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No.527(Web版177号)2

「スーパーマン」のことなど【ネタバレあり】

 中嶋康年

7月11日に映画「スーパーマン」が公開された。
2013年「マン・オブ・スティール」から始まって2023年「アクアマン」の2作目「失われた王国」まで主にジャック・スナイダー監督によって牽引されてきたDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)を終了させて、親会社のワーナー・ブラザーズの会社再編を機に、今までマーベルで「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」などを監督したジェイムズ・ガンをCEOに抜擢。今まで作られてきた作品群を全てチャラにして、新たに「DCU」(DCユニバース)を開始するとぶち上げた。
 その第1作目がこの「スーパーマン」なのである。DCEUのダークで重厚な作品と比べて、新生DCUは明るい雰囲気に回帰するとしているが、実際見てみるとそうばかりではないようだ。明るい色調のコスチューム、スーパードッグ・クリプトの登場、1978年の「スーパーマン」のジョン・ウィリアムスのテーマ音楽のアレンジなどそこここにその片鱗は見られるのだが、「危機に瀕している人たちを見捨ててはおけない」というスーパーマンの行動はそっくりそのまま現在のイスラエルとガザ地区の紛争、ロシアとウクライナの紛争を思い起こさずにはいられない。そして、スーパーマンは異星人であるとの理由で排斥運動が起こる、レックス・ルーサーが無数の猿(!)を操ってSNSにスーパーマンの悪評を書かせるなど、現代の世相と深くリンクしている。こういうところが、監督としてのジェームズ・ガンの矜持として評判を得ているところの一つであるだろう。
 今回の「スーパーマン」の一つの特徴として「ジェスティス・ギャング」の登場がある。グリーンランタン(GL)、ホークガール、ミスター・テリフィックの3人のグループである。GLは全宇宙規模の組織グリーンランタン・コアに任命された地球人。2011年に映画化されたが、こちらのGLはアメリカ空軍パイロットのハル・ジョーダンで「スーパーマン」のGLは3代目のガイ・ガードナーが受け継いでいるが、性格が相当にひねくれている。ホークガールは映画「ブラックアダム」に出てきたホークマンの妻という設定。ミスター・テリフィックは天才科学者で映画では初登場。チーム名の「ジャスティス・ギャング」はガイ・ガードナーが勝手につけたもので、作中、ホークガールは散々文句を言っているが、コスチュームの胸についているマークはもう見ても「JG」の文字をデザインしたものだよなあ。スーパーガールはどこに出てくるのかと思ったら最期にちょこっと登場。これじゃ次回映画のプロモーションだね。

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