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2025年5月

No.524(Web版174号)3

 大河ドラマに同人誌作りを見た

 中村達彦

 現在、大河ドラマで放送中の「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。
 江戸時代中期を舞台に、蔦屋重三郎を主人公に、吉原を舞台にするとか、商売女の花魁たちを見せると、これまで大河ドラマで扱わなかったことを取り上げている。
 大河ドラマは戦国時代や幕末を題材にするのが多く、来年は戦国、再来年は幕末をやると。江戸時代中期が舞台になるのは珍しい。
 昨年、大河ドラマは「べらぼう」750年前平安時代の「光る君へ」であった。
 その時。文字を書き、小説が本で読まれることは、上流階級に限られていたことに比べれば「べらぼう」では庶民にも本が読まれており、時の流れを感じる。
 活気が薄れている吉原の人気を盛り返そうと、ガイドブック細見作りに励む重三郎。
 これから日本橋へ活動が移り、重三郎は小説など読み物の戯作本や話題や事件を古典のパロディで取り上げた黄表紙を扱い、江戸の出版界をリードしていく。
 山東京伝、滝沢馬琴、喜多川歌麿、葛飾北斎、十返舎一九などの作家、浮世絵師が絡み、時の権力者、田沼意次、松平定信も重三郎を推す、或いは立ち塞がる大敵として関わっていく。
 重三郎演じる横浜流星はじめ出演者の演技、舞台セット、考証に力が入っており、脚本家森下佳子は話題作多い
 もっと視聴率が高くてもと思うが。
 平賀源内が劇中に登場(この原稿が出ている頃には退場しているだろうが)。重三郎と時の権力者田沼意次を結びつける。
 度々、ドラマやマンガに源内は出演しており、石ノ森章太郎は87〜88年に「平賀源内 解国新書」を発表しているが、現代と江戸時代両方から描かれた異色の作品。源内は、田沼のブレーンで取り上げられた。
 それまで、田沼は賄賂を重視した汚職政治家と言われて来たが、作品の後、近年では重商政治に目を向けた開明的な人物と評価が一変した。
「べらぼう」はもう少ししたら、18世紀後半に。ヨーロッパではフランス革命が。つい最近アニメ映画が作られた「ベルサイユのばら」の時代にさしかかる。
 これも石ノ森章太郎のマンガで「八百八町表裏化粧師」は「べらぼう」から後の、天保の改革の頃で、幾つもの難題に向かう若旦那の活躍。政道を批判することも。
「化粧師」は昔、アニメ化されたが、紺野直幸が入ってまたやってくれないか。NHK時代劇で実写ドラマ化しても良いと思うが。
 当時本作りは、墨の手書きで、ワープロもコピーもなかった。せっせと1冊ずつ手作りで手間がかかった。作家たちへ払われる原稿料も微々たるもので。現在の本作りと比べてしまう。
 重三郎らが、作家や絵師に声をかけ、本を作っていくのは、我々が原稿を書き、同人誌を作るのと重なる。
 ミリタリーもので定評があり、長い活動の滝沢聖峰マンガに「二兎物語」と言う作品がある。「べらぼう」から少し後が舞台で、貸本屋の店番でもある町娘に支えられ、絵師として奮闘する武士の青年の話。10年以上前に描かれ、全2巻。
「二兎物語」は現代の同人に通じる話があちこちに、同人誌即売会やボーイズラブに嵌り、二次創作をやる町娘など、読んでいてニヤリとする。
 時代は流れ、現在、ワープロやコピーが普及し、パソコンやメールでやり取りが可能。遠方で文章や絵を作って、即座に編集に送り、まとめて版下になり、印刷所に入稿する手順が、昔より手間暇省けた。
 紫式部や重三郎が凄くうらやましがるだろうし、私もその恩恵に預かっている。
 話は大きくそれるが、SFファンジンで90年代半ばまで一世を風靡したブラック・マス・プロダクションと言うグループがあり、そこで編集をやっていた人の、コピー本での証言を読んだことがある。
自分が編集に関わってから、他メンバーと衝突退会するまでのことを語っているが、東海SFの会を意識していたとの記述が。
 90年代、東海SFの会はルーナティックやPaperMoonがSFファンジン大賞を受賞している。
 6月21日に、文芸同人誌即売会第5回静岡文学マルシェがあり、東海SFの会も出店すると。5月11日に東京ビッグサイトで文芸同人誌即売会文学フリマが開催される(今回東海SFの会は出店しない。次は11月で)←(予定が変わって両方出店予定・web編集部注)
 最近の同人誌は手に取ってみると、商業誌に劣らない編集・内容のものも少なくない。印刷部数も遥かに多い。
 コミックマーケットはSFのカテゴリはなくなり、一般客が入場するのも困難になっているが、文学フリマや静岡文学マルシェはSFのカテゴリがあり、入場もしやすい。
 ネットで専用のサイトがあり、ジャンルごとのカテゴリやどんな店が出店しているかカタログもあるので、見てみては。
 最後に文学フリマ他で出店しているサークルで、私も寄稿している店を書く。概ねブログもあり、興味あれば立ち寄られたい。
 20年以上活動、良い本作りをしている。
 F会 半年ごとのアニメをレビューする同人誌Fani通を発行。数十人が参加。
 假面特攻隊 特撮をメインに、古い作品から最新作まで幅広く取り上げている。
 GIGA-VOLT アニメ、特撮、一般ドラマ、映画や本、イベントやアイテムを取り扱ったDEATHーVOLTを出している。
 思想脳労 新旧アニメや特撮の解説本を頒布。細かく作品解説や感想を書いている。

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No.524(Web版174号)2

選んで、語って、読書会 ❷ 有栖川有栖 北村薫 宮部みゆき 編   (印刷版PAPER MOON参照)

現代を代表する作家の御三方がアンソロジー本を作りました。
僕の『喋る男』が選ばれました。
安部公房、海音寺潮五郎、岡本綺堂、泉鏡花、
こんな方々の中に小泉𠮷宏
の名前があるなんて
くらくらします。
たった3頁の小説です。
他の作家さんの作品とともに楽しんでいただけたら
幸いです。
尚、あとがきの鼎談はネタバレが含まれています
ので、本編のあとにお読みください。
        2025.4 小泉𠮷宏

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No.524(Web版174号)1

 サイボーグ009トリビュートについてあれこれ 2

 by渡辺 ユリア

 食火炭  斧田 小夜
 料理の話からストーリーは始まる。テンポが良い。006の過去にあったかもしれない・・という物語。その頃、中国では飢饉のため、食べ物は何も無く自分の村でも餓死者が多く出る。そんな状況。世話をしていた親戚の幼い女の子に、土をこねた土饅頭をつくって、食べさせてしまった事。土の中には何が含まれているのか解からない状況。その後、女の子の身体は冷たくなっていた、という事実。余りの悲しさに世を嘆いて首を吊ろうとしていたときに、紐を切られ(ピストルの弾によって)拉致されサイボーグへと変えられてしまった。悲しい話。

 wash 長谷 敏司
 004が007の出演している元東ドイツの小さな街にやって来た事。004が自分のお金で買い、改造した車で。そこでふたりの会話のテンポが良い、と思っていたら、とんでもない状況になりました。自らをサイボーグ化しようとするベルガー博士たちとの戦い。生物を改造しようとする悪しき意思に対するサイボーグ戦士たち。005の言葉がきいてますね。
“シャワーを浴びたい” と。でも、007が目立ちました。

 海はどこにでも  藤井 大洋
 008 ピュンマが主人公の話。まるで一級のSFアニメを観ているような感覚。サンタマリアII世号から船外活動する人々の描写は緊迫感が伝わってきます。バックの地球の描写も想像してしまいます。アマニはきっと火星に立つ初めてのアフリカ生まれの人間となるでしょう。

 クーブラ・カーン  円城 塔
 何かがおかしい・・そんな気持ちになった物語。次第に変という正体がおぼろげながら現れてくる。そういう事もあるかもしれない。すべてはザナドウのように幻の都のようになる・・という物語。これから先が怖い気持ちになりました。

 八つの部屋  酉島 伝法
 ジェット・リンクはいかにして002になったのか、という話。彼は知り合いの仲間ふたりと共にその実験施設に連れてこられたようです。何回も脚部を取替えられたり、高く高く飛んでみたり、失敗して心も身体も傷ついてゆく状況。読み終わって感じた音楽はベートーベン作曲 ピアノソナタ “ 悲愴” 第二楽章。←P.Sこの曲ひけます    では、この辺で。
                        yullia 2025.4.8

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