No.512(Web版162号)4
リニアの事
加藤弘一
初めてリニア新幹線の事を知ったのは70年の大阪万国博覧会の日本館の展示会場だったのだが、プラレール新幹線モドキが走っているジオラマで、磁力で浮いて走る未来の新幹線と謳っていた思い出がある。
11歳の頃の思い出でありその後、父とアメリカ館やらソ連館やらに並んでヘトヘトになってしまったのでよくは覚えていない。
それからというよりはもう遅すぎる感がある。
中国からのコロナ災害を受け、直接会って面談すると言うコミュニケーション手段が、モニターによる商談、在宅勤務などに変化している現在では、わざわざ移動する必要は激減した。
電力も新幹線の4倍必要とされているが果たして、採算が採れるのであろうか?
さらに問題はリニアのコースである。
山梨県から長野県を通る途中、静岡県の南アルプスを横切るトンネルコースになっている。
そこは、静岡県の人口の2割程の水源となっている大井川の源流である。
過去の時代、人類の成長と進歩を謳い自然を切り開き工業を発展させ、様々な公害を産み出し、被害者に国と企業は莫大な賠償金を支払い反省したはずである。
しかし、JR東海と言う企業は何も学んでいないようである。
水源とされる所にトンネルを掘り、様々な機械設備を作り、消火剤等も用意すれば必ず人体に影響のある物質が出てくる。
更にトンネルが出来ると地下水脈が変わり、井戸水が出なくなったり温泉も枯渇するかもしれず、恐ろしい額の賠償金を支払わなければならなくなるかもしれない。
JR東海はそんな覚悟があるのだろうか。
静岡県の川勝氏が辞任するが、大井川水を汚染から守る為に頑張ってくれたと思う。
そして、JR東海が公害企業と言われないように頑張った人と将来言われるかも知れない。
最近のコメント