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2024年8月

No.515(Web版165号)1

 日本SF大会やねこんRアフターレポート

 by渡辺 ユリア

 7月6日〜7日まで長野県の白樺リゾート池の平ホテルで宿泊型の日本SF大会が開かれました。私はJRのしなのとあずさを乗り継いで茅野駅で降り、送迎バス【予約しました】で池の平ホテルへ。11時半頃に到着。さて、1時半頃にディーラーズルームのスペースへ行って、店を出しました。その場所からライブイベントの方々が見えました。だんだん絵が仕上がっていくのを見るのは楽しかったです。そして開会式はそこのスクリーンでみました。
“ながのの唄” が字幕つきで流れるのにはびっくりしました。
 その後、第1回目の分科会が始まり、私は “森下 唯 ピアニート公爵 音楽X小説アンソロジー「IMAGINARC」語るコンサート” にいきました。場所は新本館のロビー。椅子とテーブルがあり、椅子は30個ほどの布張りのゆったりした椅子。その前にグランドピアノが置かれていました。まじ、オープニングは “夏は来ぬ” のオリジナルバージョン。素敵でした。次にピアニート公爵さんの自己紹介。SF作家の森下先生の息子さんで東京芸大卒のプロのピアニストで、6月に “2台のピアノによるコンサート「IMAGINARC」” に出演されたピアニストの一人だそうです。そして今回のコンサートはそれらとは違ってました。まず伊福部 昭先生(ゴジラの音楽で有名な作曲家)作曲の組曲から3曲 1 盆おどり 2 七夕 3 ねぶた でした。まず1は・・激しいタッチの音楽で、ピアノは打楽器?と思うほどでした。2は・・静かな曲で宇宙空間を感じられるような曲。3は・・1つは違った感触でした。そしてラストの曲はけっこう長い曲でファイナルファンタジー7の組曲を元にしたオリジナルバージョンの曲でした。所々聞いたことのある旋律が流れていました。とても素敵でした。
 その後、夕食バイキングにいきました。余りに広いので迷いそうになりました。おいしかったです。次の分科会は長谷川裕一先生の “すごい科学で守ります” でしたが、みえてたのは先生だけだったので淋しかったです。笹本先生はリモート出演でした。その後ディーラーズルームに戻りましたが、眠くなったので、温泉に行ったり、泊まる部屋にいきました。次の日の暗黒星雲賞の発表は面白かったです。自由部門はやっぱりとおもいました。ホテルの通路でした。新本館の部屋から東館までの長い通路。多分200mはあったと思います。そこを行きつ戻りつしてみえる方々は大変だったでしょう。
 では、この辺で。             yullia 2024.7.22

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No.514(Web版164号)2

 ハルコン・ブックス“機械じかけの親指のうずき”についてあれこれ

by 渡辺 ユリア

 今年のはるこん2024のGoHとして来日されたメアリ・ロビネット・コワル氏の本邦初の短編集。はるこんの分科会でもとりあげられ、いろいろな感想が出ました。“塵は塵に” は、もし自分がそういう魔法にかけられて生きながらえていたら、どう思うかと思いました。“機械じかけ・・” は、人体改造が当たり前となった未来でより良き演奏をするために、取り外し可能な機械じかけの親指を増設しようとする若きピアニストとそれを厭う両親との葛藤が描かれています。その親指を慣れさせるためにできれば長い時間装着しないといけないし、その人の脳に影響を与えるようである。それを彼女の両親が厭うのである。それは人間らしくない・・・と言って。そして彼女はどんな未来を選ぶのか、という話。“真夜中の刻” は狂乱の王となった夫とどう向き合うのか悩んでいる妻の気持ちが表現されています。
 では、この辺で            2024.6.18 yullia

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No.514(Web版164号)1

 どうなるSFアニメ?

 中村達彦

 6月初め、アニメ会社ガイナックス破産の報が、窮状は前から聞いていたが。
 SF大会オープニングフィルムのアニメで注目され、設立。「王立宇宙軍オネアミスの翼」「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」と話題作相次ぎ、「新世紀エヴァンゲリオン」が大ヒット。パソコンゲームでも注目された。
 96年冬に東海SFの会で「新世紀エヴァンゲリオン」同人誌を作ったものだ。
 2002年に出た武田康廣「のーてんき通信 エヴァンゲリオンを創った男たち」にガイナックスの歴史や詳細な証言が。最後に前向きな展望が述べられていた……。
「新世紀エヴァンゲリオン」の後も、新しい作品を作ろうとしていたが、力がなくなっていく(2001年SF大会Fコンのオープニングアニメも作られなかった)。
 脱税や社長解任などのトラブルが絶えず、カラーやトリガーと会社が分かれていき、破産に。庵野秀明は手を差し伸べていたが。
 オネアミスの翼続編など企画止まりに終わったアイデアにも面白いものがあり、日の目を見なかったことは残念だ。
「鉄腕アトム」放送から61年が経つ。
 30分1話のアニメを普通に作ると3ヶ月かかると言われており、どう見せるか試行錯誤しながら、人を集め、動画にしていく。更に声優を選び、セリフを考え、演技をお願いする。デジタル化が進んだとは言え、アニメを作るのは大変だ。
 現在TVや映画、ネット公開と発表形態が広がり、深夜に1クール放送している作品が多い。「葬送のフリーレン」「SPY×FAMILY」「鬼滅の刃」など、昔は考えられなかった作品が高い人気を得ている。
 今年1月に1クール放送された「メタリックルージュ」は、出渕裕の原作で、SFのクリエイターが複数参加し、開始前、本格的に面白いSFアニメと期待した。
 2128年、人類は宇宙人との接触、戦争を経て、人造人間ネアンを生み出し、火星に植民地都市を建設し、金星開発を進めていた。
 一見普通の少女の容姿のルジェは、実はネアン。戦闘形態の姿グラディエーターにチェンジして、特殊なネアンインモータルナインと戦い、倒していく。
 人類と差別されるネアンの様子が語られ、「ブレードランナー」それより前の「鉄腕アトム」でも描かれていた。
 インモータルナインは、ネアンを差別する人類への反抗を目論んでおり、ルジェはそれを防ごうとする。協力する捜査官ナオミとのバディ、ルジェの上司ジーン、インモータルナインらのドラマも描かれる。
 ラスト、金星に集結したインモータルナインの陰謀に、ルジェ、ナオミらは挑む。姿を見せる黒幕との対決。
 観終わって「はあ…」と、面白くなかった。
 作画は綺麗で、いろいろ設定を作っているが、1クールでは消化しきれず、詰め込み過ぎ、人間関係から説明不足。速足でストーリーが進み、「あれっ」と思うこと多かった。2クールでじっくり見せて欲しかった。
 出渕はデビュー46年の大ベテラン、傑作メカデザインを多く手がけ、大のSFファンとしても知られる。現在、「PATLABOR EZY」と言う作品に取り組んでいる。
 昨年秋、NHKで深夜放送された「地球外少年少女」全6話。監督は「電脳コイル」を手がけ、質感ある作画で定評の礒光雄。
 西暦2045年の地球付近にある宇宙ステーションあんしん、そこで暮らす少年登矢と少女心葉は宇宙生まれで、ステーションで暮らす人間も数人しかいなかった。訪ねて来る地球からの少年少女。宇宙での生活での制約から来訪者を敵視する登矢。
 あんしんにトラブルが発生、地球に大惨事が及ぶ可能性も。対立していた子供たちはお互いの能力を駆使して、力を合わせて挑む。
 AIやドローン、宇宙端末などの小道具が設定され、難解だが、それぞれの子供たちの個性が出ている。ジュブナイルのSF劇。
 他にお勧めのSFアニメは、2013年に作られた「翠星のガルガンティア」。
 遥か未来、人類銀河同盟と超生物ヒディアーズの戦争下、少年兵のレドっは、人工知能を持つ愛機のロボットチェインバーと共に、氷河期の到来した後の地球へ転送される。
 一旦、文明を失うも、人類は、海上で船を集めて船団国家を作って存続している。
 レドは船団の窮地を救い、仲間に迎え入れられるが、ヒディアーズは地球にも及び、船団にもいろいろ問題が起こっていく。
 人工知能、未来社会など様々なSFが組み込まれ、一方「未来少年コナン」「SPTレイズナー」と古いSFアニメの匂いがあるボーイミーツガールの話で、放送から10年以上経つが、懐かしい傑作だ。
 アニメは、普通の人間がファンタジーの世界で生まれ変わる転生ものと言われるジャンルが流行っている。
 最近もVRファンタジーの世界で過ごしていたのが、システムのトラブルで、ゲームプレイヤーの姿で生活することになったキャラクターの物語が「ソードアート・オンライン」「ログ・ホライズン」とアニメシリーズ化され、好評を博した。
 他にも天涯孤独の青年がファンタジーの世界に転生、国王となる「現実主義者の再建記」と言う小説がアニメで2期放送されたが、最終回SF的どんでん返しがある。
 まだまだ新しいアニメがあり、面白いSFアニメが現れるだろう。
(F会と言うサークルが、半年毎に発行FANI通で、アニメレビュー、感想を書いています。詳細はネットのF会ブログで)

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