その辺の含みもあるのだろうか。ところで、酒井訳では「チェイニー」となっていたのはなぜだろうか。映画ではセリフも字幕も「チャニ」矢野訳でも「チャニ」だったのに。「ベネ・ゲセリット」は酒井、矢野訳ともに「ベネ・ゲセリット」字幕も「ベネ・ゲセリット」なのにセリフだけ「ベネ・ジェセリット」だった。吹替版は「ゲセリット」だったのかな。続編への含みといえば、まさ生まれていないポールの妹、アリアの成長した姿が一瞬出てくるが、あれはアニャ・テイラー=ジョイがやっていた。クレジットには出ていない。NETFLIXのドラマ「クイーンズ・ギャンビット」で鮮烈な役を演じてゴールデングローブ賞受賞、マーベル映画の「ニュー・ミュータンツ」、サスペンス映画の「ザ・メニュー」にも出ていた。これから公開の「マッドマックス・フュリオサ」にも出演する大活躍の女優である。個性的な顔立ちなので、一度見たら忘れられない。ポールの母親ジェシカ役のレベッカ・ファーガソン、皇帝の娘イルーラン役のフローレンス・ピューも美しい。PART2でのガジェットで、冒頭に出てくるハルコンネン軍の一人用飛翔装置が面白いと思った。原理はヘリコプターのようなもので、空気を噴射して飛ぶのだろうか。ロケットタイプのものは見たことがあるが、あのスタイルは初めて見た。
 日曜日の3時過ぎ、藤枝シネプレーゴの字幕版だった。15人ぐらいの入りだったのだが、そのなかに80歳代くらいの老夫婦がいた。頑張ってくださいと思った。私も頑張ると。

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No.511(Web版161号)1

 “ 復活の日 ”を読んで思った事あれこれ

 by 渡辺 ユリア

 この物語が初めて世に現れたのは1972年頃。だが、およそ52年後の2024年3月の現代にあっても、この物語は古さを感じません。いえ、1972年頃よりも世界全体が其処ここで戦争が行われており、より緊張の度合いが高いのです。この現代にあって、もう一度この物語を読んでもらいたいと私は思っています。
・ ・・その日、ウィルスによって人類と地上にいる哺乳類は絶滅した。南極基地の1万人たらずの者たちをのぞいて・・だが、それから物語は進んでゆくのです。私は最後の講義を電波にのせて全世界に伝えたヘルシンキ大学の文明史担当教授の言葉にはっとしました。もし、こういった事ができていれば、国と国との対立、戦争の根源にあるものに対して、ひとりひとりが立ち向かう勇気を持ちえるかもしれない・・と私は思いました。
そしてラストで吉住が南へ南へと南極へと帰って行きたいと願った根源にあるものがおぼろげながら私は発見できたと思っています。それこそがこれから先、現実世界において人類にとって必要であると思っています。
                    2024.3.7 yullia

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