No.514(Web版164号)2
ハルコン・ブックス“機械じかけの親指のうずき”についてあれこれ
by 渡辺 ユリア
今年のはるこん2024のGoHとして来日されたメアリ・ロビネット・コワル氏の本邦初の短編集。はるこんの分科会でもとりあげられ、いろいろな感想が出ました。“塵は塵に” は、もし自分がそういう魔法にかけられて生きながらえていたら、どう思うかと思いました。“機械じかけ・・” は、人体改造が当たり前となった未来でより良き演奏をするために、取り外し可能な機械じかけの親指を増設しようとする若きピアニストとそれを厭う両親との葛藤が描かれています。その親指を慣れさせるためにできれば長い時間装着しないといけないし、その人の脳に影響を与えるようである。それを彼女の両親が厭うのである。それは人間らしくない・・・と言って。そして彼女はどんな未来を選ぶのか、という話。“真夜中の刻” は狂乱の王となった夫とどう向き合うのか悩んでいる妻の気持ちが表現されています。
では、この辺で 2024.6.18 yullia
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