« No.527(Web版177号)2 | トップページ | No.527(Web版177号)4 »

No.527(Web版177号)3

 日本の平和はずっと続くか?

 中村達彦

 太平洋戦争終戦から80年になる。以来、日本は、長いこと戦争にならずに続いてきたものだ。今回あまりSFの話をせずに語る。
 前にPMで語ったことについて、また触れているがご了承いただきたい。
 朝ドラ「あんぱん」でも、6月、戦争中のドラマが描かれた。
 1960年代から朝ドラは続いてきたが、大半で舞台は昭和初期に、劇中では、戦争で生活が次第に厳しくなり、やがて東京をはじめ日本各地に容赦ない空襲が加えられ、主人公の家族や親しい人が戦死する。悲惨な戦争の様子が強調される展開がお決まり。
 朝ドラ以外でも、こう言うドラマや映画が昔は多かった。
 太平洋戦争で命を落とした人は310万人以上(戦死者の6割は戦って亡くなった訳ではなく病死とか餓死とか)。明治時代から得ていた植民地のほとんどを失い、空襲などで多くの文化遺産が灰塵となるなど、空前の大敗北になった。
 ちょうど40年前の日露戦争で、日本は近代国家への改革が終わっていないのに、大国のロシアと戦った。自彼の国力を見定め、苦い勝利だったが早く戦争を終わらせた。この時、奇跡の勝利と世界から注目された。
 しかし欧米列強の侵略から守る立場が、いつも間にか欧米同様、大陸へ侵略の手を伸ばし、中国のみならずアメリカ、イギリス複数の大国と戦争に、空前の大敗北へ。
 だが大復興を遂げ、経済大国に躍進する。
 NHKで、8月16・17日に「シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜」と言うドラマが放送。昔、PM原稿で取り上げた総力戦研究所を扱っている。
 太平洋戦争の少し前、民間や軍のエキスパートが集められ、模擬内閣が作られた。実際の国力のデーターを提示、このまま日本が政策を続ければ、アメリカやイギリスとの戦争は避けられず、そうなったらどうなるかを予想するシミュレーションが行われた。
 その結果、戦争は不可能、日本必敗の結果が出て、近衛文麿、東條英機にもこの研究は報告された(原爆開発はSFのことで、予想できなかったと)。
 しかし日本は、アメリカとの戦争を選択し、シミュレーションと同じ経緯を進む夢。
 アメリカと戦争となれば、破滅すると知らされても、政府首脳は戦争を選択したのだ。
 もっとも、戦争を選択しなくても、当時の軍部独裁の状態だと、軍人たちがクーデターを興して、戦争に踏み切る(戦争を選択したのもクーデターを回避するためか?)。或いは10年、20年後に再びアメリカと対立が深まり、その時、戦争に突入して、原爆より強力な核兵器を何発も受け、史実より悲惨なことになったかも。
 戦争の責任一端は、軍部のみならず国民にもある。
 満州事変で、日本本土を凌ぐ広大な土地を得た日本人は優遇措置を与えられ大規模な移民を。日中戦争では、緒戦で、景気が良くなり、太平洋戦争開戦も、日本に経済制裁を課してきたアメリカ、イギリスを打破する戦争と考え、支持してきた(戦争を間違っていると唱える声も少数あったが)。
 日本で貧しい労働者や百姓が生活苦から軍隊へ志願したことも注目。軍隊は厳しい訓練や暴力制裁が日常茶飯事であったが、衣食住が保証され、努力次第では出世し注目されるので、軍の立場強化や戦争を望んでいた。
 当時、「のらくろ」「冒険ダン吉」などの大ヒットマンガで軍隊や日本の対外政策が賛美され、読者は信じ込まされた。また昭和前期に、日本がアメリカと戦争になる未来戦の小説が幾つか発表されたが、太平洋戦争の経緯を正しく言い当てたものは無かった。
 最近故人となった有名な政治家が、日本が欧米の侵略に立ち向かった結果、アジアの国々は独立を果たしたと言っていたが(その政治家が現在も生きていたら、トランプにNOと言えただろうか?)、疑問を呈する。
 東京をはじめ日本各地への空襲、広島・長崎への原爆投下、沖縄戦など惨禍を蒙ったが、その前に中国やアジア各国で日本が残虐行為を行なったのも事実である(日本の行動を戒め、良識的行動を行った軍人もいるが)。
 現在、戦争の悲惨さを知っているが、ミリタリー造詣に興味を持ち、戦争のマンガ・アニメ・ゲームが大好きと言う矛盾した人が多いのも事実。
 そして、第2次世界大戦で600万人のユダヤ人が虐殺されたが、ユダヤ人の国イスラエルはガザで戦争を繰り返し、多くの民間人が殺されている。
 ウクライナの戦争は、3年を過ぎたが終わらない。朝鮮は日本の植民地で塗炭の苦しみを味わったが、戦後2つに分かれ、ウクライナの戦争では北朝鮮がロシアに味方し、兵士や武器を送り込んだ。一方の韓国は、ベトナム戦争でアメリカに味方し、軍隊を送り込み、虐殺を行ったことが明かされた。
 アメリカは本気で戦争を止めさせようとしないし、ロシアもイスラエルも、アメリカの言うことを聞かない。イランとイスラエル、インドとパキスタン、タイとカンボジアでも衝突が勃発した。
 現在世界中には核兵器がごまんとあり、人類を何度も死滅させられるとのこと。
 核戦争は絶対に行ってはいけないし、日本が戦争になってもいけない。
 しかし、日本が戦争をしないと言っても、外国が戦争を望んで仕掛けられたら、それでも戦っては駄目なのだろうか?
 いじめも戦争も根絶しなければと盛んに言われているが、絶対に無くならない。
 それでも平和を願うのだ。

|

« No.527(Web版177号)2 | トップページ | No.527(Web版177号)4 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« No.527(Web版177号)2 | トップページ | No.527(Web版177号)4 »